一日中お散歩券

朝、雨が降った。
ぼくの足元でピチャピチャと跳ねる雨粒。

12月８日、ぼくはプレゼントをもらった。
「一日中お散歩券」

やった～！
それ、今日、使います！

やがて、雨はキラキラ光りながら、消えて行った。



生き物たちが残してくれる情報。
木々のにおい、草のにおい、風のにおい。
ぼくは、ただ、それらを集めて歩く。



ポニーに会いに行った。



遊ぼう！遊ぼう！



ぼくは、何度も走った。
ポニーたちは食事中、走りっこに興味なし。



いいも～ん。におい嗅ぎしよ～っと。



気ままって、いいなぁ。
好きなところへ行こう。



あっちにいい匂いがあるよ！
そんな時は、どうしても早足になる。



あっという間にお昼になった。
ぼくのランチは、みつせ鶏のハンバーグ。
お腹すいた～。



お水も飲んで、ひと休み。
木陰を流れる風が気持ちいい。



午後の日差しが眩しくなった。
それでも、乾いた冷たい空気に誘われる。
歩いて、歩いて・・・



海辺にやって来た。
よく歩いている道なのに、いつもと違う景色に見える。



ぼくには似合わないけど、少しだけ、リゾート気分。



誰もいないガーデンテラス。

遠くで聞こえる森の音、鳥や動物の鳴き声、波の音・・・
自然を生かす大きな生命の力・・・
音の震動を体で感じていると、何だか眠くなった。

そして、猫を追いかけていたら、日暮れが近づいて来た。
帰る時間だって・・・



ぼくは、すっかり眠ってしまっていた。
ラム肉と野菜のスープ煮の匂いがして、目が覚めた。
晩ごはん！
今日は、ぼくの誕生日。

８才になったよ。


　　

今日も会いに来てくれて、ありがとう！