灼熱の大地より 28「インド新仏教事情」

2009年11月17日 11時00分32秒 | 海外、中国。韓国がらみ記事

灼熱の大地より 28「インド新仏教事情」

カテゴリ(海外)の中に、その他のインド関連記事があります)

インドで今、急速に広がり勢力を持ちつつある
幸福の科学に最も敵対しているグループが「実
は仏教徒だ」と聞いたら、皆さんは意外に思わ
れるでしょうか。

さらに、かつて高等宗教だった仏教が、現代の
インドでは「過激な不可触民の宗教」と見なさ
れがちだと知ったら、驚かれるかも知れません。

13世紀末、イスラム教徒の侵攻によってインド
から消え去った仏教が再び姿を現したのは、今
から50年余り前、アンベドカル博士が仏教への
改宗を決意したことに始まります。
この方は日本ではあまり知られていませんが、
数千年の間、不浄な存在として蔑まれてきた不
可触民から身を起こして学問を修め、ガンジー
の要請によりインド共和国の初代法務大臣まで
務めた方です。カースト差別はヒンズーでは
「神の定め」とされマヌ法典に明文化されて
いますが、それを禁じる条文をインド国憲法
に盛り込んだのは彼の功績ですから、偉人の一
人であることは間違いありません。
筆舌に尽くしがたい差別や偏見と戦い続けてき
たアンベドカル博士は、晩年、仏性の平等を説
く仏教に拠りどころを見出し、1956年10月、ナ
グプールという町でヒンズー教を捨て改宗します。

このとき同時に、彼を父と慕う50万人もの不可触
民が一夜にして仏教徒となりました。約700年間
途絶えていたインドの仏教史は、ここに復活した
といっても過言ではないでしょう。仏陀が日本に
再誕された、わずか3カ月後のことです。

現在、インドで数千万ともいわれる仏教徒の大
部分は、この1956年以降にヒンズーの不可触民
から改宗した「新仏教徒newBuddhist」であり、
アンベドカル博士の信奉者です。

アンベドカル博士の目的は、カーストのない
平等な社会であったと思われます。ヒンズーの
教えでは、「低カーストの人たちは過去世が悪
かったのだ。だから今世、虐げられて当たり前」
と説明され、また低カーストの方々自身も
「カルマだから仕方がない」とあきらめてしまう
傾向がありました。こうした考えに対して、アン
ベドカル博士は猛然と反旗を翻したのです。
彼はカーストを否定し、そのようなカルマの思想
を否定し、ヒンズーの神々を否定しました。
さらに勢いあまって転生輪廻を否定し、永遠の
生命や天国地獄の存在までもすべて否定してしまったのです。


             


もちろん彼は宗教家ではなく政治家であり、改宗
して一在家信者となったわけですが、一夜にして
数十万人を仏教に導いたその影響力たるや絶大です。
しかも、改宗後わずか二か月で急逝してしまった
ため、ともに改宗した人々は博士の残したわずか
な言葉や書籍を頼りとする他なく、かくしてインド
に復興した仏教は何と無霊魂説(五蘊仮和合)を
唱えるものになってしまいました。

ただ、実際にこれまで50回以上、こうした新仏教徒
を対象にセミナーを開催してきた私の印象では、
8割ぐらいの方は幸福の科学の教えを十分に理解し
受け入れる素地を持っていると感じています。
現に、新仏教徒の多いオーランガバード支部では
支部長をはじめ、信者の約半数が新仏教徒ですが
仏陀を慕う念いの強さにはいつも胸を打たれます。

しかし、イスラムやヒンズーに原理主義者がいる
のと同じように、この新仏教徒の中にもアンベド
カル博士の教えを金科玉条のごとく奉じる排他的な
人々がいるのも事実です。
セミナーの途中40数名が同時に席を蹴って会場を
出ていってしまったりしたのはまだいい方で、
セミナー開催地に事前に乗り込まれて誰も参加
できないように妨害されたり、マヘンドラ支部長に
至っては「再誕の仏陀」と言った途端に椅子を投げ
付けられたこともありました。

しかも、こうした新仏教徒の中には被差別カースト
であることを逆手にとって権利ばかりを主張し、
何かにかこつけては賠償金や補償金をゆすろうと
するようなたちの悪い連中もいて、インドにおける
仏教の評判を貶めています。

今後、当会の規模が大きくなるにしたがい、この
新仏教徒の勢力とどう対峙し、説得し、折り合い
をつけていくかということがひとつの課題となって
いくと考えています。


 

命を狙われるような危険もあるそうです

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿