「チルソクの夏」に関すること③

「四日間の奇蹟」関連が続いたので・・・
ちょっと戻して「チルソクの夏」について。

胸がキュ～っとなるエンドロール。
ん？見覚えの有る名前が１，２，３・・・
帰ってパンフレットで確認してみると、間違い無い！

「チルソクの夏」の舞台は下関。陸上競技が重要な役目。

７年前に他界した母は、下関陸上競技協会の役員として主に学生の陸上競技大会
の運営に携わっていた。その協会の方達の名前でした。
打上げや忘年会を実家で行ったことも有り、顔・名前は覚えていました。
母にマラソンを勧め、他県のレースに連れて行ってくれたＮさん・・・
実家には、Ｎさんと参加したマラソンの写真が引伸ばして飾ってあります。
とてもうれしかったみたいで。

協会の人がクレジットされている事を父に話すと、映画公開後にＫさん（元教員で、
私の小学校時代の生徒指導をしていた！）が「亡くなっていなかったら、映画に参加
して、また一緒に思い出が作れとったのに・・・」と言い、お線香を上げてくれたと。

私の大好きな「チルソクの夏」。
佐々部監督の作品にほんの少しでも、携わることが出来ていたら母は間違い無く私に
自慢したと思う。私は素直に喜んだだろう。

佐々部監督の次回作「四日間の奇蹟」。
様々なめぐり合わせで、今回私は、ほんの少しですが携わることが出来ました。
こんなこともあるんだなぁ　とふと考えたりする。これも小さな奇蹟かな。

今週、自慢しにお墓に行こう。羨ましがるだろうけど。

添付画像は矢玉神社神社の鳥居です

「チルソクの夏」に関すること②

前回の続き
地元下関出身の佐々部監督だからとか、見なれた風景が溢れているとか抜きで「チルソ
クの夏」という作品は素晴らしかった。大事件も無けりゃ、大ドンデン返しや過剰な演出も
無い。
気持ち良い位に「真直ぐ」で「ど真中」。誰もが持っている人を想う気持ちというもの・
好きな人・友達・家族への・・
淡々と描いているんですが、どっぷりと浸かってしまう自分が心地よく、登場人物と同じ
ように一喜一憂出来るんです。

映画に『ハマる』という表現がありますが、いろんなパターンがありますよね。
スポ根系や、ハラハラ系、ＣＧこれでもか系なんかは、完全に第三者の視点で『ハマる』
のでしょうが、「チルソクの夏」は、限りなく登場人物に近い立場で見ることが出来て
『ハマる』んです。
それは、前述の通り“人を想う気持ち”を丁寧に描いているからなのでは・・・と。

出演者もメインの女の子４人で有名な人はいません（その後、上野樹里ちゃんは・・・・
言うまでもありません）が本当に素直に７０年代の高校生を演じていますし、主人公の父
親役の山本譲二はピタっとはまっていました。
その当時の歌謡曲の使い方。この映画を見てからは、「なごり雪」を聞くと涙腺がパブロ
フの犬と化します。

エンドロールに知っている人の名前が多数・・？
後日、亡くなった母と「チルソクの夏」に幻となった接点があった事を知る。

続く

「チルソクの夏」に関すること①

「チルソクの夏」という邦画がある。すでにDVD・ビデオも発売され、ＣＳでの放送も行われている。
地元の下関を舞台にしており、撮影前から耳にしていた。下関にあるシーモールというショッピングセンターで、陸上競技場でのエキストラ募集という看板を見ていたので。
1年後、下関での先行ロードショーとなった。市内は「チルソクの夏」のポスターがあちらこちらに貼られ、サンデンバスなどは、車体全面広告！！
映画は大好きだが、正直なところ・・ちょっと気になるくらい・・だったのだが！！

通勤のＪＲでのおばさん達の会話「チルソクの夏をこの前見たんやけど、ブチえかったんよぉ。私の中では
タイタニック超えたねぇ。」
それを聞いていた、私の隣の女子高生達の会話「あぁ、あのおばさんとあたしら、泣きのツボ一緒やったんやねぇ。ねぇもう１回見に行かん？」「あ、うちの姉ちゃんは、３回見たよ」

！！タイタニック超え？（別にタイタニックが自分の中でのベストではないが）
！！おばさんのツボ＝女子高生のツボ？
！！もう１回　３回？

ひょっとすると・・・その日は仕事を定時に終わらせ、支店から歩いて３分の下関東宝へ足を運んだ。
たしか19時からの最終だったが、なんと９割の席が埋まっている。客層は高校生からご老人まで。

うわっ　何　今　俺　泣いてる
あぁ　安くんの想い　こう表現するか　泣く
友達って　ええなぁ　なごり雪が泣かす
完璧なラストシーン　モノクロのエンドロール　泣く

続く