若狭湾を津波が襲ったのは1586年の「天正大地震」だけではなく、1741年においても「享保津波」が被害を与えたという記録があることが明らかになりました。
「天正地震」による津波については、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスがポルトガル語で書いた『日本史』と京都の吉田神社の神主である吉田兼見(かねみ)の『兼見卿記』の二つの文書によってそれぞれ独自に記録されており、信憑性が高いと判断できます。(6月4日ブログ記事参照)
これに加えて、敦賀市の豪農柴田家に伝わる古文書「柴田一男文書」に、1741年の「寛保津波」についての記述が新たに確認されました。これは北海道の火山活動に伴うもので北海道の松前・江差における被害や、小浜、若狭浦々、輪島など各地の被災情報もつづられているということで、敦賀短大の外岡(とのおか)教授はこの文章の「信憑性は高い」と判断しました。
寛保津波:270年前の記録 豪農古文書、敦賀で発見 海面上昇などつづる /福井
(毎日新聞 6月15日(水))
関電自らがHPに津波で消えた村の存在を明らかにしています。この村への津波がいつのものかはっきりした年代は不明ですが、「戦国期から江戸後期の間の出来事」とみられています。
このように戦国時代から今日までの間に少なくとも二度、若狭湾における津波の被害が記録されているのです。一つは427年前、もう一つは270年前です。私たちの時代に三度目がおこらない保証はどこにもありません。
明日6月18日は地震学の石橋克彦さん(神戸大学名誉教授)の講演会があります。これにもぜひ参加しましょう。(鈴)
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講演タイトル
若狭湾原発震災を防ごう~関西広域連合を無人の曂野にしないために~
日時:6月18日(土)開場18:00 18:15~20:50
場所:エルおおさか 南館5階 南ホール(地下鉄谷町線・京橋「天満橋」駅から徒歩5分)
参加費:一般1000円・大学生以下300円
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