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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

(シリーズ)沖縄二紙より-- ネット等で行き交う虚報を正す(その2)

2016-09-05 | 沖縄

 8/31概算要求が締め切られた。内閣府は2017年度の沖縄関係予算の概算要求額を3210億円とした。今年度当初より140億円少ない。朝日新聞の社説は、「歳出が膨らむ構造は相変わらずだ」とし「目を引くのは沖縄振興予算だ」と減額を指摘している。琉球新報の社説は、「本来、国の予算で措置すべき那覇空港滑走路増設と沖縄科学技術大学院大学関連分野を除けば3千億円を大きく割り込む。納得できる額ではない。・・・概算要求の減額は、沖縄振興一括交付金の減額が大きくひびいた。」政府は「基地問題と沖縄予算のリンク」の方針を示したと批判している。

 沖縄の予算は、内閣府の意向によってこのような減額を、なぜ容易にされてしまうのだろうか?それは沖縄関連予算が、他府県(=各省庁に予算要求する)と違って、内閣府沖縄担当部局が(=県に代わって)調整して一括計上して財務省に要求する仕組みになっているからである。これは1972年日本復帰に伴って、予算要求のノウハウがない沖縄に施行された仕組みである。一括計上のため、沖縄が別枠で多額の予算を受けているという誤解が、意図的にも、無意識にも生みだされている。代執行訴訟で、翁長知事は、“「3000億円も余分にもらっておきながら」というのは完全な誤り”と指摘したが、あらためて知事が表明せざるを得ないところに、政府のプロパガンダの浸透がある。

 今回は<沖縄基地の虚実9>「他県と違う一括計上 復帰後、全国予算の0・4%」の記事を紹介し、基地と予算をリンクさせ基地建設を強行する安倍政権に批判を強めていきたい。
 
 「政府も、事実上は基地の存続とひきかえに、ばくだいな振興資金を沖縄県に支出――」。これは3月に検定結果で公表された帝国書院の高校生用教科書・「新現代社会」のコラムのなかの記述である。沖縄担当大臣も菅官房長官も「工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然」など露骨な発言をしている。帝国書院は、沖縄関係予算、基地収入の経済効果、沖縄戦などについて、沖縄からの抗議を受け2度の修正を行ったが、一教科書会社の問題ではなく、日本政府と「本土」に住む私たちの問題である。
※帝国書院2度目訂正 高校教科書、文科省が承認(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-348680.html
※<社説>教科書「訂正」 直ちに抜本改善すべきだ(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-349781.html
※ <社説>帝国書院教科書 文科省が「間違い」正せ(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-265762.html

 琉球新報は<沖縄基地の虚実9>のなかで、「これらの言説について・・沖大・沖国大特別研究員の宮田裕氏は『沖縄振興の本質を見失っている。なぜ基地問題が入るのか。沖縄振興は“償いの心”でやるのが原点だ』と指摘する。―(沖縄は戦後27年間、米国の統治下にあった)-沖縄は日本の財政援助から除外され、本土との社会資本・生活基盤の格差、所得格差が生じた。--宮田氏によると63年の一人当たりの国民所得は301ドル(10万8千円)、日本の国民所得の21万5千円の約半分だった。
--日本復帰前(47~71年度)の沖縄への財政援助総額は1232億円で、この間の日本の一般会計歳出予算の累計額68兆9577億円に占める割合は0・2%にすぎなかった。--また1972~2015年度の内閣府による『沖縄振興事業費』の総額は10兆3919億円(地方交付税を含まず)となり、日本の同期間の一般歳出予算2566兆2420億円に占める割合は0・4%だ。」記事は最後に「沖縄関係予算は全国同様、国の直轄事業費や国庫支出金がほとんどだが、他府県と予算要求の仕組みが違うことから沖縄が別枠で多額の予算を受けているとの誤解を受けやすくなっている。」と指摘している。
私達は、“償いの心”とは何か?戦前の沖縄戦、戦後の米軍統治下時代、復帰後も強いられている米軍基地・・沖縄について学び知らせることが大事だと思う。

(アーさん)


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