令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

旅人編(13)飽き足らぬ日は

2009年10月29日 | 旅人編
【掲載日:平成21年11月20日】

梅の花 手折たを插頭かざして 遊べども
             らぬ日は 今日にしありけり
 


【第参組の歌】 
春なれば うべも咲きたる 梅の花 君を思ふと 夜眠よいなくに
《春が来て  やっぱり咲いた 梅の花 寝られんほどに 楽しみしてた》
                      ―壱岐守いきのかみ板氏安麿はんしのやすまろ―〔巻五・八三一〕
「安麿殿 やっと女児おみなが出たかと思うたが 相手は梅子か」〔旅人〕

梅の花 折りてかざせる 諸人もろひとは 今日けふあひだは たのしくあるべし
みんなみな 梅をかみし 遊んでる 今日一日を 楽しもやんか》
                      ―神司かむづかさ荒氏稲布こうしのいなしき―〔巻五・八三二〕
毎年としのはに 春のきたらば かくしこそ 梅を插頭かざして 楽しく飲まめ
《年毎に 春が来たなら こないして 梅を頭挿かざして 飲んで楽しも》
                      ―大令史だいりやうし野氏宿奈麿やしのすくなまろ―〔巻五・八三三〕
「飲もう 飲もうと 満誓まんせい殿と 同じじゃ」〔旅人〕

梅の花 今盛りなり 百鳥ももどりの 声のこほしき 春来たるらし
《梅の花 今真っ盛り 鳥々とりどりの 声聞きとなる 春が来たんや》
                      ―少令史せうりやうし田氏肥人でんしのうまひと―〔巻五・八三四〕
「鶯の他は 何かと待ってったに ももどりときたか これは まいった」〔旅人〕

春さらば はむとひし 梅の花 今日けふあそびに あひ見つるか
《春来たら 逢いたいおもてた 梅の花 今日のうたげで 逢うことでけた》
                      ―薬師高氏義通かうしぎつう―〔巻五・八三五〕
「誰に逢うかと思えば  また 梅子か 安麿殿と 取り会いじゃ ハハハ」〔旅人〕

梅の花 手折たを插頭かざして 遊べども らぬ日は 今日にしありけり                     
《梅の花 頭に挿して 一日を ほうけ尽くして まだ飽きたらん》
                      ―陰陽師おんやうじ礒氏法麿ぎしののりまろ―〔巻五・八三六〕
春の野に 鳴くや鶯 なつけむと わが家の園に 梅が花咲く
《春の野で  鳴く鶯を 呼ぼとして うちの庭先 梅 花咲かす》
                      ―笇師さんし志氏大道ししのおほみち―〔巻五・八三七〕
梅の花 散りまがひたる おかには 鶯鳴くも 春かたけて
《梅の花  散ってる岡で 鶯も 鳴きに来てるで 春もうそこや》
                      ―大隅目おおすみのさくわん榎氏鉢麿かしのはちまろ―〔巻五・八三八〕




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