トランスアメリカ

ロードムービーは好き♪
だからこの映画も楽しみにしていました。
でも何よりも楽しみだったのは予告で見たリネットの変貌振り！

性同一性問題という非常に難しい問題が入っているはずなのに何だかとても楽しくって不思議と居心地がいい映画でした。
とっても複雑な親子関係の二人。最初は彼を迎えに行くことが義務でしかなかったブリーとホントに堕落しちゃった彼女の息子トビーにとってもただの旅でしかなかったアメリカ横断はだんだんと二人にとって特別なものになっていきます。
ブリーにはきちんと母性本能が目覚めトビーはその愛情をちょっと勘違いしながらもきちんとブリーを認めていく。
途中でトビーがブリーを「怪物」呼ばわりしてしまうけどそれを後悔して謝るトビーとそれを許すブリーの表情と空気が良かった。
この時トビーはきちんとブリーを一人の人として認めたんだと思う。
怪しい先住民のおじさんももっと下心がある人だと思っていたら普通にいい人だったことにもびっくり可笑しい♪
ブリーの両親を通して見る性同一性障害への世間からの偏見も描かれています。
だけどこのママは孫は超可愛がっちゃう。自分勝手なママさん。
ヘビーな内容のはずなのに全然重くなくてむしろ前向きに明るく進んでいくところがとってもいい！
性同一性障害の人たちにとっては息苦しい世の中だと思うし性的虐待という内容も入っているこの映画。でもそんなことを全面に押し出さずに常に温かい空気とともに進む映画でした。
エンドロールでの音楽がこの映画にぴったりでいつまでも聞いていたかったです♪

それにしてもすごかったのがフェリシティ・ハフマン。
私にとっては「デスパレートな妻たち」のリネット役でお馴染みです。（ちなみにこのドラマはオススメ♪）
ドラマでは4人の子供に振り回させる元キャリアウーマンを演じているのですがまさか彼女があんなになりきっているとは思いもしなかったです。
女の人の格好をしているんだけど何だか不自然。
彼女を知らない人が見たら男にしか見えない。
ってかホントは男なんじゃないのって思えてしまうほどの役作りにびっくりしてしまいました。たまに見せる男の一面と女性以上に女性らしい一面をホントに上手く演じていました。
手術が終わった後の泣くシーンがすごい！ブリーの切ない気持がしっかり伝わってくると同時にあの泣き方！久々にあんな泣き方見ました。
女優さんってホントにすごい！
トビー役のケヴィン・セガーズもキレイでした。
そこまでタイプではないんですけどね（笑