WIND BENEATH MY WINGS

震災後、私たちの暮らしの「あるべき姿」を考え中。持続可能で幸せな暮らしを一緒に考えていきませんか?

五十嵐先生のプロフェッショナリズム。

2007-12-17 19:43:07 | 心と身体の健康・医療
私の主治医である、メディカルケア虎ノ門の院長、
五十嵐先生とお話するのは、
長い時で10分、短い時は3分くらい。

それでもメディカルケア虎ノ門行き、
五十嵐院長先生と話すと
私はいつも気持ちが落ち着き、
勇気を貰って
帰って来ることが出来る。

本当に不思議だけれど、
先生に対する信頼はゆるぎないものがあり、
今の元気な自分は先生のお陰だと
深く感謝している。

*****

私が復職支援には定評のある
同クリニックの評判をききつけ、
勇気を出してメールを送ったのは、
今年の春のことだ。

今の元気な姿からの想像もできないかもしれないが、
私の病歴は長く、症状も複雑だ。
最後に症状が悪化したのは、2006年8月末。
ほとんど何もできないボロボロ状態のところに
今の夫が救出にきて今に至る。
(この話は長くなるので割愛)
その後、妊娠し、長く休職しそのまま産休に入っていた。

病歴、症状を詳しく書いた上で、
それでもどうしても2007年10月に復職を目指したい旨を
書いた。

すると、
五十嵐先生ご本人から直接丁寧な
お返事をいただいた。

病歴も症状も複雑なので、
やってみないとわからないが、
受け入れてくださるとのこと。

私の心はこれで決まり、
出産後の1ヶ月検診が終わってから、
産科とともに受診していた順天堂医院から、
メディカルケア虎ノ門に転院し、
復職にむけての治療とリハビリを始めた。

一応10月復帰で会社に希望は出していたものの、
当時は、全く先の予測のつかない状態だった。

五十嵐先生にはじめてお会いしたのは、
7月のこと。
なんとなく予想はしていたが、
怖そうな人だった。

そして、テキパキと投薬内容を決定し、
治療計画をやはりテキパキと説明し、
そしてはっきりと、
「無理だったら復職は許可しませんから」
おっしゃった。

皆さんも経験があると思うが、
こういう怖くてテキパキした人は、
実は信頼できる人だということが多い。
言葉で飾られるよりも、
この人は本当に力を貸してくれる人だと
感じ取ることがある。
そんな感じだ。

「なんだかこの人頼りになりそう・・・」
と思いながら先生のリハビリ計画をメモし
帰路についた。

とりあえず、毎週通うことになり、
「まずは電車に乗る練習をしましょう」
と言われた。

ここでひとつ断っておくと、
パニック障害といえば、
「電車に乗れない」
と言われるくらい、
本の題名になってしまうくらい有名な
この症状(?)だが、
電車に乗れるパニック障害も患者さんも多い。
私自身、倒れる直前には、
普通に電車に乗り、
人混みに出て
普通に仕事をしていた。

しかし症状の急激な悪化により私は、
すべての人と連絡を絶つことになり、
家族以外とは一切接触できない
ようになっていた。
そこからのスタートだった。

****

外出や電車は以前にもリハビリをした経験があるので
2週間ほどで克服できた。
その後も徐々に強度を増やしていく。
「通勤で実際の乗る路線に乗りなさい」
「通勤で乗るラッシュ時に乗ってみなさい」
など、アドバイスは具体的。

そしてできるようになると、
脳トレがはじまった。
「苦手な分野の本を集中して読みなさい」
「新聞の難しそうな記事を読みなさい」
(この時点でリハビリのためにブログをはじめる)

「電車で図書館へ行って、数時間過ごしてみなさい」
というのもあった。

実際に仕事に行くことを想定しての
さまざまな課題が与えられ、
そのバーを徐々にあげていただいた。

そして気がつけば、
復職を数週間後に控え、
私は、
どこへでも、ひとりで行け、
誰とでも会って楽しく話が出来るようになり、
人混みも大丈夫になっていた。

リハビリのためにはじめたブログは、
すっかり趣味となってしまった。

普通、うつ病からの復職される方は、
会社のある、そこの駅に降り立つこと、
会社の門をくぐることにすら
抵抗がある人もいるという。

また復職しても、
すぐにまた状態が悪化して
休むことになる方もおられる。

そんな厳しい現実の中、
私はかなりの余裕をもって
復職の日をむかえることになった。

そして産業医や産業保健に携わる方々、
人事や上司などの暖かい理解により
復職し2ヶ月が順調に過ぎようとしている。

五十嵐先生は終始
淡々、粛々と支えて下さった。
不足の事態が起きても慌てず、
いつでも適切なアドバイスをくれた。

何度も繰り返すが、
五十嵐先生は決して愛想のいい人ではない。
むしろ無愛想だと思う。
そして人相もあまり良くない。

それなのにどうして私をはじめとする
患者はついていくのか?

まず、本当に必要なことを言ってくれること。

そして、知識の量も、ご経験も
豊富でありながら、
決してそこに安住していない人だと思う。

そして、私が属するメディアの人間や
組織の特質をよく理解している。

しかし先生が理解されているのは、
メディアだけではないのだろう。

官公庁、金融、メーカー等なさまざまな業種のことを
理解されているのだと思う。

そしてそれらを理解しているということは、
変遷する社会と企業のあり方を
常に勉強しているということだ。

そう、先生はプロなのだ。

今、日本に、企業のあり方まで含めて、
ビジネスマンのメンタルヘルスを考えられる方が
一体何人いるだろう?

おそらくそんなに多くはないと思う。

企業で多発するうつ病、
そして自殺者の増加を聞くにつけ、
先生のようなプロフェッショナルに
出会えた自分の幸せを感じ、
こうした周囲の努力を無駄にしないためにも、
元気になるべく頑張ろうと思う。

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5 コメント

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トラックバックをお願いしたいのですが (moon)
2007-12-16 12:14:04
初めてコメントさせていただきます。
moonです。
少し前からこちらを拝見させていただいておりました。(『メディカルケア虎ノ門』検索で)
私は復職支援プログラムの初期の受講患者でした。現在は治療が終了して1年3ヶ月が過ぎたところです。

今も復職へ向けて道を探している後輩にあたる人たちの為に、ぜひこの記事を紹介させていただきたいです。
改めて記事をひとつ書き、そこでトラックバックさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

返信する
有難うございます! (くま)
2007-12-17 05:34:12
コメント有難うございます。
また読んでいただき嬉しいです。
トラックバック大歓迎です。
承認制ですが、毎日チェックしていますので、
いただいたところで、即アップします。

返信する
ありがとうございます (moon)
2007-12-17 07:18:09
ありがとうございます。

トラックバック通知がうまく送られていないかもしれませんが、↓この記事です。

http://moon-moon.at.webry.info/200712/article_4.html

よろしくお願いします。
(私のブログは飛び飛びの上にあまり読む甲斐のない記事が多くてお恥ずかしい限りですが…)
返信する
五十嵐先生にかかる予定です (タロー丸)
2008-10-28 00:51:03
Yahooで検索していたら、このブログに行き着きました。
クリニックの口コミサイトとかにも、五十嵐先生の事を「怖い」という印象がかかれてましたけど、このブログを拝読して安心しました。
実は今月末に五十嵐先生が担当で初診にかかる予定です。
現在は「自律神経失調症」という診断の元で別の医師にかかってますけど、薬自体はうつ病の薬が主体なのです。
しかも、虎ノ門メディカルのHPに書いてある、うつ病チェックに当てはめてみると、2つ~3つあてはまるのです。
ちなみに周りの騒音に対して、極度に反応してしまい、過呼吸起こしたり、果ては廊下で騒ぎ出す事もあります。
なので、会社では迷惑かけどおしなので、休職して五十嵐先生の指導の下、復職プログラムで再起を賭けようと思いました。
貴重な体験談をありがとうございました。
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タロー丸さんへ (くま)
2008-11-04 21:05:56
お返事遅くなりました。
心の病気というのは一筋縄ではいかないなあと
個人的に思っています。
私自身はメンタルヘルスとは、いまや働くことを考えることそのものであり、考え方や生活そのものを変えていかない限り、心の病はなおらないと思っています。
どうか焦らずに、ひとつひとつ乗り越えていって下さいね。

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