Microsoftの「zune」が搭載するWi-Fiに期待が高まっているようですが…
。「iPod対抗の切り札になるか？--注目集める「Zune」の無線機能」CNET Japan
要は「zune」がWi-Fiで何をしたいのかが大きな問題じゃないでしょうか？
Wi-Fiで本当に楽曲ファイルをシェアしようとすれば、ファイルのコピーかストリーミングするかになると思われますが、コピーだとDRM的に問題が生じるでしょうから、ストリーミングになるんじゃないかと…。MS発表前のEngadget Japanese経由の情報でもそのように伝えていましたし…。そうすると、楽曲をシェアする間、常にWi-Fiで通信し続けなければならないことになります。これは携帯電話でいう通話しっぱなし、もしくは通信しっぱなしにほぼ同意でしょうから、ATRのアナリストが指摘するようにかなりのバッテリー消費になるでしょう。つまり、シェアに耐えられる時間はかなり限られることになります。
そう考えると、Wi-Fiを搭載してバッテリーのことまで考慮に入れた利用法はPCとの同期かネットからの直接ダウンロードということになるでしょう。しかし、PCとの同期をWi-Fiで行ったとして充電はどうするのか？結局充電用コネクタに接続して充電するのであればわざわざPCでWi-Fi接続する利点は半減するのではないでしょうか？
とすると残るはネットからの楽曲ファイルの直接ダウンロードということになります。欲しいときに欲しい楽曲を入手する、そしてホストPCとの同期時にホスト側にコピーして保存する、という感じになるのではないでしょうか？
結局、Wi-Fi搭載という点だけしか明らかになっていない現状では、この点だけがクローズアップされるのは仕方がないのですが、よく考えるとWi-Fi搭載で実用的なのは楽曲の直接ダウンロードだけ。LISMOのような感じだと思えばいいでしょう。で、CNET Japanの記事にもあるように「キーボードを使わずに一覧から楽曲を選んでダウンロードできるインターフェースを設計するのは容易ではない」んです。いったいどのようなインターフェイスを用意するのか、それがあまり煩雑だと、操作のシンプルさがこれまでの優位性を築いてきたiPodに対抗しきれない可能性だって出てきます。せっかく搭載したWi-Fiによるダウンロード機能があだとなる可能性だって生じるわけです。
MSさん、Wi-Fi搭載するのはいいけど、かなり深く広範囲にわたってよく考えないと全体の戦略が頓挫しかねませんよ
。
