Asianwalker

アジアの路地裏から

2010年4月29日~5月5日バンコク・シンガポール4

2010年06月04日 | 東南アジア
この辺り一帯は市場や専門店が連なっている。

廃墟かと思ったら、立派に営業していた。






市場一帯は猛烈に臭い。けど、我慢して歩いて行く。






野菜売り場周辺も埃っぽくって臭い。市場を見るのは楽しいが、ここにいると呼吸器系が病気になりそうな気がする。早々に退散。






市場一帯はコロニアルな感じの古い建物が多い。






専門店は携帯ショップや電気屋が多い。









パダン料理の店が建ち並んでいる。インドネシアらしい光景である。









ホーローの器に盛り付けられたカレーや惣菜を見ていると思わず食べたくなるが、パダン料理を食べると翌日、お尻に火がつき、トイレで長時間苦しむことになるので食べないようにしている。







再度、メインストリートに戻る。遠くからでもパノラマリージェンシーホテルが目印になるので、ナゴヤの街の位置関係が分かるようになってきた。






このあたりがナゴヤの中心部なのであろう。路地に入るとホテルが異常なほど多い。そのほとんどが、古くて小さなホテルである。この島にそれほどの宿泊需要があるのか謎である。週末になるとシンガポール人が大挙して押し寄せて来るのだろうか。









ホテルが立ち並ぶ路地。






その中でも、最も安そうなホテルをのぞいてみることにする。NAGOYA INN その安直なネーミングからして早くもチープな安宿感が漂ってくる。






まず、エレベーターが無い。そして階段が極端に狭くて急である。階段をあがると、照明もない、狭くて暗い廊下があり、なかなかいい味を出している。これだけで気が滅入ってきそうである。









窓の無い部屋はまるで独房のようである。この部屋にずっといると気が滅入ってしまうだろう。狭い部屋の中はじめじめして、ベットからは変な臭いが漂ってくる。これで1泊900円。10年前ならこれでも泊れたかもしれないが、今は無理である。






トイレ・シャワー付きなのが有難いが、清潔感はない。こんなところで、シャワーを浴びると病気になってしまいそうだと瞬間的に悟った。10年前ならこの程度なら、何てことはないレベルであるが、いつからこんな神経質になってしまったのだろう。






このホテルで唯一、日の当たる場所が通りに面したバルコニーだが、洗濯物干し場になっている。






こんな場末のホテルでも利用者がいるから営業しているのだろう。しかし、宿泊する人はあまりいないと思う。ほとんどが休憩目的で利用するのだろう。



炎天下の中、しばらく歩き続けたので、冷えたビールが飲みたい。食堂に入ると、暇な人たちが大勢、昼間からうだうだしながらビールを飲んでいる。






土地柄、ビンタン、タイガー、アンカーといった地元のビールが安くて豊富であるが、定番のハイネケンもある。しかし、嬉しい事に世界のメジャーなビールの中で最も好きなカールスバーグがある。


日本の外国ブランドビールのブームの頃、バブル前後だったと思う。外国のビールを飲むことがカッコイイという風潮があった。世界1位のバドワイザーはキリン、2位のミラーはアサヒ、3位のハイネケンはキリン、4位のカールスバーグはサントリーとパートナーを組み日本でライセンス生産するという気合の入れようだったが、人気は一時的なものに終わってしまった。個人的にはバトワイザー、ミラーは美味しいと思った事がない。アメリカの水っぽいビール(アメリカではビールは水代わりに飲むものかもしれないが)程度の印象しかない。中でもバドワイザーの販促キャンペーンの気合の入れ方といえば、時にはえげつなささえ感じたほどであったが、日本人の味覚を満足させるには至らなかった。飲んでカッコイイのと美味しいのとでは、一時的にはカッコイイ方に人気が出るのかもしれないが、最後には美味しい方=本物が勝つのが日本市場である。味覚オンチのアメリカ人はごまかせるかもしれないが、日本人はごまかせない。


一方、伝統、クオリティ、味、本格派といった日本人の求めるものを追求したかのようなマーケティングを展開したのが、ハイネケン、カールスバーグのヨーロッパ勢なのだが、一定のファン層を取り込むという成功を収めるには至ったが、大衆的な人気が定着するまでには至らなかった。結局、好きな人、違いが分かる人だけが飲めばいい程度の市場規模に落ち着いてしまった。


ハイネケンはホップがよく効いてて、モルトの旨味と程よいバランスでミックスされ、後味はやや甘く、そして何より爽快。心地良く次の一口を誘ってくれる。ただ、炭酸が強すぎて少し飲みにくさも感じる。総じてバランス重視の無難で手堅い美味しさであまり特徴がない。外国で何だか訳の分からない怪しいビールの中にハイネケンがあったら、迷わずに選んでしまう。そんな安パイ的なビールだと思う。


ハイネケンの好敵手、カースルバーグは非常にキリっとした苦味と強い炭酸。モルトの甘味は控えめで、日本のクラシックなラガーのような飲み口。ただ、後味にしっかりとしたホップフレーバーが残る点は大きく異なる。総じて力強さを感じるところが良い。最も好みの味である。


下手な論評を展開してしまったが、ビールなんてものは、暑い時に美味しく飲めればそれでいいのである。また、味覚、嗜好は個人により異なるものだから、好きなものを飲めばいいのである。総じて、アジア諸国のビールは暑い時に飲むと美味しいものが多い。中でも、自分好みの美味しいものをピックアップすると、韓国のOB、ベトナムの333、ラオスのビアラオ、フィリピンのサンミゲルであろうか。残念な事に大好きなタイには好みのビールはない。シンハーなんて苦いだけである。そんな訳で、タイでビールを飲む時は、ハイネケンかカールスバーグとなるのだが、いつの頃からかカースルバーグは姿を消してしまった。おそらくタイ国内でのライセンス生産を中止してしまったのであろう。一方、ハイネケンはしぶとく生き残っている。ライバルのカールスバーグ亡き後、その反動か、年々、人気・ステータスが上昇してきているような気もする。暑いタイにはカールスバーグの方が、飲みやすくて合っていると思うのだが、それは自分の好み、味覚のモノサシである。あの苦くて美味しくないシンハーを愛するタイ国民である。ハイネケンの方がシンハーに近い味がする。タイ国民の味覚に合っているのだろう。タイに行くたび、カールスバーグ健在の時代を懐かしみながら、ハイネケンやシンハーを飲み続けている。


外国ブランドビールのブームが去った後の日本ではみんながアサヒやキリンを美味しいと言いながら、何の迷いも無くガブガブと飲んでいる。個人的にはアサヒスーパードライは世界の市場でも十分通用する個性的なビールだと思う。炭酸がコーラ並に強く、もはや暴力的とも言えるほどであり、苦味もやや強めで口の中がビシビシする。モルト感はあまり感じられず、副原料のコーンのような風味が感じられ、後味まで炭酸が残り、爽やかなキレを演出、最初の一口がとにかく美味い!喉越し至上主義!日本人の多くはビールは最初の1杯、味わって飲むほどのものではないと考えているので、市場に受け入れられるのも当然である。アサヒのマーケティング力の勝利である。また、このコンセプトはビールの革命と言っても過言ではないと思う。今、日本のビール会社はアジア市場への進出に躍起となっている。アジア諸国のビールに比べて、日本のビールが突出して美味いとは思わない。果たしてどこまで受け入れられるか注目である。


外国ブランドビールのブームは去ったのだが、世界のビールだけを集めたバーが少ないながらも東京には存在する。そんなバーの一つが会社の近くにあるのだが、場所柄、外国人が多いので、ビールにはうるさそうな面々が多い。日本、アジアのビールを飲むような客はいない。ドイツやベルギーの小さなワイナリーが生産する地ビールを飲んでいる。その中でも特にお気に入りなのが、ベルギーのセゾンビールである。入荷数が極端に少なく飲めるチャンスが滅多にないので、税関に到着した時点で連絡するように店員には言ってある。そんな努力の甲斐もあって、先月、入荷直後に飲みに行った。1瓶(750ml)3000円というワイン並みの値段。店員もうやうやしく、瓶をクロスで包みながら、ワイングラスにゆっくりと丁寧に注いでいく。グラスに流れ落ちるなり凄まじい量のコンモリとした泡がモコモコ盛り上がる。ビールの色はかなりの濁りがありやや褐色がかる。熟したフルーツのようなアロマがある。飲んでみると、ピリッとした舌を刺すような強烈な苦味と酸味が出迎え、しばらくするとマッタリとした甘味が訪れ一息。後味はフワっとアルコール感があり最後はすべて散逸するように軽く消えていく。セゾンビールはベルギーでは農民のお茶代わりに飲まれていたと言うが、奇妙奇天烈な味のビールである。こんなビールを毎日飲めるベルギーの農民は世界一の幸せ者である。あまりの強烈さに別のセゾンビールをもう1瓶オーダーしてみた。例によって店員がシャンパンを注ぐようにグラスに注ぐ。色は濃くアンバーカラー、セゾンスタイルとしてはかなり濃い色。そしてほんのりとフルーティな香り。飲んでみると、ものすごく円やかでオレンジのような柑橘系の香りあり(単純にホップ由来ではないっぽい)、苦味は強めで辛口ながらフルーツのような甘味も兼ね備えて飲みやすい。それはもはやビールではない別の飲み物であった。店員に今年、一番美味しいビールを飲まれましたね。すぐに無くなってしまいますよ。さすがお目が高いと最大級の賛辞を送られてしまった。こんなまるでワインを味わうようなビールの飲み方はあまり好きではない。


暑い国で沢山汗を流した後に飲むビールが一番美味いに決まっている。それが、カールスバーグなら最高である。カールスバーグを一気に飲み干す。南国の暑い空の下でビールの王様、カールスバーグを飲むのは至福のひと時である。タイの綺麗な海を見ながらカースルバーグを飲み干したい。いつの日かまた、タイで復活してもらうことを願っている。






渇いた体にビールを補給して生き返った。その辺の路地裏を歩き回るが、楽しい発見はない。






センターポイントというロータリーに面したショッピングセンター。ここが正真正銘のナゴヤの中心なのだろう。






近くにはホテルフォルモサがある。ここは高級感があるわりには4500円とリーズナブルであり、ロケーションも最高である。恐らくもう二度とバタム島に来る機会もないと思うが、もし、今度、来る事があるならばここに宿泊しようと思う。






正面には彩鮮やかなファンタジーホテルがある。安宿には違いないが、全然、ファンタジーではない。






かなり歩きまわって、ナゴヤの概要を把握したので、いったんホテルに戻る。少しの休憩のつもりが、いつの間にか眠り込んでしまった。目が覚めると6時であった。2時間も寝てしまった。

再度、センターポイントに行き、近くのホーカーズ食堂でフィッシュヘッドカリーを頼む。注文係の女の子がフィッシュヘッドでいいのと頭を指すしぐさがかわいい。土鍋でぐつぐつ煮込んだフィッシュヘッドカリーは今まで食べたなかでは最高の美味しさとボリュームであった。しかし、料金も最高に高く800円もした。一瞬ぼられたかと思ったが、昼に食べたナシゴレンが300円だったことを考えると、そんなものであろう。それにしてもバタム島は物価が高い。









早めの夕食を食べ終えると、もうすることがなくなった。ロータリーでたむろしている与太郎どもと話しをしたりしているうちに、そのうちの一人と仲良くなってしまった。お互いヒマなので、彼のバイクの後ろに乗って、夜のナゴヤの街を案内してもらった。つまらないバーやプールバーで酒を飲んだ後、チップを1000円ほど渡してお別れした。彼は地元の与太郎だと思っていたのだが、スマトラ島からの出稼ぎ者であった。スマトラ島は行ったことがないので知識もないが、敬虔なイスラム教徒の島というイメージがある。酒の相手をさせるなんて悪いことをしてしまった。バタムはローカルの人間よりもインドネシア各島からの出稼ぎ者が多い島である。ジャワ島からの出稼ぎ者が多いバリ島に似ている。


時間はまだ10時である。インドネシアのマッサージは指でごりごり押すだけなので、痛いだけで気持ち良くないので嫌いである。しかし、他にする事もないので1時間ほどマッサージをしてホテルに帰ることにした。マッサージで多少リフレッシュしたのでホテルに帰ろうとするが、なかなか、タクシーがつかまらない。ようやくつかまえたタクシーであったが、メーターで行かない。何度も強い口調で言ってようやくメーターを押す。初乗りが60円である。この運転手、英語が流暢でとても陽気だが、妙にハイテンションで言っている事が支離滅裂である。クスリでハイになっている感じがする。変な奴である。あまり関わりたくない。うわの空で話を聞き流す。ホテルに着くと、いつの間にかメーターの数字が消えていた。いくら?と聞くと200円だという。こんな近くの距離でそんな料金の訳が無い。せいぜい80円がいいとこだろう。頭に来たので60円を突き出して車から降り、ホテルに入る。運転手がわめき散らす。ロビーで鍵を受け取ると、運転手が怒り心頭といった様子で車から降りて追いかけて来ている。平均的なインドネシア人の男性は小柄で貧相な体格の人が多い。しかし、この運転手は身長175cm前後、がっしりとした筋肉質な体つき、しかも若い。争うには分が悪い。

海外旅行で一番気をつけているのが、外国では絶対に争い、喧嘩をしない事である。外国で現地の人間と争っても勝利する確率は限りなく低い。いくらこちらが正しくて相手が間違っていようが、そんな事は関係ない。自国の人間が正しくて勝つことになっているのだ。おそらくそれは日本でも同じであろう。しかし、今夜はどういう訳か理性がどこかに飛んでしまい、闘争心が満ち溢れてきた。この島の空気がそうさせたのか、この島に来てフラストレーションが溜まっていたのか、運転手の不正がどうしても許せなかったのか、酒に酔って気持ちが大きくなっていたのか、理由は分からない。相手はヤク中の可能性が高いし、武器を所持している可能性もある。しかし、そんな事はどうでもいい。今、ここで、こいつと決着を着けないといけないのだ。後ろを振り向き、運転手の方に歩み寄っていく。お互いの距離が近づき、相対する。お互いの顔と顔が近づいたその瞬間、ドアマンに運転手が取り押さえられ、外に放り出された。このドアマンは身長185cm、体重100kg以上はありそうなインドネシアでは規格外に近い大男である。昼にチェックインした際、部屋に荷物を運んでもらった時に手持ちのルピアが無かったので、財布に入っていた最も小額なUSドル、5㌦をチップに渡した。彼にとっては破格のチップだったのであろう。満面の笑みで受け取った後は、しばらく話がはずみ、その後、ホテルを出入りする際は笑顔で挨拶を交わす関係になっていたのであった。運転手を外に放り出したドアマンが戻ってきた。ここは、お互い男と男である。何も会話は要らない。固い握手を交わした後は部屋に戻った。


4日目終了。

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