新宗教マサルハッピー教

人がいなくても、水が流れることがあります。

秋口

2017-09-29 22:53:51 | 詩めくり
エレベーターから新聞開いて出てくる男の生え際あやや
電車を待ってる女性のお着物 秋風ではためき風情があやや
線路沿いの斜面に咲く彼岸花の日当たりあやや
秋の幸せ 夢見る禁煙 お持ち帰りはお電話で

ご飯食べてない(てんてんてん)
薬飲んでない(つんつんつん)
パンツ履いてない
ズボン洗ってない
わくわくわくわく
膨らむ胸に反してしぼむぜ
しぼむぜ肺潰れるぜ胃
「ここで一句」
公園で おにぎり食べてただけなのに 子供に睨まれ やっぱりあやや

憤怒

2017-09-20 23:36:10 | 詩めくり
あまりにも
あまりにでもないかと憤りを覚えた
わーっとなって
噴火の如く家を飛び出し
財布と携帯だけ持って赤い電車に乗り込んだ
半時間程くらくらと揺られて映画館のある街で降りようと思った
駅に着いた時
大粒の雨が人々を襲った
それは確かに知らない人々で
アメリカ人とアオザイを着た中国人が沢山居た
映画館には誰もいなかった
チケットを発行する機械だけが際限なく働いている他には誰も
そこには僕もいなかったであろう

つまりはまやかし

2017-09-16 19:12:47 | 詩めくり
オフィス内が魚臭いのは許せるし
階段でカブト虫を飼っていることにも最初よりは寛容だ
談話室に稀勢の里の色紙が置いてあるのも関心はないが
どんなに空が青くても
いくら風が穏やかであろうと
僕は神と仏が一緒だとは認めない
占い師と哲学くらいの違いがある
と言ったのは芥川龍之介だったか水戸黄門だったか

らせん、どこかへは

2017-09-13 02:57:46 | 詩めくり
娘は伸びた健脚急かして駅へ急ぐが
私鉄の車掌は機械的な学校だ(それも遠隔式の)
階段かけ上り改札抜けたがいずれも電車の扉は閉まる
果たして初老のスーツを挟んで北へ急ぐぞ北へ急ぐ
南へ急ぐんだ南へ急げ
ホームに立ち尽くした娘は息荒く
玄関に忘れた弁当を思い出す
家から出てきた娘の軌跡は
残像残して娘の脳裏に
急ぐんだ急ぐんだ急ぐんだ
次に朝が隠れる前に!