ナポリへ出かけるためにボローニャ駅に行った。チケットを買うために並んでいると足をすこし引きずった老女が割り込んできた。足が悪いので割り込ませろという。しかし、我々が並んでいたのはユーレイルパス専用の窓口であり、外国観光客専用の窓口だ。そのうえ列車の出発時間が迫っているとその時は考えたため、割り込みをジェスチャーで断った。イタリア語はさっぱりわからなかったので、相手は単に断ったことのみ印象に残ったか . . . 本文を読む
庭の野ばらが凄い。フェンスにはわせているのだが、どんどん伸びてその先は下の階の庭にまで届きそうだ。そして赤い花を満開に咲かせている。テラスにあるいつもの食事用テーブルからは見えなかったのでそこまで伸びているとは知らなかった。今日フェンスから下を覗き込むと5メートル近く垂れ下っている。迷惑になるかなとちらと考えたが、誰が見ても美しいものは美しいだろうと勝手に解釈してそのままにしてある。思えばこの野ば . . . 本文を読む
小田急スーパーでカボチャとレンコンをみたら無性に天ぷらが食べたくなった。しかし、天ぷらは揚げたことがない。キスと小さめのむきエビ・レンコン・カボチャを買ってごま油で揚げてみた。最初は天ぷらの衣がうまく付かない。具が衣からはがれてしまう。そのうち、しっかりと衣がつき、きつね色に揚がるようになった。やはり最初の油の温度が低すぎたということか。揚げ終わって気がついた。天つゆがない。困った。そうめんつゆが . . . 本文を読む
今日は娘の体調が悪いので睡眠をとらせるために孫の守を買って出て一日がくれた。遊びと睡眠につきあって5・6時間はあっという間に過ぎる。赤子も10か月にもなると知能と運動能力の進歩が目を瞠る。
ボールを投げ返すようになって、キャッチボール風になんとか遊べる。意識的に投げ返しているのがわかる。自分で本棚からいつも読んでもらっている絵本、といってもイナイイナイバーしか書いていないが、を引っ張り出してなに . . . 本文を読む
ぴぴぴーぴぐーいぐーいぐーいぴぴぴーぴぴぴぴーぴぴぴぴーぴびびぐーいぐーいぐーいぴぴぴーぴぴぴぴーぴぴぴぴーぴびびぐーいぐーいぐーいそう聞こえた。朝の4時半に鳥の突然の鳴き声で起こされた。随分近くで聞こえる。とても美しい泣き声だ。そっと起きて庭を見るとすぐ近くの開き扉に小鳥がとまり、顔を天に向けて啼き続けている。遠くで連れ合いが啼き応えている。小鳥の名前は知らないがすずめよりやや大き目で、モズくら . . . 本文を読む
去年の3月末はベトナムのハロン湾にいた。船で静かな湾をめぐる一泊2日の旅であった。周りは切り立った岩山が聳える。早朝の朝もやがかかった風景はモノトーンで、昨日町田版画美術館で見た中国の山水画そのものだ。江戸時代の画家は、どうして、見たこともない中国の山水を描けたのか。その秘密は画譜にあった。展示されていた画譜には、ハロン湾にそびえる山々と同じ形状の風景画が含まれていた。ベトナムハロン湾の周囲一帯は . . . 本文を読む
町田市に住んでいながら、国際版画美術館にはいまだ行ったことがなかった。日本で唯一の版画専門美術館ということで、1987年に設立された、立派な美術館だ。町田へ向かう電車から国際版画美術館の表示がこんもり茂った森の間にみえる。今日は、玉川学園から当の美術館まで歩いてみた。小一時間で着いた。周りを囲むように大きな噴水とレンガ敷きのある公園になっている。企画展 中国憧憬―ちゅうごく・しょうけい―日本美術の . . . 本文を読む
日本に居るときは大の和食党で、朝はご飯に昆布とかつおのだしの効いた味噌汁。昼はパスタをふくむ麺類が主で、夜は牛肉、豚肉、鶏肉は週に一回程度、後は毎日魚で、たいがい刺身、あとは焼き魚やしめ鯖など。たらこにちりめんじゃこがあれば言うことなし。野菜は根菜の煮付けや簡単にゆでて塩とオリーブオイルであえる。その他納豆、豆腐、つけもの、のりと割合、変化のないメニューだが、それぞれがうまいので飽きることはない。 . . . 本文を読む
アルゼンチンのカラファテに数日滞在したときのこと。昼飯にしっかりしたものが食べたくなった。アルゼンチンといえば牛肉だ。ホテルのお兄さんにレストランを紹介してもらい、出かけた。カラファテの本通りに出て、すぐにその店は見つかった。テーブルクロスの敷いてある、この町ではNO1の店らしい。磨きたてたワイングラスが光っている。もう少し、町の人たちが利用するようなところがよかったのだが、ホテルで案内するとどう . . . 本文を読む
バリでも男の手料理を作っていたし、日本でも作っている。キッチンさえ使えればどこの国にいても自分で作るほうがレストランで食べるよりも好みだ。バリは滞在したビラがキッチン付で、さらにスタッフが洗い物までしてくれるので大変助かった。もっとも、見よう見真似で必要に迫られてのものだから、そんなに手の込んだことは出来ないし、手の込んだものはあまり好きではない。味噌汁 昆布をミネラルウォータでしたし、ほころんで . . . 本文を読む
アルゼンチンはロス・カンタロスの滝とその下流に在るフリアス湖、ここが今回の一連の旅で最も水が透明で、美しかった。フリアス湖は透明感があり、かつ、光の反射で緑色の水が鮮やかに輝く。ロス・カンタロスの川は、巨大で平らな岩の上を水が滑るように流れ、岩にぶつかるところでは白くなり、きわめて清潔感がある。同じくアルゼンチンのメンドウサからアコンカグアに向かう途中の川もガイドに飲んでみることを進められたほどの . . . 本文を読む
バルセロナではガウディの作品を見て回った。グエル公園の作品群やサグラダファミリア聖堂などなど、注目すべき建築群のすばらしさはいずれまた触れてみたい。作品とは別に、彼の設計技法では大変な感銘を受けた。彼の建築群は当然のことながら、現代流の設計技法で建てられたのではない。現代の一級建築士は荷重や耐震強度に対して力学的な計算をコンピュータで行い、その結果を踏まえて設計図を描き、高層ビルを建築する。強度計 . . . 本文を読む
ラファエロ 「聖セシリア Santa Cecilia」
セシリアは、伝説によると神を賛美するのに楽器を奏でながら歌ったと言い伝えられており、これが様々な芸術分野において霊感の出所となってきた。wikiイタリアのボローニャに一月ほど滞在したときに、当地の国際絵画館にラファエロの絵があることを知り、6月のある日に出かけてみた。ボローニャ大学のある通りは危険だから近づかないようにと言われていたのだが、 . . . 本文を読む
ベトナムのフエには帝廟が多い。帝廟、つまり皇帝の霊を祭るところだ。ミンマン、トウドック、カイディン帝廟を見て回った。中国の属国が精一杯真似をしているといった風で、美的にも、荘厳さでも、特に見るべきものはなかったのだが、ひとつ気になったのが、マングリンと呼ばれる科挙の存在だ。カイディン帝廟の中央階段のたもとには、マングリンたちの像が群をなしていた。これは中国の紫禁城でも見なかった光景だ。全国民に受験 . . . 本文を読む
ちょうど今頃モロッコの木ジャカランダは紫色の花を咲かせる。青空に紫の花が咲き誇る赤茶けたモロッコ建築の町並みは記憶のなかに鮮やかな色調を浮かび上がらせる。日本では今、藤の花が近くの公園で満開だ。強い薫香をあたりに放っている。藤の花がこんなに強い薫りを放つとは知らなかった。紫の花には特別な雰囲気がある。異界の花に出会ったような不思議な色合いだ。紫の花は訪れた国の連想を引き出す。パリの美術館で見たモネ . . . 本文を読む