Sound Blaster 16 Value Edition for DOS/V (CT2770) | |
メーカー | クリエイティブメディア(輸入販売元)、アイ・オー・データ機器(代理店) |
価格 | 12,800円 |
発売日 | 1994年? |
対応機種 | i386SX以上のCPUを搭載するPC/AT互換機、ISAバススロット |
対応OS | IBM DOS J5.0/V以降、Windows 3.1J またはそれ以降 |
機能概要 | OPL3(YMF262)、PCM録音/再生(最大44.1kHz/16bit/2ch)、マイク入力、ライン入力、 CDオーディオ入力、ミニジャック出力 2ch x 2、JOYSTICK/MIDIポート、CD-ROMインターフェース |
入出力 | マイク入力(1ch)、ライン入力(2ch)、CD入力(2ch)、ミニジャック出力 2ch x 2、JOYSTICK/MIDI x 1 |
備考 | カード左にある40ピン端子には別売オプションのCD-ROMドライブを接続可能。 |
Sound Blasterシリーズの説明はもはや不要だろう。海外のDOSゲームではSound Blaster(またはその前方互換のAdLib Music Synthesizer)が必須であった。ホームユースのデスクトップパソコンでは必ずといっていいほど搭載されていて、一部のノートパソコンでもEnsoniq社やCirrus Logic社のSound Blaster互換サウンドチップが搭載された。
SB16 ValueはSB16から別売のAdvanced Signal ProcessorやWaveBlasterを接続するための端子を省略した製品。オプションによる機能拡張ができないことを除けば、機能やスペックはSB16と同等である。
ドライバー・ソフトウェアの設定などSound Blaster 16 for PC-9800と共通する部分は一部省いているので、こちらの記事を参照すること。
Sound Blaster 16 for PC-9800 (CT2720)
○カード上のCD-IN端子について
カード上のCD-IN端子のピン割り当ては左から[GND,L,GND,R]で、MPC-2ケーブルの端子[L,GND,GND,R]とは異なるので要注意。もっとも、ピンのピッチが違うのでそのままでは接続できないはずだが、両端がMPC-2のケーブルを無理矢理接続すると場合によっては大変なことになる。
○ カード以上のIDE端子について
カード左端の40ピン端子はIDEケーブルでCD-ROMドライブと接続する。これは、当時の海外のPC/AT互換機ではエンハンスドIDEが普及していなかった関係で、CDドライブを接続できるIDEインターフェイスに需要があったためである。
メーカーは、マザーボード上のセカンダリIDEにCDドライブを接続するよう推奨している。また、PnP対応Sound Blaster製品をWindows 95以降で使う場合はデバイスマネージャーからSound Blaster上のIDEインターフェイスを無効にするよう推奨している。
○リソースの設定 (X=Closed, O=Open)
SW | 説明 | 状態 | 設定 |
JP7/JP8(IOS0/IOS1) | I/Oポートアドレス(Audio) | XX | 220h-223h |
XO | 240h-253h | ||
OX | 260h-273h | ||
OO | 280h-293h | ||
JP9(MSEL) | I/Oポートアドレス(MIDI) | X | 300h-301h |
O | 330h-331h | ||
JP10(MPUEN) | MIDIポート使用 | X | 有効 |
O | 無効 | ||
JP11(JYEN) | JOYSTICKポート使用 | X | 有効(200h-207h) |
O | 無効 |
工場出荷時の設定 : XXXXX
通常は工場出荷時の設定で問題ないが、オンボード(マザーボード)のSB互換サウンド機能が有効になっていたりYMF7xx系のサウンドカードを搭載している場合は、リソースの設定を変更するかどちらかのデバイスを無効にする必要がある。割り込み(IRQ)やDMAチャネルの設定はソフトウェアから行う。
ちなみに、Sound Blaster 16 IDE PnP for DOS/VなどのPnP(プラグアンドプレイ)対応製品の場合は、カード上にはリソースを設定するスイッチ等が一切ない。Windows 95以降で使用する場合は設定は一切不要だが、DOSやWindows 3.1で使用するにはCTCM(Creative PnP Configuration Manager)と、CTCU(Creative PnP Configuration Utility)またはICU(ISA Configuration Utility)を組み込んで、リソースが重複しないように設定を施す必要がある。
○ドライバー・ソフトウェアの導入 [DOS,Win3.1]
DOSやWindows 3.1で使用する場合はドライバー・ソフトウェアをインストールする必要がある。Windows 95以降ではOS標準で用意されているドライバーを使う。
DOS/Win3.1用ドライバーは現在も米クリエイティブのサイトからダウンロード入手できる。(ただしドライバー・ソフトウェアは英語。かつては日本語ドライバーも公開されていたが、現在は入手不可。)
ドライバのインストールが完了したら、インストール先ディレクトリ(標準ではC:\SB16)に移動して「DIAGNOSE」コマンドを実行し、Sound Blaster 16 診断ユーティリティを開く。ここでIOポートアドレス、IRQ、DMAなどのリソースの設定を行う。リソースが他のデバイスとバッティングしていればエラーメッセージが表示されるので、必要に応じて他の設定に変える。
○標準設定でCONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATに追加される記述 [DOS]
CONFIG.SYS
DEVICE=C:\SB16\DRV\CTMMSYS.SYS
AUTOEXEC.BAT
SET BLASTER=A220 I2 D1 H5 P330 T6
SET MIDI=SYNTH:1 MAP:E
C:\SB16\DIAGNOSE /S
C:\SB16\SB16SET /P /Q
起動時のメッセージ
Creative DOS Multimedia Architecture (v1.00) CTSOUND Physical-Level driver (v1.02) for Sound Blaster 16. Copyright (C) Creative Technology Ltd., 1993. All rights reserved. ドライバ・ユニット番号 = 0 ベース I/O アドレス = 220 hex IRQ = 2 DMA チャネル = 1 高 DMA チャネル = 5 Creative DOS Multimedia Architecture (v1.00) CTMMSYS Integration driver (v1.01) Copyright (C) Creative Technology Ltd., 1993. All rights reserved. サウンドカードは以下のように構成されました : A220 I2 D1 H5
○音量調整 [DOS,Win3.1]
Sound Blasterのマスターボリュームや各入出力の音量は、DOS上ではSB16SETコマンドで行う。
Windows 3.1上ではクリエイティブ・ミキサーで音量調節を行う。標準では音量設定は保存されないため、Windowsを終了すると音量設定がリセットされる。音量設定を保持するには、左上のアイコンをクリックしてメニューから「優先値」を開き、「終了時に設定をセーブ」にチェックを入れる。
○ドライバー・ソフトウェアの導入 [Win95,98,Me,2000,XP]
ISAバスのデバイスは自動では追加されない。コントロールパネルの「ハードウェアの追加」からデバイス・ドライバーをインストールする。
○JOYSTICK/MIDIポートについて
サウンドカードのD-Sub15ピン端子はジョイスティック端子とMIDIインターフェースを兼ねており、IBM PC互換アナログジョイスティックまたはMIDI機器を接続する
MIDI機器を接続するにはJOYSTICK-MIDIの分岐ケーブルが必要。海外では今でも新品のバルク品が数百円で購入できるが、日本国内ではあまり見かけない。
ジョイスティックはD-Sub15ピン端子のものを用意する。かつてはマイクロソフトやサンワサプライなどから販売されていたが、現在は中古品が少数出回るのみである。JOYSTICK-MIDIの分岐ケーブルは必須ではないので、MIDI入出力を使わないのであればJOYSTICK/MIDI端子に直接接続して使用できる。
Windows 95以降のWindowsソフトでジョイスティックを使うには、コントロールパネルの設定画面から手動でゲームコントローラを追加する必要がある。
[EOF]