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ガソリンスタンドが廃業・減少している理由

2016年07月19日 | ガソリンスタンド2

2019年4月2日 だれの責任なのか。元売ではないのか。


2018年2月5日 加筆(緑色文字)


2017年の元売統合最終章でー
・特約店が不採算店舗を閉鎖
・業転玉で凌いでいた販売店がそれまでのように他社買いが出来なくなることで閉店を決断
・安値の業転玉がなくなったことで、それまで“天国”だったPB-SSの倒産が増加

ガソリンスタンドが廃業・減少している理由として上記を追加しておきます。




揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)
より




給油所数・販売量・セルフSS数の推移はこちら






ガソリンスタンドの数はピーク時の半数にまで減りました。
平成27年も1日に4軒の店舗減少が続いていました。

需要減?
地下タンクの法改正?
価格競争に敗れたから?

それらもありますが、地場の系列3者店が廃業に至った最大の原因は、

仕入れの段階で、1リッター10円前後もの価格差をつけられているからです。


当店の場合、業転玉と系列玉の仕入れ値の格差が最大で1リッター18円という時がありました。
近隣セルフより13円も高く販売しても、1リッター当たりの粗利(利益ではなく粗利です)は5円しかないという時もありました。



セルフの販売価格、発券店値付けカードの契約単価、
一般のエンドユーザー(消費者)が支払うこれらの単価の方が、私たち地場販売店(3者店)が仕入れる単価よりも安いのです。




*****


系列の高い仕入れでは「競争に参加できない」「粗利が足りない」として、正規ルートではなく業転ルートから安値の業転玉を仕入れる販売店もあります。
「お客さんを騙すような真似はできない」などの理由で系列仕入れを貫く販売店もあります。


当店が何故安値の業転玉を仕入れないのか、
業転玉より常に10円前後も高い系列玉仕入れを貫く理由はこちら、
高値と知りながら系列玉を仕入れる理由。 をお読みください。




***


元売の販売子会社が市場に参入し、「利益は油外で」といった施策を始めました。
「燃料油を安値にして集客し、洗車や車検板金オイル交換など、燃料油以外のものを売って利益をあげなさい」という施策です。

しかし計量機が10台もあるような大型店舗でなら薄利多売が可能でも、昔ながらの小さな店舗では店頭での薄利多売は不可能です。


リッター5円の粗利では採算割れになる“証拠”
↑ この給油履歴をご覧ください。

ひっきりなしに給油客が訪れてフィールド上を走り回るー
この状態が10時間続いたとしても、粗利(利益ではなく粗利)は3万円にしかならないのです。
人件費、水道光熱費、POSや洗車機、ローリー、地下タンク等々の維持管理費・・・出ません。



そのガソリンスタンドが無くなった理由は、



※販社や資本提携しているような大手特約店には安値販売が可能な「事後調整、戻し、特価があるから経営が成り立っている」ーという見方もあります。↓

「今のままでは明日はない」


一部特約店は元売の支援金なしには経営困難なようす。





※広大な敷地に計量機をずらりと並べて初めて薄利多売は可能になります。

「薄利多売」というのはこういうことです。


当ブログはコストコセルフSSを応援します!




*********


化石燃料から電気、水素へとエネルギー政策の転換、過疎化や若者の車離れ等々
ガソリン離れ、需要減が確実なこの業界で、
販社や大手、異業種入り乱れての価格競争にも、仕入れ値の格差によって最初から“蚊帳の外”の地場販売店は、
それでも東日本大震災では、大手が休業して連絡もつかないなか、
“最後の砦”として、自らも被災者でありながら燃料供給を担いました。




元売から差別的な扱いを受けても、
赤字でも、

簡単に店を畳むわけにはいかないのです。



生活の糧を得るための生業ということはもちろんですが、
大手セルフが不採算だと切り捨ててきた灯油や軽油の小口配達、町工場への工業用油の供給など、
本当の意味での、ライフラインとしての燃料供給を担っているのが地場零細業者だからです。




矛盾するようですが、
公用燃料の供給は、個人的には断りたいと思っています。

公用車への燃料供給(契約単価)に問題あり

「税金なんだからセルフ等の安値店で買ってほしい」と思っている市民もいると思います。



結局のところ、しょせん他人事。

結局のところ、しょせん他人事。の続き。

ガソリン(石油)の流れと値段(価格差)、そしてガソリンスタンド。



マスコミがセンセーショナルに報道した「地下タンク2月危機」
地下タンク工事へ投資する資金がない、或は、投資回収不可能という理由で、多くのガソリンスタンドが廃業・閉鎖を選択しました。

当店は投資回収不可能と知った上で工事を行いました。


それは当店をご利用下さっているお客様があるからです。

高値にも関わらず、常連として車の燃料を給油に来て下さる方があるからです。


★車はセルフ、セルフでは買えないから携行缶だけー、という方のためではありません。
(責めているわけではありません)



地場店は、サービスも愛想も悪くなってでも、店を続けて行かなきゃいけない。


儲からないのに店を続けているわけがない。

“必要だから” 赤字でも続けてきた。


専門用語が分からないと思いますが、説明すると長くなるのでここでは省きます。
もし興味を持たれたら「masumiノート ●●」で検索してください。




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