紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【ダイの大冒険】獣王クロコダインの物語を追う[勇者ダイの仲間として]

2010-11-04 23:28:45 | ○○の物語を追う
前回の続き


  魔王軍不死騎団長・ヒュンケル



百獣魔団長・クロコダインを打ち破った勇者ダイたちは、次に不死騎団長・ヒュンケルと
激闘を繰り広げていた。
ヒュンケルは人間であり、しかもダイたちの師・アバンの一番弟子だった男である。
アバンに恨みを持つヒュンケルは魔王軍の六大団長となっていたのだ。

ヒュンケルの必殺剣・ブラッディースクライドがダイに直撃しようとするその時・・・



かつて、ダイたちに敗れたクロコダインが現れて、ダイを護ったのだった!



クロコダインは、かつてのダイたちとの戦いを通して、人間の素晴らしさを知った。
人間は強く優しい生き物だ。ともに力を合わせ喜びと悲しみを分かち合うことができる。
ただ強いだけの自分たち魔物とは違うのだ。

だからこそ、人間でありながら魔王軍に味方するヒュンケルをクロコダインは放ってはおけなかった。
まして、同じ師を持つダイたちとヒュンケルが殺し合うなど、あってはならないことだ。



クロコダインは、人間でありながら人間に恨みを持つヒュンケルのために涙を流した。
この男が凶刃をふるう様を見るに堪えなかった。
自分は今、このヒュンケルの刃によって今度こそ命尽きるかもしれない。
そうなったら、今度生まれ変わるときは自分も人間に生まれたい、と強く思った。

結局、クロコダインは命を落とすことはなかったが。
クロコダインはヒュンケルの部下の手当てのおかげで一命をとりとめた。


  ヒュンケルとの友情



ヒュンケルはダイたちに敗れた。
ヒュンケルは敗れた後、アバンの使徒として目を覚ました。
しかし、地底魔城のマグマの暴走により、ヒュンケルは溶岩の海へと沈んでいった。



それを救ったのはクロコダインであった。
ヒュンケルの部下の手当てを受け、沈みゆく地底魔城にいたクロコダインは
相棒のガルーダに助けられていた。
九死に一生を得たところ、溶岩に沈んでゆくヒュンケルを発見し、そのまま救出したのだった。



溶岩の海から助け出されたヒュンケルは、あのまま死なせてくれればよかったとつぶやいた。
ヒュンケルは、自分の弱さを棚に上げて師を恨み、人間を恨んで魔王軍に入った。
あのまま死んでいれば、罪が清算できたのにと嘆いたのだった。

クロコダインはヒュンケルに対してこんな言葉をかけている。

オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている
たとえ 生き恥をさらし 万人にさげすまれようとも 己の信ずる道を歩めるなら それでいいじゃないか


かつてダイたち相手に卑劣な作戦を用いてしまったクロコダインならではの言葉である。
過去に生き恥をさらしてしまったクロコダインだが、それにこだわらずに
武人としての誇りを思い出させてくれたダイたちに加勢する。それが、現在のクロコダインの信ずる道なのだ。



ヒュンケルはクロコダインの言葉に目を覚まし、共にダイたちに加勢する決意をした。
クロコダインとヒュンケルの友情は、ここに生まれたのだった。


  ダイたちへの加勢



クロコダインはヒュンケルとともに、ダイたちへの加勢に駆けつけた。
折しも、ダイたちは氷炎将軍・フレイザードとの戦いの中にいた。



クロコダインはその力をもって、フレイザードの結界塔・炎魔塔を破壊する!
ダイたちにとって心強い加勢であった。



その戦場に、「バダック」という老人がいた。
彼はクロコダインを少しも怖がりもしなかった。
その上、クロコダインの放った「獣王痛恨撃」を、名前が物騒だから「獣王会心撃」にでも
改名したらどうか、と気の効いたことまで言ってきたのだった。

こういう人間もいる。
これだから、人間は面白い。
と、クロコダインは思った。

これより、バダックとクロコダインの奇妙な友情が始まる。



また、この戦いにおいて、かつてクロコダインに卑劣な戦法を勧めてきた宿敵・ザボエラとの交戦もあった。



しかし、部下を身代わりに使う相変わらずな卑劣っぷりを発揮するザボエラ。
まんまと逃げられてしまった。
クロコダインとザボエラの奇妙な敵対関係も、この先続くのである。


  勝利のあと



フレイザードとの戦いに勝利したあと、パプニカ王国では勝利の宴が催された。
ダイたちの勝利におおきく貢献したクロコダインであったが、魔物が人間と酒を飲むわけにはいかない、と
離れた場所で独り静かに酒を飲んでいた。

そこへバダックが現れたのである。
「勝利の立役者に怪物も人間もあるかい!!」
とさっぱりと言い放つバダックに、クロコダインは感激する。



こんなに美味い酒を飲んだのは、生まれて初めてだった。



  おまけ・クロコダインのやられっぷりに括目せよ

ジャンプ漫画の宿命とでもいうべきか、序盤に強さを発揮したサブキャラクターは
その後、次々と登場する強敵たちや仲間たちの前にどんどんと弱くなっていくのである。
クロコダインも残念ながらその一人で、悲しいことに、今後ボスクラスとの戦闘においては
どんどん肩身が狭くなっていく。

その片鱗が見え始める、今回の範囲のクロコダインのやられっぷりに括目せよ!









負けるなっ、クロコダイン!
クロコダインの物語はまだまだ続くよ!!


 次回へ続く

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-11-12 00:30:29
敵だったから痛恨の一撃
味方になったから会心の一撃
に名前が変更になった

当時ドラクエやってなかったから
わかんなかったけど
返信する
Unknown ()
2010-11-13 09:28:07
ドラクエあるあるみたいなのを放りこんでくるのもダイ大の魅力なー。

他にも

・何でもできる反面何もできないのが勇者
・使うと呪文の効果がある武器
・戦闘中アイテムで回復する描写いろいろ
・バーンの1ターン二回行動、三回行動
・知らなかったのか?大魔王からは逃げられない!

とかとか、ほかにもたくさん!
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