原子と表面のおかしな関係

結晶の表面の原子は、常識では考えられないおかしな挙動をする。
そんなことをつらつらと書いてみる。

シリコン

2009-02-22 12:19:38 | 日記
シリコン結晶を最も密に原子がつまっている面、((111)面とよばれる)、で切断した後、真空中(超高真空と呼ばれる10億分の1気圧の真空)で約1200度で加熱して、走査トンネル顕微鏡(STM)で見ると上のような像が見られる。
ピンポン玉みたいに見えるのがシリコン原子である。
表面は一様に原子が並んでいるのではなくて、所々に穴が開いている構造になっている。
しかも、ピンポン玉原子はでこぼこしている。

ピンポン玉の原子はこの表面でびっしりと並んでいるのではなくて、飛び飛びに並んでいる。

この表面の原子構造は、よく知られていて、上のSTM像のピンポン玉の原子は下の図の黒丸のように並んでいる。また、上の図の穴は、下の図のひし形のコーナーの穴である。結晶の表面は、このように不思議な構造をとることが多い。