まさおレポート

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バリ バッグ屋の親父に22年前のダヤック族の話を聞く 事情が許せばカリマンタンにいたかった

2009年09月24日 11時55分49秒 | バリ島

「私も事情が許せばカリマンタンにいたかったよ。」と親父はバリコーヒーを飲みながら話だした。私にもすすめたが朝既に飲んだので遠慮する。

「カリマンタンではビジネスが難しいと云うことかい。」と私が尋ねる。
「バリ人はヒンドゥだから他の土地に住むのは難しいんだよ。死ぬときはヒンドゥで死にたいからね。長い間他の土地に住んでいても結局バリに帰って村に受け入れてもらうことになる。それも生き方だけどね。人によってはダヤックと結婚するものもいる。私の兄貴がそうだ。もう住み着いて22年になる。兄貴がカリマンタンで仕入れてこちらに送り私が店で売っている。」

云ってることが少し矛盾しているが親父と彼の兄貴は同じバリ人だがそれぞれ生き方が違うと云うことか。言葉の問題で細かいニュアンスが伝えにくいのだろう。
親父は続ける。
「ダヤックの女は腰みのだけで乳房は出している。いい女が多いけど手を出したら大変だね。結婚するしかない。もし結婚を拒んで逃げるような事があれば相手の親や兄弟に首を切られてあげく食べられてしまう。」
親父は手刀で首を切るジェスチャーをし、「マカン」・・・インドネシア語で食べるの意・・・と食べる仕草をした。

ダヤック族は20世紀初頭まで台湾の砂族などと同様、首狩り族として名を馳せていた。その名残だろうか。家族の娘に手をつけて結婚しない男は情け容赦なく殺されるという。いまでも世界中に残っている復讐談がここでもあった。元首狩り族なので当然だろうなと親父の話を聞く。

「ダヤック族はいい人だった。ビジネスはごまかさないし親切だ。男はものすごく筋肉が発達している。吹き矢で狩りをするんだが、彼らはコンプレッサーのような肺筋肉で100メートルも離れた獲物を倒すことができる。私もやってみたが全くとばなかった。あれは全身の筋肉でとばす。彼らの筋肉質な体だからできるのだね。」と親父は語る。
「100メートルってすごいよ。吹き矢で100メートルとは何かの間違いじゃないのかい。弓でさえそんなに飛ばないよ」と疑問を投げかけると
「うそじゃない。本当に飛ぶんだ。100メートル先のイノシシに命中するのを見た。さすがに100メートルも離れると刺さり方が浅いのですぐには倒れない。しかし毒が効いてきて30分後に近くで倒れている。犬が発見するんだ。」と目玉をむいて本当だと強調する。「狩ったイノシシは村中でサテやスープにして皮以外はほとんど食べてしまう。豚に比べて脂肪分が少なくておいしい。」

「どのくらいの長さの吹き矢なの。」「2メートルくらいかな。堅い木で直径2センチくらいのまっすぐなものの中をくりぬく。銅を熱しは押し当て熱しては押し当てしてゆっくりゆっくりと刳りぬくんだ。」なるほど見てきたから言えるリアリティーを感じる。
「狩りには弓矢と吹き矢とどちらを多く使うの」と私。「吹き矢の方が多いかな。」弓もこのくらいあったよと両手を広げて見せる。

親父は立ち上がって古いポストカードを持ってきた。みると年配の女性が細工物を編んでいる。その耳をみると耳たぶがのびて20センチもある。ピアスの穴が伸びてのびて20センチに達している。50グラムのイアリングを小さいときから長年つけているとここまで伸びるという。長いほどよいそうだ。

バリ バッグ屋の親父に22年前のダヤック族の話を聞く






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