ブルーの冷蔵庫と私の思い出

家の片隅に今は使っていない、置物のような淡いブルーの冷蔵庫がある。
そのブルーの冷蔵庫は私が初めて一人暮らしを始めた時に買った物だ。


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今でもそのブルーの冷蔵庫を見ると、一人暮らしを始めたばかりの若かりし頃の自分を思い出す。
学校に通って一所懸命勉強をしていた時、くたびれて帰ってきた時、楽しい事があった時、悲しい事があった時、どんな時も帰宅した私はそのブルーの冷蔵庫を開けて食べ物を食べたり、食材を出し料理をして空腹を満たしたものだ。
ブルーの冷蔵庫は私を元気にしてくれた。

就職して社会に出た時は、とにかく精神的に辛い事も沢山あった。自分を励ますためにブルーの冷蔵庫に「仕事を頑張る！」等と書いた張り紙をしたりして、いつも目に留まるようにした。

淡いブルーの色をたたえた冷蔵庫を見るといつしか私の心は癒されていた。
ブルーの冷蔵庫はいつも私を見守ってくれていたのだ。

あれから10年以上の月日が流れた。
今や私もすっかり年をとった、一人前の社会人となった。
今日はいい天気で、空があの冷蔵庫のように、綺麗なブルーの空だ。

久しぶりにあのブルーの冷蔵庫を磨いておくか、と私は思った。

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