ルイ・ロットの館

ルイ・ロットにハマった笛吹きのブログ。

Johannes Hammig Floete(訂正)&(追記)

2013-05-01 21:46:24 | 日記
先日調整を依頼された楽器です。

クライアント様から許可を戴きましたので掲載させていただきます。


Johannes Hammig ヨハネス・ハンミッヒ の銀製フルート、Eメカ、G-Aトリルキイ付き。



歌口。



オーバーカットなど施されていない「古き佳き時代」の歌口ですが、下に向かってのサイドの傾斜は結構あります。



リッププレートの横に " J H "の刻印。

   


実は学生時代30年近く前に私もこのヨハネスの新品の頭部管を使っていました。

その時の刻印は " Joh.Hammig / Lahr " だったと思います。

こちらの刻印は



" Joh.Hammig / Freiburg i.BR " となっており、

“ The New Langwill Index " によれば1950年までフライブルクだったということですから、

私が手に入れたのはフライブルクからラールに移転したあとの楽器ということになります。

(もし違っていましたら御指摘ください。)





   【  訂  正  】


>“ The New Langwill Index " によれば1950年までフライブルクだった

ここを読み違えていたようです。

1950年以降も続いたようです。

しかし私のヨハネスはラールで作られたのは間違いないことです。

こちらがナゾを解く鍵???

Hammig の ファミリーツリー(家系図)です。



http://www.hammig-flutes.com/frame/frame_engl.html


これを見て驚きました。

ヨハネスが二人居ます。

エアハルト Erhald (1911-1993) と ゴットフリード(ト?)Gottfried (1935-1999) です。

おそらくこの楽器はヨハネス・エアハルト・ハンミッヒの製作で

私が持っていたのはヨハネス・ゴットフリード・ハンミッヒの製作だったのではないでしょうか???

その辺に明るい方、どうか御教授くださいませ m(_ _)m


【訂正終わり】





昔のヨハネスをご存知の先輩方からは「低音が鳴るでしょう?」とよく言われたものですが、

吹き方が良くなかったせいか? 低音をしっかり鳴らすのは案外難しかったのを覚えています。

この「低音が良く鳴る」ヨハネスはこのフライブルク時代の楽器のことなんじゃないか? と思えるくらい

この楽器は良く鳴る、響くのですね。

柔らかくも響きの芯があり、伸びやかで艶やか・・・・。

はぁ~~~~。



管厚自体は非常に薄く、G-Aトリルキイ付きでありながらも実に軽く感じます。

頭部管は先日リッププレートに金メッキした某国産の頭部管と比べますと

某国産が79gなのに対して、ヨハネスは頭部管が1cmくらい長いのにたったの65gしかありません。

それでいて良く鳴りよく響く。

遠鳴りのする音だと感じます。

いい楽器ですねぇ。


G-Aトリルキイ。





手前にある小さなトリルキイがG-Aトリルキイです。

これと左側のトリルキイを押すと高音域のG-Aトリルが簡単にできてしまうというものですが、

H-Cisのトリルもこれひとつでできてしまいます。

ドイツのメーカーはこれがお好きなようで、付いている楽器はよく見かけます。

このシステムのために右側のトリルキイが非常に長いブリッジ?でトーンホール側に連結するために

右側のトリルキイでトリルすると独特な振動が伝わるのが私にはかなりの違和感があります。

試しにそのブリッジを軽く手で押さえると振動は止まるのですけど・・・・。



トーンホールは引き上げのカーリング仕上げ。



某楽器屋さんの HPを見ると販売されているヨハネスは引き上げとハンダ付けの両方があるようですが、

ハンダ付けのものもカーリング仕上げとあります。

カーリング仕上げではないハンダ付けのものはないのでしょうかね?



左人差し指のトーンホール、高めにしてあり音程に対する工夫でしょう。



Cisの音色、音程が決まり易いです。



ドイツの楽器に特有の大きいGisレバー。




クラウン。





ピッチはA=445Hzのドイツの楽器が多い中、

このヨハネスは私の場合、4mm程抜いてちょうどA=442Hzで吹けるというもので

ロットと比べるとスケールも若干程度高めで音程も実に楽な楽器です。



この持ち主の方、いたくこの楽器がお気に入りですが、前回の某国内メーカーでの調整がどうにもピンと来ず、

しばらく吹いておられなかったとのこと。

パッドを開けてみたら ウ~~~ン この調整の仕方じゃねぇ・・・・ と思わざるを得ない状態でした。

でもしっかり調整したら鳴ること!鳴ること!!!

思わず欲しくなってしまいました(笑)

こんないい楽器を眠らせておくなんて実にもったいないことです。

これからはどんどん演奏に使用していただきたいものだと思います。

名器の調整を任せていただき実に光栄なことでした。


   【追記】


こんなのを見つけました。

>Johannes Hammig flute nr.1746

Details zur Anzeige:

I am selling Johannes Hammig flute nr.1746 The flute was made by Johannes Erhard Hammig in 1982 in Lahr. Body is made with a particular silver alloy containing some gold. General features are: silver body and mechanics, open keys, offset G, split E, C footjoint. The flute comes with two headjoints: Headjoint 1 has yellow 14K gold riser and lipplate marked with "14K" and "JH". Headjoint 2 has red 14K gold riser and reform (wave) lipplate marked with "14K".


ヨハネス・ハンミッヒのフルート#1746を売りたいという記事なんですが、

1982年にラールで Johannes Erhard Hammigによって作られたというものです。

この Johannes Erhard Hammig は Gottfried の父親でしょうから、

この父の代ですでにフライブルクからラールに移転していたということになりますね。

リングキイ、オフセット、eメカ、C足。


私の持っていた頭部管、1984年頃のものですが、どっちが作ったのかなぁ?

おそらくは息子の Gottfried だったことだろうと推測しておきます。


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3 コメント

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Unknown (louislot1800)
2013-05-02 09:42:46
ヨハネス・ハンミッヒですが

旧・東ドイツのマルクノイキルヒェンから戦後

旧・西ドイツのフライブルクに移住、

工房を立ち上げたのが1952年という記事も発見しました。

http://www.orchestraharmonie.it/curricula/tesiemonografia/pdftesi/IlFlautoHammig.pdf
Unknown (monnig)
2013-06-04 17:55:06
はじめまして、むかし明学の講習会で、バッハを吹いておられたとき、あまりに上手かったので、「どこの楽器ですか?」って伺ったら、「頭はヨハネスでボディーはアメリカの・・・」とおしえてくださったのを覚えてます。30年前のことですが、今でも記憶に残るすばらしいソロでした。
以前メーニッヒのことを調べたときに保存しておいたフルート協会会報にも、残念ながら転居の時期が具体的に何年とは書かれておりませんでした。

Johannes Hammig (1911-1993)
war der jüngere Sohn von August Richard Hammig und wurde 1911 in Markneukirchen geboren. Er begann seine Ausbildung zum Holzblasinstrumentenbauer 1926 im väterlichen Betrieb. Nach Rückkehr aus russischer Kriegsgefangenschaft wollte er nicht in Markneukirchen bleiben. Im Jahre 1951 übersiedelte er nach Freiburg in Westdeutschland, wo er 1952 eine Werkstatt gründete. Einige Jahre später zog die Firma nach Lahr im Schwarzwald um. Johannes Hammig baute in Handarbeit silberne und goldene Querflöten der Spitzenklasse. Nach seinem Tod 1993 wurde die Firma von seinem Sohn Johannes Hammig (II) (1935-1999) übernommen, der zu diesem Zeitpunkt bereits fast 40 Jahre in der väterlichen Werkstatt arbeitete. Mittlerweile in der 3. Generation, wird der Betrieb seit 1996 von Bernhard Hammig (geb. 1966) geführt, der den Flötenbau bei seinem Großvater und seinem Vater erlernte und 1992 seine Meisterprüfung ablegte. Seit 1999 wird der Betrieb unter dem Firmennamen "Bernhard Hammig" weitergeführt. Bernhard Hammig beschäftigt derzeit vier Mitarbeiter.
RE:Unknown (louisot1800)
2013-06-05 18:25:49
monnigさん

初めまして。
ご訪問ありがとうございます。

ひょっとしてバッハアカデミーでしたでしょうか?
あの頃は仰る通りアメリカのJack Mooreのボディにヨハネスの頭部管でした。

貴重な資料もありがとうございます。
ドイツ語はもう大分忘れてしまいましたが、
この資料によれば「フライブルクに1952年に工房を作り、その数年後にラールに移転した」ということでしょうか?
そうするとフライブルクで楽器を製作していたのはほんの数年ということになりますね。

今後ともよろしくお願いいたします。

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