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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

日本医師会が政府の子ども20ミリシーベルト基準を批判する声明

2011-05-14 | 原発

 5月12日、社団法人日本医師会は「文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における 暫定的な考え」に対する日本医師会の見解」との声明を発表しました。
 学校・園の再開基準20ミリシーベルトを「科学的根拠がない」として明確に批判し、子どもの放射線への感受性の強さなどを考慮し、「可能な限り放射線被曝量を減らすことに最大限の努力をすることが国の責務」として政府に対して強く求めています。
 これまで日本産婦人科学会や小児科学会、日本小児心身医学会など医学界から“放射能に関する政府基準は安全”との宣伝が強かっただけに、現場の医師を糾合する全国的組織である日本医師会が真実の声を挙げたことに敬意を表したいと思います。
 5月2日の交渉でも、20ミリシーベルトについての文科省・原子力安全委員会の対立が表面化し、“だれも20ミリシーベルトが安全といった専門家はいない”にもかかわらず、政府は20ミリシーベルトの基準を決して撤回しないという状況です。
 福島の子どもたちを放射能から守るため、福島現地からの保護者の運動や、全国的からの声、そして医療関係者や教育関係者などの声がさらに挙がっていけばと思います。この声明を多くの人に知らせていきたいと思います。


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文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における 暫定的な考え」に対する日本医師会の見解

                        社団法人 日本医師会

 文部科学省は、4 月19 日付けで、福島県内の学校の校庭利用等に係る限界放射線量を示す通知を福島県知事、福島県教育委員会等に対して発出した。
 この通知では、幼児、児童、生徒が受ける放射線量の限界を年間20 ミリシーベルトと暫定的に規定している。そこから16 時間が屋内(木造)、8 時間が屋外という生活パターンを想定して、1 時間当たりの限界空間線量率を屋外3.8 マイクロシーベルト、屋内1.52 マイクロシーベルトとし、これを下回る学校では年間20 ミリシーベルトを超えることはないとしている。

 しかし、そもそもこの数値の根拠としている国際放射線防護委員会(ICRP)が3 月21 日に発表した声明では「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20 ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」としているにすぎない。
 この1~20 ミリシーベルトを最大値の20 ミリシーベルトとして扱った科学的根拠が不明確である。また成人と比較し、成長期にある子どもたちの放射線感受性の高さを考慮すると、国の対応はより慎重であるべきと考える。

 成人についてももちろんであるが、とくに小児については、可能な限り放射線被曝量を減らすことに最大限の努力をすることが国の責務であり、これにより子どもたちの生命と健康を守ることこそが求められている。
 国は幼稚園・保育園の園庭、学校の校庭、公園等の表面の土を入れ替えるなど環境の改善方法について、福島県下の学校等の設置者に対して検討を進めるよう通知を出したが、国として責任をもって対応することが必要である。
 国ができうる最速・最大の方法で、子どもたちの放射線被曝量の減少に努めることを強く求めるものである。

※日本医師会
http://www.med.or.jp/
※文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における 暫定的な考え方」に対する日本医師会の見解
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110512_31.pdf

(ハンマー)



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