紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【ダイの大冒険】獣王クロコダインの物語を追う[強敵たち]

2010-11-09 19:25:10 | ○○の物語を追う
前回の続き


  超竜軍団長・バラン

ダイたちパーティの次の敵は、超竜軍団長のバランであった。
なんと、バランはダイの父親だったのである。
バランは息子であるダイに、人間を滅ぼす協力をせよと迫る。



クロコダインはダイの危機に駆けつけるが、バランが相手となると自分は死ぬだろう。
クロコダインほどの男がビビってしまうほど、バランは強敵であった。

バランはクロコダインに問う。何故、魔王軍を裏切って人間に味方するのか?と。
バランはクロコダインのことを、六団長の中では最も評価していたのに残念だとも言った。

それに対するクロコダインの返答は、じつに武人らしいものであった。
「少なくともオレは大魔王バーン様のためなら死んでもいいと思っていた」
「主のために生命を捨てるのが真の武人・・・!」
「その対象が今はダイになったというだけの話だ!」
あわせて、ダイについて「オレたちの心の闇に光を与えてくれた太陽なのだ」と語った。



それを奪おうとする者は断じて許せん!
と、クロコダインはバランに立ち向かう。



決死のクロコダインは、ダイとの連携攻撃によってバランに会心の一撃をくらわせることに成功した。
バダックによって改名した必殺の「獣王会心撃」がバランの竜闘気をつらぬく!



いかなる攻撃もはじく竜闘気がつらぬかれたことに、バランは驚く。
クロコダインの強力な一撃もそうだが、そのクロコダインほどの男を動かすダイに対し、
バランは大きな恐れを抱いた。

考えたバランは、自分の持つ竜の紋章をダイの竜の紋章と共鳴させ、ダイの記憶を消去する。
バランは一旦退却したので全滅はまぬがれたが、勇者の戦線離脱によりダイのパーティは
絶体絶命の危機を迎えるのだった!


  ポップという男



クロコダインにとって、ポップという人間は尊敬すべき男であった。
まだクロコダインが魔王軍・百獣魔団長であったとき、卑劣な戦法をとった自分の
目を覚ましてくれたのは、ポップの仲間を想う勇気ある行動だった。



そのポップが、なんと記憶をなくしてしまったダイを見捨てて、自分だけ逃げると言う。



たとえ勝機がなくても仲間のために生命をかけて戦うのがアバンの使徒なのではなかったのか!?
あのとき仲間のために自分に戦いを挑んできた勇気はどこにいったのだ!?

所詮、ポップという男はその程度の男だったのか・・・。
クロコダインは心底、ポップに対して失望した。



しかし、それは一人で敵を足止めに行くためのポップの嘘だったのである。
ダイのもとに攻めてきたバランは、足止めにきたポップを部下にまかせてきたという。



クロコダインはポップの心を見抜けず、本当に逃げ出したと思っていた自分を深く恥じた。
そして同時に、やはりポップという男は仲間のために生命をかける勇気ある男だと
改めて尊敬しなおすのだった。

ならば、自分も生命を賭けなければなるまい。
あの世でポップに会うことがあれば、自分のことを好きなだけ殴らせよう。

迷いの晴れたクロコダインは、バランに対する戦略を決定する。




それは、バランの攻撃に耐えて力を消耗させ、後に戦う仲間が少しでも楽になるようにと
自分を捨て石と見立てた戦略であった。
クロコダインは自分の力とバランの力とを冷静に見比べ、自分に出来る最善の行動をとったのである。
それは、強さを求める武人としては屈辱的な選択だったのかもしれない。
しかし、そんな屈辱など、仲間のために嫌われ役を買って出たポップの心の痛みに比べれば小さなものだ。



その後もクロコダインはサポート役に徹する。
最終的に、バランは記憶を取り戻したダイによって撃退されることになる。


  尊敬すべき人間たち

バランとの激しい戦いのあと、クロコダインは様々な種類の尊敬すべき人間たちを見つけることになる。



死してなお、人々の心を動かす勇者アバン。
アバンの残した書によって、人々が道を見つける様子を見て、クロコダインはアバンに対して深く尊敬の念を抱く。





はじめはいけ好かない男だと思っていたが、自分なりの忠誠心と勇気を持って
勝ち目のない戦いに臨む、ベンガーナ親衛隊長・アキーム。
クロコダインは彼を死なせたくないと強く思う。



そして、バダック。
バダックはクロコダインの新しい武器まで作ってきてくれた。
魔物であるクロコダインに対して友人としてふるまう気のよい老人で、
クロコダインのよき理解者のひとりである。


  ザボエラとの戦い



ザボエラとの因縁の戦いも何回目か。
魔王軍のなかで取り入る相手がいなくなりつつあるザボエラが久しぶりにクロコダインの前に姿を現す。
あと一息のところまで追い詰めるクロコダインであったが、



新たに現れた超金属・オリハルコンで出来た謎の戦士によって、対決はさえぎられる。
またも、決着はつかず仕舞いであった。


  チウ



大ネズミのチウは、武道家となったマァムが連れてきた新しい仲間である。
身体も小さく大して強くもないチウだったが、たびたびクロコダインを感心させることがあった。



魔物を手なずけて使役する様子は、獣王に通ずる資質があるようにも見えた。



また、それなりに腕力もあり、クロコダインの新必殺技開発に協力してもらうこともあった。
クロコダインは、その褒美としてチウに「獣王の笛」を与えている。
吹いて寄ってきた魔物を倒せば仲間にできるアイテムであり、チウに獣王の資質アリとみての
贈り物であった。

チウの獣王としての資質は、このあと見る見る開花していくことになる。


  ハドラー親衛騎団との戦い



チームプレイを駆使する初めての敵であるハドラー親衛騎団との戦いは、熾烈を極めた。
彼らの個々の能力は、ダイたちパーティよりも上回っている。
こういった敵に、パワーにパワーで、スピードにスピードで対抗しても勝てない。
むしろ異なった能力で対応すべきだ、とクロコダインは悟る。

そして、この戦いにおいて、クロコダインは新必殺技を披露する!



その名も「獣王激烈掌」!
ネーミングセンスはともかく、二種類の回転の闘気流を組み合わせた強力な技である。



クロコダインのこの新必殺技によって、呪文を跳ね返す盾を封じ、
ポップの強力な「メドローア」によってパーティは勝利を得ることができたのだった。

クロコダインは、すでに一対一の戦いで真価を発揮するタイプの戦士ではなくなってきたが、
パーティ内での自分の立ち位置をよく理解し、サポートに特化するような行動をとることで
パーティに大きく貢献している。
こういうところが、他の作品にみられるようないわゆる「ヤムチャキャラ」との違いだろう。


  おまけ・クロコダインのやられっぷり第二弾

そうは言っても、クロコダインといえばやられ芸も魅力のひとつ。
ということで、今回の範囲のやられっぷりをまとめたので括目して見よ!





















負けるなっ、クロコダイン!
クロコダインの物語はもうちびっとだけ続くよ!!

 次回へ続く

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2 コメント

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Unknown (夢織時代)
2010-11-10 00:29:43
初めまして。
こうして見るとやはりクロコダインの格好良さに改めて感じ入るところです。
欄外から補足させていただければ、バラン戦において最後の激突の際、バランは「もうギガデインを使う魔法力も残っていない」ために、ライデインでの弱体化したギガブレイクに追い込まれていたことが挙げられます。
すなわち、序盤におけるクロコダインの勇戦がダイを勝たせる一助となったということを。
返信する
Unknown ()
2010-11-10 19:08:53
>夢織時代さん

初めましてです。

た、たしかに!
バランの最後の攻撃はライデインでのギガブレイクだったので
ライデインストラッシュで挑むダイと魔法剣の上では
同じ条件で対決することができた・・・。
それは、つまりクロコダインが序盤にギガブレイクを乱発させたから!

これは気が付きませんでした。
よく読み返したつもりだったんですが、読みが甘かったなー。
気が付かないところで良い仕事をするのがクロコダインクオリティですね。
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