紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【ダイの大冒険】獣王クロコダインの物語を追う[魔王軍百獣魔団長]

2010-11-01 23:09:02 | ○○の物語を追う
最近、「クロコダイン」で検索してこのサイトにたどり着く人がちょくちょくいるようなので、
今回はクロコダインに特化した記事を書いてみた。
いろんな意味でいまだに根強い人気を誇るクロコダインの物語を追う↓


  百獣魔団長・クロコダイン

「クロコダイン」は【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するリザードマンである。
魔王軍六大軍団のひとつ、動植物モンスターで構成される「百獣魔団」の団長である。

強靭な肉体と怪力を持ち、あらゆる動植物系モンスターを指揮する、勇者ダイ一行にとって
初めて対峙する六大団長であった。
リザードマンでありながら武人としての誇りを持ち、性格も実直である。



そのクロコダインに、魔軍司令・ハドラーから「勇者ダイ」抹殺司令がくだった。
ダイの映像を見たクロコダインは、獣王にこんなガキの相手をしろなどと冗談はやめてくれと
笑ったが、この少年がハドラーに手傷を負わせたと知ると興味を持ち、
さっそく自身でダイとの対決におもむいた。
相手が少年であるにもかかわらず、魔軍司令に傷を負わせたという情報のみで
みずから直接戦いに向かうところが、いかにも実直な武人といった感じである。



勇者ダイに対し、容赦のない攻撃を繰り出すクロコダイン。
ハドラーに手傷を負わせたと言え、相手はまだ子供である。
クロコダインの一撃をくらえば、簡単に砕け散るであろう。

しかし。



ダイとその一行は意外と手強く、クロコダインは左目に痛恨の一撃をくらってしまう。
ダイからの思わぬ一撃に、はげしく誇りを傷つけられたクロコダインは、
ダイたちのもとから一旦退却する。

クロコダインにとって手痛い敗戦となった。


  妖魔司教・ザボエラの入れ知恵



ダイ一行との戦いに敗退し、荒れるクロコダインのもとに「妖魔司教ザボエラ」が現れる。
ザボエラはクロコダインの危機を知り、助力に現れたと言うが、
クロコダインはザボエラのことをあまり快く思っていない。
ザボエラは悪魔のような頭脳で相手を陥れることを得意としている。
ザボエラは、クロコダインから見れば唾棄すべき「卑怯者」であった。

そんなザボエラがクロコダインに知恵を貸すという。
ザボエラは言葉たくみに、次に失敗すれば魔王軍にクロコダインの居場所がなくなることを
示唆し、そうなりたくなければザボエラの用意した「知恵」を使え、とそそのかした。



その知恵とは・・・


  ダイとの再戦

ザボエラの用意した知恵を隠し持ち、クロコダインはダイとの再戦に臨む。
百獣魔団全軍をあげてロモス王国を攻め、自身はロモス城にてダイに挑んだ。



ダイは先の戦いより確実にレベルアップしていた。
まともに挑んでも苦戦は必至。そう判断したクロコダインは、ついにザボエラの知恵を使う。



それは、ダイの育ての親である鬼面道士の「ブラス」を操ってけしかけるという、
人質に似た戦法であった。
それは、クロコダインがもっとも唾棄していた「卑怯」な戦法である。



当然、ダイの仲間やロモス兵たちから非難が殺到する。
これに対してクロコダインは・・・



まさかの逆ギレ!
クロコダインは武人としての「誇り」を失っても、現在の魔王軍の「地位」と
勇者ダイに対する「勝利」にこだわったのだった。


  勝利と誇りとの間で揺らぐ

ブラスを使った戦法により、勝利は確実かと思われたが、ダイ一行の中に意外な伏兵がいた。



魔法使い「ポップ」。
ダイ一行のなかで一番のザコであり、クロコダインの眼中にもなかった相手である。

ポップはクロコダインに一対一の勝負を申し込む。
「ザコである自分に対しても、汚い人質作戦を使うのか」というポップの挑発に乗り、
クロコダインはポップとの一対一の勝負に応じるのだった。



クロコダインとポップの力の差は歴然。
当然、クロコダインはポップを打ち負かした。
しかし、ポップは最後の力をふりしぼり、破邪呪文によってブラスを正気に戻したのだった。
これにより、クロコダインの人質作戦は破られることになった。

「貴様、ダイのために生命を捨てる覚悟だったのか!?」
と、クロコダインはポップに問う。
それに対し、ポップは
「仲間を見捨てて自分だけぬくぬくと生きてるなんて、死ぬよりカッコ悪りィやって、そう思っただけさ」
と答えた。



ポップの言葉に衝撃を受けたクロコダインは、思わず自分の行動を省みる。
こんな子供までもが生命を張って戦っているのに、自分はどうだ。
己が身の可愛さに、誇りを捨てて卑劣な手段を用いてしまった。

本当にこのままでいいのか?
男の誇りを失ってまで得る価値のある勝利なのか?

クロコダインは激しく揺らいだ。

そして・・・



揺らいだままのクロコダインは、「竜の紋章」を発動させたダイの強烈な一撃を食らい、目が覚めた。

 自分は負けた。

勇者ダイ。見事な男だった。
そして、ポップ。この少年にも男の誇りの尊さを教えられた。
この者たちに敗れたのであれば、まったく悔いはない。むしろ誇るべきことだと
クロコダインは思った。
そして、目先の勝利に狂った自分は愚かだったと恥じた。



勇者ダイ一行に激励の言葉を投げかけ、クロコダインは戦いに幕を引く。
百獣魔団の完全敗北であった。

この戦いで、クロコダインは死ななかったが、自身の生き方を180度変えてしまう戦いであった。
傷の癒えたクロコダインは、思いもよらぬ道を歩むことになる・・・。


 次回へ続く

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