また、発砲事件。地方新聞の一面に大きく写真が出ている。今回は、朝8時45分に、それも日頃よく利用するスーパーの大きな道ひとつ隔てた向かい側で起きた。こちらでは、道を境に治安の良い地帯だったり、悪い地帯だったりすることがよくある。
デトロイト警察から指名手配されていた人物がこの街に、恋人とその娘達と住んでいた。そこを見つかって、警察と銃撃戦になり、警察官が二人撃たれ、指名手配犯は射殺された。子供達の目の前で・・・。誰だか知らないが、道路に横たわっている人の写真も乗っているし、犯人の写真、恋人、その子供達も洩れなく写真が掲載されている。恋人はその人が指名手配犯だとは知らなかったと主張している。
日本ではニュースや新聞は毎日欠かさず見ていた。ところが、それは自分が理解できるからであった、日本語を。まったくあたりまえすぎて考えたことも無かった。一方で、それは、理解できないとなかなかに見ないし読まないということと等しい。こちらで、日本人で地元の新聞を購読(まさに買って、読む)している人が、何人いるだろうか。ニュースも見なければ情報はないのと同じになる。殺人事件の情報が必要か否かと突き詰めると、生活していくうえで、自分の身を守るためには必要ということになるだろうか。ここでは、我々は改善する方向ではなく、とにかく避けて逃げて身を守る必要があるから。
その日は春休みに入った初日で学校は休みだった。時間帯から考えて、なんだかとっても嫌な感じがする。