本朝徒然噺

着物・古典芸能・京都・東京下町・タイガース好きの雑話 ※当ブログに掲載の記事や写真の無断転載はご遠慮ください。

秋の京都~祇園で一服

2005年10月02日 | 京都
10月2日、3日と、京都へ行ってきました。
今回の旅の目的は、祇園甲部の芸妓・舞妓さんたちによる舞の会「温習会」。
温習会は毎年10月1日から6日まで行われるのですが、春の「都をどり」と違って、舞の発表会的な要素が強くなります。温習会のチケットは一般にはあまり多く出回らないのですが、時々お邪魔させていただくお店のご主人が、手配してくださいました。

3日の公演のチケットをとっていたのですが、せっかくなので前日から京都入りすることに。
新幹線の「早割」を利用すると、割引になってお得です。
朝8時過ぎの「ひかり」に乗って、11時ちょっと前に京都へ到着。
京都駅からホテルへの荷物搬送サービスを利用し、身軽に、かつ時間を有効利用することにしました。荷物1つにつき750円で、駅から宿泊ホテルまで荷物を送ってくれるのです。コインロッカー代やホテルまでの交通費、時間などを考えると、決して高くはないと思います。

荷物を預け、京都駅の観光案内所やバスの案内所へ行って必要なものを入手した後、さっそくバスで祇園へ向かいました。
市バス専用の一日乗車券が500円で販売されているのですが、これを使うととてもお得です。嵐山や嵯峨野のほうへ行くには別料金が必要ですが、市内中心部を回るには十分です。
そのほか、市バスと地下鉄で使える一日乗車券・二日乗車券もあります。目的や滞在期間によって使い分けるとよいと思います。

四条河原町でバスを降りて、祇園方面に向かって歩きました。
南座に掲げられている、坂田藤十郎襲名披露興行のカウントダウン看板も、少しずつ日数が減ってきています。

坂田藤十郎襲名披露興行のカウントダウン看板

南座の前まで来ると、「かしまし娘結成50周年記念公演」の看板が……。
10月1日から10月10日までの公演の真っ最中でした。
思わず足をとめて看板を見た私は「観たいなあ……」としばし思案。
この日の旅行スケジュールと照らし合わせてみると、ちょうど、4時からの夜の部を観る余裕があります。
幸い当日券もあったので、さっそく3等席のチケットを購入。旅先でふらりと芝居見物というのも、なかなかオツなものです。

祇園のおそば屋さんでお昼を食べ、本屋さんで雑誌などを探した後、予約しておいた「舞妓花の席」へ向かいました。
「舞妓花の席」は、「丸梅」さんというお店を使って土日と祝日に開かれているのですが、小一時間ほど舞妓さんと話をしながら、お抹茶とお菓子をいただけます。もちろん一見さんOKです。舞妓さんの京舞も見られます。

まだ本格的な観光シーズンではないせいか、この日は私を含めて3人のお客さんだったので、比較的ゆっくり舞妓さんと話ができました。お客さん同士も面識がなかったのですが、舞妓さんを交えていろいろと話をしているうちに、すっかりうちとけて和やかムードでした。
この日来てくださった方は、舞妓さんになって4年目という、お姉さん舞妓さん(年長の舞妓さんのこと)です。お姉さんだけあって、とても落ち着いた雰囲気の方でした。スリムで現代的な美人です。
この舞妓さんが着ていた着物は、「無双(むそう)」という、とてもぜいたくな着物です。
単(ひとえ)の着物の上に紗などの薄物の生地を重ねて仕立てたもので、袷から単、単から袷に変わる時の、わずか一週間ほどの期間しか着られません。5月の下旬か、10月の上旬しか着られないのです。
紗や絽を2枚重ね合わせた「紗合わせ」という着物も同様ですが、「無双」は「紗合わせ」と違って、下の着物の柄がかすかに透けて見えます。これが何とも言えずおしゃれです。
お姉さん舞妓さんなので、衿は白になっています。舞妓さんの白衿は、塩瀬の衿ではなく、白の糸でびっしりと刺繍がされた豪華なものです。

舞妓さんの無双の着物
↑舞妓さんが着ていた「無双」の着物。表の着物は紗、裏の着物は単になっていて、表の紗がモワレになって見えます。写真だとわかりにくいですが、近くで見ると、裏の着物の柄がかすかに透けて見えて、とても素敵です。

舞妓さんの菊の花かんざし
↑舞妓さんが差している花かんざし。月ごとに決められており、10月は菊です。

舞妓さんのかわいらしさはもちろん、舞妓さんのきれいな着物や素敵な舞を見て、目の保養ができました。



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