Diary on wind(跡地)

おもにPC関係(2008-2013)、跡地兼日記避難所(2014-)

昔のJISキーボード配列 JIS C 6233-1972

2013-11-29 19:00:11 | 古いPC関係

昔、パソコンの歴史を調べていたときのメモを見つけて、懐かしみながら読んでいたのだけど、その中に興味深いものを見つけた。(字が汚くて申し訳ない)

現在の日本語キーボード配列はOADGという業界団体が定めた仕様が元になっていて、それをさらにさかのぼるとJIS C 6233-1980 情報処理系けん盤配列(現在はJIS X 6002-1980に該当)という標準規格が元になっている。このJIS C 6233という規格が最初に発行されたのは1972年のことで、その配列は上のようになっていた。

現在のキーボードと比べると見慣れないキーがいくつかある。

CAN→Escape、H TAB→Tab、抹消→Delete、復改→Enter、後退→Backspace、間隔→Space、というところまでは何となくわかるが、SOH、STX、ETB、ETXは全く予想が付かない。また、シフトキーがない代わりに英記号やカナ記号というキーがある点が気になる。

英数、英記号、カナ、カナ記号キーの役割についてはこちらのサイトに詳しい説明がある。
Weekly "Keyboard World" Chapter 2. Keyboard Layout : Case 1 - Studio sixnine

つまり、日本語キーボードのキートップを見ると1つのキーに最大で4つの文字が刻印されているが、それを入力する時に英数、英記号、カナ、カナ記号キーを押して切り替えていたわけだ。

この配列は日立 ベーシックマスターやシャープ PC-3200S/3100Sなどの黎明期の国産パソコンで使われていたが、NEC PC-8001が登場した頃からはほとんどがシフトキーを取り入れた配列(JIS C 6233-1980)になっている。

ちなみに、同じページにはなぜか磁心記憶装置(磁気コアメモリ)の仕組みが書いてあった。半導体メモリが登場するまでコンピューターの主記憶装置として使われていたもの。こんなの今さら知ったところで「ふーん」で終わりだが。

出典を失念してしまったが、1970年代後期のコンピューターの活用例について書かれた本だったと思う。


NEC PC98関連記事の移転について

2013-10-05 19:45:34 | 古いPC関係

過去のPC98関連の記事は、内容を整理して別館のColumnに移動しました。

検索エンジン対策やアクセス解析の都合上、PC98関連とIBM互換機との情報と引き離したかったので、別の場所に移すことにしました。一部の記事はこちらにブログ記事として残しておいた方が良いと思ったのでそのままにしてあります。

今後PC98関係の記事を書く場合は今までと同様にまずこちらのカテゴリーに投稿して、時期を見計らって気が向いたときに別館に移動させる形を取ろうと思います。

10/5 B4 U9 RR


Bookmarks [Classic Computers]

2013-09-11 01:21:49 | 古いPC関係

主にWindows普及前までのコンピューターに関係する歴史的資料や活用情報についてのサイトへのリンク集。[Update:2013/09/11]

自分のブックマークをHTML化したものを少し編集して載せているだけなので、descriptionを一部引用した関係で説明に不自然な部分があるかもしれない。

Classic computer 全般

Welcome to OLD-COMPUTERS.COM !
まさしくパソコン博物館
Old Computers - rare, vintage, and obsolete computers
80年代頃の海外パソコンの紹介
コンピュータ博物館 - 情報処理学会(IPSJ)
国産コンピューターの歴史。特にネット上の資料が少ないメインフレームやオフィスコンピューターについて取りこぼしなく紹介されている点がよい。ただ、外資系コンピューターメーカー、特に日本IBMに触れていないところが残念。
RetroPC.NET
歴史的国産パーソナルコンピューターの保存・復刻活動に努めている方のサイト
デジタル降魔録
NEC TK-80より始まる国産パーソナルコンピューターの時事情報が豊富
オフコン練習帳 - オフコン練習帳
1970年代から80年代を中心としたオフィスコンピューターの広告や基本情報など。
Tezza's Classic Computers Articles and Projects
海外レトロPCコレクター。写真や動画も豊富。
Computer history research
UNIX、AT&T、DEC、Atari、Intel、Microsoftなど、コンピューター産業発達の歴史に関わる資料集。
Nathan's Toasty Technology Page
GUI(Graphics User Interface)を中心としたOSスクリーンショット集

IBM PC

The Ancient IBM PC [Missing:2013/09/11]
IBM PCやアダプタの写真が豊富
OS/2 Museum | OS/2, vintage PC computing, and random musings
IBM DOSとOS/2の歴史
VOGONS :: Index
レトロIBM-PCユーザーの集い場
PCI and AGP video chips DOS compatibility [Missing:2013/12/29]
DOSゲームとAGPグラボの互換表
Crossfire Designs
IBM PC用サウンドカードの歴史
技術/歴史 - Glamenv-Septzen.net
技術/歴史/DOS時代,Windows初期のCPUとPC
Old Computer Museum
初期の海外製パーソナルコンピューターについてのコレクション
Vintage OS
歴代バージョンのIBM PC用MS-DOSのパッケージ写真
PS/55, Japanese PS/2
IBM PS/55関連情報を扱う唯一のサイト

NEC PC-98 一般情報

98Station INDEX
NEC PC98シリーズとエプソン98互換機ノートを活用し尽くすためのページです。
Home - Retro Computer People
NEC PCシリーズ全般の基本情報
JE1VUJ
PC-88基本情報
PC88.gr.jp :: Board Index
PC-88VA - 補完ページ
なおちま屋 = 昔のカタログ保存館
NEC PC-9800シリーズ本体のカタログ集
121ware.com > 知る > パソコン博物館 [Missing:2013/09/11]
EPSON PC`s DATABASE TOP PAGE
EPSON PC(PC-98互換機)のデスクトップ全機のデータベースです。
Q&A
メルコ RAMボード EMJシリーズ スイッチ設定一覧表
IF-2767の設定
ICM IF-2767 SCSIインターフェイスボード ディップスイッチの設定
ゲペック・カステン2型
一部のPC-98、サウンドカード、キーボード製品についてスペック面からの詳細なレビューが参考になる
Sound Board/Card
PC-98のSound Board DatabaseとPC互換機のSound Cardのレビュー等。
PC-98 キーボード
PC98付属キーボードの歴史
PC Accessory (NEC Keyboard)
歴代のPC98キーボードの写真

NEC PC-98 活用情報

第三研究所 Third Research Institute
PC-98の情報データベース、パワーアップ、改造情報など。
『じゅんけの館』《TopPage》
PC-98の改造情報。主にクロックアップ関連。
HAMLIN's PAGE
PC-98ハードのテクニカルリファレンス
試運転の資料館
PC98やDC関連の技術資料
MANIMANIAのレトロエロゲーカウントダウン
PC98ゲーム紹介・技術解説
PC-98(Win2000)でAT機用ビデオカードを動かそう
PC-98でPC/AT互換機用のビデオカードを使うためのノウハウが豊富
N88BASIC [uttsu.com] [Missing:2013/09/11]
BASICリファレンス
PC-98 のプログラミング資料 - ひきぷろぐ
PC-98 のプログラミング資料リンク集

NEC PC-98用ソフトウェア

PC-9821ソフトウェアのページ
便利なDOS/V,PC-98用ソフトウェアが多数
DirectX8 For NEC98
DirectX 8をPC-98マシンにインストールする方法
Vector:ダウンロード MS-DOS
Vectorソフトウェアライブラリに収録されているMS-DOSまたは汎用ソフトのトップページです。

[EOF]


Cx486SLCキャッシュコントローラーに振り回される

2013-09-05 21:28:46 | 古いPC関係

最近PC98関連のページへのアクセスが若干増えているので、久しぶりにPC98の話題を挙げてみます。

それは約3年前、中古でNEC PC-9801RXを入手したときのこと。

PC-9801RX(仕様)にはCPUとして80286が標準で搭載されていますが、私が入手した機体には本来80286が差してあるはずの場所にBuffalo HSP-16DR(HSP-4SD33?)というCyrixの486互換CPUを搭載したCPUアクセラレーターが差してありました。要するにCPUが後発のものに交換されていたわけです。ところが、このCPUはそのまま使うと換装前よりも動作が遅くなります。技術的な詳しいことは知りませんが、CPUのキャッシュメモリーを制御する『キャッシュコントローラー』という類のソフトウェアを入れないと、本来の性能を発揮できません。80386以上が必須なWindows 3.1が動く、という程度の恩恵しか受けられないのです。

そこでVectorサイトに上がっているCx486というフリーのキャッシュコントローラーを落としてきて、内蔵固定ディスクのMS-DOSに組み込んでみました。するとどうでしょう。DIRコマンドでファイルの一覧を表示させるだけでも、テキストのスクロールが明らかに速くなりました。これはいい、ということで納得してしばらく遊んだ後、それを物置にしまいました。まさか、この事をきっかけとして後に2週間にわたって泥沼に陥ることになるとは。

1ヶ月後、5インチFDをイメージファイル化するためにPC-9801RXを引っ張ってきました。そしてMAKEDISK(FDイメージ化プログラム)を実行したところ、なぜかデータを読めません。DIRコマンドでFDにアクセスすると「シークエラーです.」というメッセージが出ます。FDの方が悪いのかと思い、ブランクのFDを入れてFORMATコマンドを実行しました。するとゲージが100%まで進んだところで「セクタが見つかりません.」「トラック0が不正です.」というメッセージが。他のブランクディスクに差し替えても同じ症状が起きます。貴重な5インチFDがどんどんお亡くなりに・・・

FDDの調子が悪いのかと思ってこれをオーバーホールすることにしました。その時の経験が2年前に書いたNEC FD1155D(5.25インチFDD)の整備という記事になったわけです。すると今度はFDDが認識すらしなくなりました。何度かケーブルを挿抜すると認識はしましたが、依然MS-DOSからFDを読めません。FDDの取り付け・取り外しを繰り返すうちに片方しか認識しなくなったりして、泥沼にはまっていきました。目視ではマザーボードや電源ユニットに問題は見当たらず、電源電圧が正常であることも確認しましたが、電源ユニットのコンデンサーを全て交換しました。それでもなお同じ症状が出るので、さすがに1週間くらい凹みました。

結局、FDDが認識されなかったのはマザーボード側のケーブル端子が接触不良だったみたいで、FDDケーブルをしっかり接続したら2台とも認識されました。試行錯誤を繰り返すうちに、ひとまずN88-日本語BASIC(86)(FDから起動するプログラム)ではFDの読み書きが問題ないということがわかりました。

泥沼にはまって2週間が経ち、さすがにあきらめて処分すべきかと考えていた日のこと。ふとMS-DOSのシステムディスク(FD)があったことを思い出し、それをFDDにセットしてみると、普通にMS-DOSが起動しました。あれ!?FDが読み込めるならフォーマットもできるかも、ということで2台目のFDDにブランクディスクをセットしてFORMATコマンドを実行すると、あっさりフォーマットできてしまいました。DIRコマンドによるアクセスも問題ありません。そこで、固定ディスクを初期化してMS-DOSを再セットアップしました。すると固定ディスクから起動したMS-DOSでもFDのフォーマットや読み書きを正常に行うことができました。フォーマットに失敗していたFDも再度フォーマットをかけたら使えるようになりました。

システム装置本体やFDDがまだまだ使えることがわかって「あきらめなくて本当に良かったー。」と安堵したのもつかの間。まだキャッシュコントローラーを入れていなかったことを思い出してCx486を入れると、再びFDにアクセスできなくなりました。そこでようやく気付くわけです。FDにアクセスできなかったのはキャッシュコントローラーが原因であることに。

Cx486のドキュメント(CX.DOC)を読んでいくと次のような記述がありました。

ROM部分のキャッシュをOFFにしたところうまく動くようになりました。floppyが読めないといった症状が出た場合は'-r'をお試し下さい。

この日を境にソフトウェアに添付されているドキュメントは必ず最後まで読むようになりました。 ソフトウェアのreadme.txtやリリースノートには必ず目を通しましょう。

ちなみに現在はCPUアクセラレーターは取り外して、単体で入手した80286を取り付けてあります。処理能力よりも安定動作が優先だー。PC-9801RXは今も元気です。(ここ最近は物置に入れっぱなしだけどね)
久々の長文・駄文で失礼しました。

9/5 B4 U830 RR


NEC PC-9801VXの整備と動作チェック

2013-06-05 19:53:17 | 古いPC関係

NEC PC-9801VXの整備と動作チェックにあたって私が行ったことをまとめてみました。もともとはPC/AT互換機に使う5インチFDDが欲しくて、パーツ取りのためにジャンクでPC-9801VXを入手したのですが、ケースを開けたら思ったよりも状態がよかったのでこれを再生することにしました。私自身はリサイクル業者でなければ熱狂的なPC98マニアというわけでもない(と思っている)ので、所詮素人の意見です。

1. 電源を入れてみる

とりあえず本体の電源を入れてみます。後の作業で本体を分解するわけですが、それを組み直す時のミスが原因でシステムが起動しなくなることがしばしばあるので、その時に原因を切り分け易くするために現在の状態を確認します。

  • 本体内蔵HDにOSがインストールされていて、HDインターフェイスの設定や立ち上げ装置の設定に問題がなければ、OS(MS-DOS、Windows、NetWare、PC-UXなど)が起動します。
  • FDDやHDDに起動可能なOSが見つからない場合 - 「How many files」や「システムディスクをセットしてください」と表示します。
  • OSのシステムが壊れているか内蔵HDが正しく初期化されていない場合 - 高確率で画面がブラックアウトしたままフリーズします。
  • 画面が全く映らず、音量を調節してもピポ音すら鳴らない場合 - 素人には直しようがない部分が故障しているかもしれません。
  • 電源ランプが点灯しない、電源ユニットから異音がする、もしくは電源ファンが回らない場合 - 電源ユニットが故障している可能性が高いです。

ディップスイッチがある機種ではディップスイッチの設定を工場出荷時の設定に戻します。ディップスイッチがない機種ではGRPHキーとSHIFTキーを押しながらリセットするとソフトウェアスイッチを初期化します。詳細は下記リンクを参照。

PC-9801ディップスイッチ・メモリスイッチ設定

FDDなどの細かいチェックは後回しにします。

2. 本体内部を清掃する

本体のパーツを分解して清掃します。分解する前に写真を撮っておくと、後で組み立てる際に役に立ちます。

基本的にはエアーでほこりを吹き飛ばすか、掃除機でほこりを吸い取るだけで十分です。基板の汚れがひどい場合は丸ごと水洗いする方法もあります。扱いには十分注意を払います。

掃除をしつつ、アルミ電解コンデンサーに液漏れがないか確認します。もし液漏れがあればアルコールできれいに拭き取って、後で代替品と交換します。また、内蔵のバッテリー、特にシリーズ前期モデルに搭載されている組電池型のバッテリーは高確率で液漏れを起こしているので要注意。状態がひどければ取り外した方が良いかもしれません。

3. FDDを整備する

FDD内部にほこりがたまっていたりヘッドに汚れがあったりするとディスクの記録面を傷つける原因になるので、使う前に整備しておきます。詳細はこちらを参照。

NEC FD1155D(5.25インチFDD)の整備

4. パーツを元に戻して電源を入れてみる

分解したパーツを組み立てて元の状態に戻し、電源を入れて動作が問題ないことを確認します。

5. メインメモリの厳密なテスト

N88-BASIC(86)のモニタモードには内部メモリ(コンベンショナルメモリ+VRAM)をテストする機能があるので、これを利用します。

N88-BASIC(86)を起動します。本体にHDDを接続している場合は、ディップスイッチSW2-6をONにして内蔵HDを無効にします。「How many files」メッセージが表示されたら何も入力せずそのままリターンキーを押し、「mon」と入力してリターンキーを押します。「h]」と表示されたら「ts」と入力してリターンキーを押します。10分ほど画面がフリーズしますが、内部ではメモリのテストが行われています。メモリのテストが終わると「Test complete!」というメッセージが表示されます。

6. FDDの簡単な動作確認

本体付属のN88-日本語BASIC(86)システムディスク[PC-98H47-MW(K)またはPC-98H49-MW(K)]をFDDにセットして本体をリセットし、BASICが問題なく起動することを確認します。

7. グラフィック機能の動作確認

本体付属のデモンストレーションプログラムディスクをFDDにセットして本体をリセットし、デモが問題なく動作することを確認します。


5インチFDDの駆動音を聞くと心が安らぐあなたはきっと私と同じ病気です。

HDD非搭載モデルの動作確認はこれだけ調べれば十分でしょう。


コンピューター広告博物館を作ってみた [Retro PC]

2013-03-20 20:26:52 | 古いPC関係

昔のコンピューターの広告を集めた、「コンピューター広告博物館」なるものを作ってみました。

これまで数年掛けて新聞や雑誌を地道にスキャン・編集して集めたものです。主に1980年代を中心に、初期の海外8ビットPC御三家(PET2001、AppleII、TRS-80)や国内8ビットPC御三家(ベーシックマスター、MZ-80K、PC-8001)から、富士通のスーパーコンピューター「VP-50」、ノートパソコンの市場を開拓した東芝「J-3100」、もはやキーボードぐらいしか話題に挙がらないソニーのAXパソコン「QuarterL」など、一般にはあまり知られていないマシンもあります。同じ機種で重複する分は容量の都合で載せていませんが、それらを含めると300ページ以上はスキャンしました。他にもDEC Rainbow 100やIBM PS/55-5535Mなど、ビジネス向け故に今となっては語られることがない珍しいマシンの広告を見たことがありますが、当時はあまり興味がなかったのでスキャンせずに破棄してしまいました。今になってちょっと後悔しています。まあ、今後他の誰かが掘り起こしてくれることを期待しておきます。

レトロものに興味がある方はどうぞお楽しみ下さい。

http://astra.digi2.jp/


三菱RDT234WXでPC98(H24kHz)の画面が映る!!

2013-03-08 17:07:38 | 古いPC関係

三菱 Diamondcrysta RDT234WX(BK)にNEC PC-9800シリーズ(水平同期周波数24kHz出力)の画面を映す。

RDT234WXが対応する画面モードの水平同期周波数は31.5 - 82.3kHzとあります。一方、PC98で標準的に使われている画面モード(640x400ドット)の水平同期周波数は24.83kHzなので、仕様上はこのディスプレイには表示できません。この画面モードはIBM互換機では使わないため、現行の多くのディスプレイは対応していません。
実際、ほとんどのディスプレイでは入力信号エラーとなり、画面が映ったとしても正しく表示できません。下はナナオ FORIS FS2332での表示例です。
Image: FS2332でPC98(H24kHz)画面を表示
PC-9821シリーズ(無印以外)では31kHz出力に切り替えることでVGAテキストモード(720x400ドット)と同じ画面モードで出力できるため、現行の多くのディスプレイで表示できます。(逆に表示できない場合もあります。)
Image: FS2332でPC98(H31kHz)画面を表示

しかし、PC-9801シリーズではそのような機能は無いため、24kHzに対応するディスプレイが必要です。どうしても24kHz非対応ディスプレイに映したい場合はスキャンコンバーターという機器を使います。(やや高価)

そして、RDT234WXは本来なら24kHzに対応していないはずですが、このように解像度も含めてちゃんと認識・表示できました。
Image:  RDT234WXでH24kHz画面を表示

等倍表示、2倍拡大表示、縦横比を維持しながらの拡大表示、フル表示のいずれも問題なくできました。ただしメーカー公式で対応しているわけではないので、製造個体によっては表示できないことがあるかもしれません。

親子画面表示もできます。
Image: 子画面でPC98画面を表示

PC-9821シリーズのWin3.1機で使われるVESA非標準の1280x1024ドット画面モード(H64.2kHz、V59.4Hz)も正常に映ります。この画面モードはPC98(640x400)に対応するiiyama製のディスプレイでは正しく表示できません。
Image: 非標準1280x1024ドット画面表示

○アナログRGB自動調整用パターン表示プログラム [N88-BASIC(86)用]

PC98の画面出力は自動調整がなかなかうまくいかないので、自動調整用のパターン表示プログラムを作ってみました。表示パターンは三菱のテストパターン表示プログラムに似せて作ってあります。プログラムを実行するとパターンが表示されるので、OSD画面から調整を行って下さい。

10 CONSOLE ,,0
20 SCREEN 3
30 COLOR ,,,,2
40 CLS 3
50 DX=639
60 DX2=INT(DX/4)
70 DX4=INT(DX*3/4)
80 DY=399
90 DY2=INT(DY/3)
100 DY3=INT(DY*2/3)
110 LINE(0,0)-(DX,0)
120 LINE(0,0)-(0,DY)
130 LINE(DX,0)-(DX,DY)
140 LINE(0,DY)-(DX,DY)
150 FOR X=2 TO DX-1 STEP 2
160 LINE(X,DY2)-(X,DY3-1)
170 NEXT X
180 LINE(1,1)-(DX2-1,DY2-1),1,BF
190 LINE(DX4,1)-(DX-1,DY2-1),0,BF
200 LINE(1,DY3)-(DX2-1,DY-1),2,BF
210 LINE(DX4,DY3)-(DX-1,DY-1),4,BF
220 LINE(DX2,1)-(DX4-1,DY2-1),,BF
230 COLOR=(8,&H222)
240 COLOR=(9,&H333)
250 COLOR=(10,&H555)
260 COLOR=(11,&H666)
270 COLOR=(12,&H888)
280 COLOR=(13,&HAAA)
290 COLOR=(14,&HBBB)
300 COLOR=(15,&HDDD)
310 GW=INT((DX4-DX2)/10)
320 FOR I=1 TO 8
330 X=DX2+GW*I
340 LINE(X,DY3)-(X+GW,DY-1),7+I,BF
350 NEXT I
360 LINE(DX4-GW,DY3)-(DX4-1,DY-1),7,BF
370 CIRCLE(DX/2,DY/2),DY/4,5
380 LINE(0,DY/2)-(DX,DY/2),5
390 LINE(DX/2,0)-(DX/2,DY),5

画面例
Image: PC98でテストパターン表示
[EOF]

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Neko Projectで英語キーボードを使う [PC98]

2013-03-01 23:38:58 | 古いPC関係

PC98エミュレーター Neko Project で英語キーボードを使う。

Neko Projectは標準で英語キーボードに対応しているはず?なのですが、私の環境ではどうしても日本語キーボードとして認識されてしまうので、AutoHotkeyでキー割り当てを入れ替えてみることにしました。

○AnyHotkey用定義ファイル

文字キーが英語キーボードの刻印通りに文字入力できるように入れ替えを行っています。機能キーは[右Alt]キーに[変換](XFER)、[右Win]キーに[ひらがな](カナ)を割り当てています。また、N88-BASIC(86)でグラフ文字を入力するためのキー割り当てを行っています。これらのキー割り当てはMS-DOSでは意味を成しません。やむを得ず、一部のキーは入れ替えでなくマクロ(send)としています。これらのキーではリピート入力を正しく処理できません。マクロとしていないキーではCtrl、Alt、Shiftキーを押している場合は入れ替えが無効になります。

;ダイヤテック FKBN104MRL/EFB2(Majestouch NINJA フルサイズ・US配列) PS/2接続
;+ Windows 8 にて動作確認。XPではキーマップが異なるのか、そのまま流用して使うことはできない。
#UseHook
#InstallKeybdHook
#MaxHotkeysPerInterval 200
;RemapGraphKey
;1=グラフ文字キー入れ替え有効
;0=グラフ文字キー入れ替え無効
RemapGraphKey=1
;設定対象プロセスの指定
GroupAdd, JPKEYLAPP, ahk_exe np21nt.exe
GroupAdd, JPKEYLAPP, ahk_exe np2nt.exe
;キー割り当て重視型
#IFWinActive ahk_group JPKEYLAPP
;区分はIBM連文節変換プログラムに基づく(保留)
;CapsLock=英数{vka0sc02a}
;CapsLock::send, {blind}{vkF0sc03a}
;SHIFT+CapsLock=CapsLock
;+CapsLock::send, {blind}{CapsLock}
;Alt+CapsLock=漢字番号
;!CapsLock::send, {blind}{vkF2sc03a}
;ALT+右WIN=カナロック(ローマ字)
;^CapsLock::send, {blind}{VK_KANA}
;#CapsLock::      ; Win+CapsLock
;^!CapsLock::   ; Ctrl+Alt+CapsLock
;^!#CapsLock::   ; Ctrl+Alt+Win+CapsLock
;右WIN=かな
RWIN::send, {vkF2sc070}
;CTRL+右WIN=かな
^RWIN::send, {blind}{vkF2sc070}
;SHIFT+右WIN=カナ
+RWIN::send, {blind}{vkF1sc070}
;ALT+右WIN=カナロック(ローマ字)
!RWIN::send, {blind}{VK_KANA}
;右Alt=変換=XFER
*RAlt::send, {blind}{vk1Csc079}
;IBM連文節変換プログラム
;Shift+右Alt=前候補
;Alt+右Alt=全候補
;設定値を調べる方法:左に押すキー、右はエミュ上で目的のコードが出るキー
;英語キーボードに存在しないキーなら日本語キーボードを持ってきてKeymillで探る
&::^
*^::send,'
*+`::send,{blind}{~}
*`::send,{blind}{"}
@::send,``
*:::
)::(
(::*
*_::send,{blind}+{vke2sc073}
=::send,{blind}_
*+sc027::send,`;
sc027::send,{blind}=
'::send,{blind}&
"::@
;日本語キーボード固有のVK_OEM_102(vke2sc073,\ろ_|)は割り当てない。
;次の行を有効にするとアプリケーションキーにVK_OEM_102を割り当てる。
*appskey::send,{blind}{vke2sc073}
;グラフ文字キー入れ替え
IF RemapGraphKey = 1
{
;以下Alt(GRPH)キーが押された場合のみ入れ替え
!=::'
![::send,{blind}+{vkc0sc01a}
!sc027::+
!'::`;
;以下は日本語配列・英語配列共通で使用可能
;Alt+テンキー/ = GRPH+テンキー,[PC98固有] = 亠
!NumpadDiv::vk6c
;Alt+テンキー* = GRPH+テンキー* = ―
;!NumpadMult::send,{blind}{NumpadMult}
;Alt+テンキー- = GRPH+テンキー+ = ニ
!NumpadSub::NumpadAdd
;Alt+テンキー+ = GRPH+テンキー=[PC98固有] = |
!NumpadAdd::vk92
}
return

グラフ文字のキー割り当て
Image: Key assigns of graphic characters in NEC PC-98
(NEC PC-9801VX ガイドブック P.55 より)

○N88-BASIC(86)キーボードテストプログラム

Image: Testing my PC-98 keyboard in N88-BASIC(86)

キー入力を確かめるためにキーボードテストプログラムを作ってみました。が、キーリピートが正しく動作しない(send)キーは正しく認識できません。NFERキーやvfキーはI/Oポートのキーセンスからは取得できないため、検知できません。
ファイルはこちらに置いてあります。

http://astra.digi2.jp/

使用方法

  1. MS-DOSでフォーマットしたFDとN88-日本語BASIC(86)でフォーマットしたFDを用意。
  2. KEYINP.N88 をMS-DOSでフォーマットしたFDに移動。
  3. PC98のMS-DOS上で KEYINP.N88 をFDからHDにコピー。
  4. FDドライブにN88-BASIC(86)フォーマットのFDをセット。
  5. MS-DOS上でFILECONVコマンドを実行。
  6. 2/MS-DOS→N88-BASIC を選択。
  7. MS-DOSのドライブにHDのドライブ文字、N88-BASICのドライブにFDDのドライブ文字を入力。
  8. MS-DOSのファイル名として KEYINP.N88 を選択。
  9. N88-BASICのファイル名は何も入力せずにそのままリターンキーを押す。
  10. 機械語ファイルですか で 2/NO を選択。
  11. SHIFT JISコード変換は で 2/NO を選択。
  12. パラメータを確認して下さい で 1/YES を選択。
  13. 変換は終了しました。別のファイルを変換しますか で 2/NO を選択。
  14. N88-日本語BASIC(86)のシステムディスクをセットしてシステムをリセットする。
  15. DISKモードBASICが起動したら、何も入力せずにリターンキーを2回押す。
  16. 先ほど KEYINP.N88 を入れたN88-BASIC(86)フォーマットのFDをセットする。
  17. RUN "KEYINP.N88" を実行する。
  18. プログラムが走る!!

[EOF]


黎明期の個人用コンピューターの広告[No.1]

2012-11-28 18:31:01 | 古いPC関係

デスクトップコンピューターの登場から家庭用パソコンの登場まで。
数年掛けてスキャン・編集してきた広告を集めました。何かしらの参考にでもなれば幸いです。
各製品そのものの説明は必要時以外は最小限にとどめています。詳しいことは他のサイトを参照してください。

上は"マイクロコンピューターのすべて"(産報ジャーナル)よりSOL-20の写真。
SOL-20は米Processor Technologyから発売されたパソコン。CPUにIntel 8080を採用し、Altair 8800と互換性がある。電源、メインボード、S-100バススロット、キーボードを1つの筐体に内蔵しており、一説によれば世界初のオールインワンパソコンだと言われている。キットが995ドル、完成品が2,129ドルで販売された。日本ではムーンベース(新宿の山本ビルに存在した日本初のマイコン専門店)から745,000円で販売されていた。

次のページに飛ぶ
NEC PC-98の雑誌広告を掘り出してみるNo.2

○マイコンブーム発生まで (~1978年)

日立ベーシックマスター発売までの個人用コンピューターの歴史。ここでは基本的に日本視点としている。

できごと
1965年 伊Olivettiが卓上コンピュータ(プログラム電卓)"P-101"を量産開始。(3,200ドル)
1965年3月 富士通信機製造が安価なオフィスコンピュータ"FACOM 230-10"を発表。(1万円/日)
1968年5月 服部時計店が国産初のデスクトップコンピュータ"S-300"を発表。(695,000円)
1969年4月 輸出用電卓メーカーのビジコンがプログラム電卓の開発のため、
まだ新興企業だった米Intelと資金提供の代わりにLSIを共同開発する契約を結ぶ。
1970年11月 服部時計店がプログラム電卓開発のため、同じようにIntelと"1201"(8008)
の開発に関する契約を結び、詳細検討を開始。
1971年3月 ビジコンとIntelが共同で世界初のワンチップマイクロプロセッサ製品"4004"を開発。
ビジコンが4004の専売権を得る。
1971年10月 ビジコンが4004を使った記録計算機"ビジコン141-PF"を発売。(159,800円)
1971年11月 Intelがビジコンから4004の販売権を買い戻して、4004と8008を正式に発表。
1972年3月 服部時計店がIntelと共同で"8008"を開発。(加算命令サイクル:20μs)
同時にそれを搭載したデスクトップコンピュータ"S-500"を開発。(155万円~)
後に専売契約が切れると、8008は一般市場に公開された。(発売時単価:85,000円)
1972年11月 ソードが8008を搭載したコンピューター"SMP80/08"を発表。性能不足で開発中止。
1973年12月 Intel 8080のエンジニアリングサンプルが完成。(加算命令サイクル:1.6~2.0μs)
1974年2月 精工舎が8080を搭載した"SEIKO7000"を開発。従来機の10倍の処理速度。
1974年3月 米Motorolaがマイクロプロセッサ"6800"を発表。(命令サイクル:2~12μs)
1974年5月 ソードが8080を搭載したコンピューター"SMP80/20"を発売。
1974年11月 米MOS Technologyがマイクロプロセッサ"6502"ファミリを発売。
1974年12月 米MITSが8080搭載の低価格マイコンシステムキット/完成品"Altair 8800"を発売。
1975年 Gary Kildallが"DEC TOPS-10"をモデルに8080用OS"CP/M"を開発。
1975年8月 精工舎がSEIKO7000からスペックを落とした廉価機"SEIKO5500"を開発。
1975年9月 米IBMが持ち運び可能な小型コンピューター"IBM5100"を発売。(8,975ドル~)
1975年12月 米IMSがAltair8800の互換システム"IMSAI 8080"を発売。(I-8080 kit: 931ドル)
1976年3月 東芝がTTY不要なTLCS-12Aのボードマイコンキット"EX-0"を発表。(99,000円)
1976年7月 米Zilogがマイクロプロセッサ"Z80"を発売。
1976年8月 NECがTTY不要なμCOM-80のボードマイコンキット"TK-80"を発売。(85,500円)
1976年12月 米Processor Technologyが完成品パソコン"SOL-20"を出荷。(2,129ドル)
1977年1月 米Commodoreが一体型パソコン"PET2001"を発表。同年10月出荷。(298,000円)
1977年 アスターインターナショナルが完成品パソコン"COSMO TERMINAL-D"を発売。
1977年6月 米Apple Computerが6502を搭載したパソコン"Apple II"を発売。(328,000円)
1977年8月 米TandyがZ80を搭載したパソコン"TRS-80"を発表。(228,000円)
1977年9月 精工舎がSEIKO5500を改良したSEIKO5700を発売。別売でBASICを用意した。
1977年9月 ソードがZ80を搭載したパソコン"M200シリーズ"を発表。(M220: 1,390,000円)
1978年5月 パナファコムがMN1610を搭載した産業向け16ビットパソコン"C-15"を発表。
1978年5月 ソードがZ80を搭載したパソコン"M100シリーズ"を発表。(M110: 199,000円)
1978年 松下が8085を搭載したスモールビジネスコンピュータ"my brain 700"を発表。
1978年中頃 スーパーブレインがパソコン"MCZ80"を発表。同年11月発売。(298,000円)
1978年9月 キヤノンがデスクトップコンピュータ"AX-1""BX-1"を発表。(AX-1: 1,280,000円)
1978年9月 日立が6800を搭載したパソコン"ベーシックマスター"を発売。(188,000円)

1970年代初めはマイクロプロセッサ=マイクロコンピュータであったが、そのうちマイクロプロセッサを使った機器を"マイクロコンピュータ"、略して"マイコン"と呼ぶようになった。PET2001によって"パーソナルコンピューター"という概念が日本に取り入れられて、PC-8001の普及に伴ってそれが"パソコン"と省略されていった。

○電子計算機(コンピューター)の発展図
Evolution of computer systems

○コンピューターの小型化(ダウンサイジング) (1960年代~)

日本IBM IBMシステム/360 (1964年4月発表)(モデル20: 51万円/月)
IBM System/360
(日本経済新聞 昭和39年4月9日付)

1960年代前半まで、コンピューターと言えば大型のメインフレームのことであった。コンピューターを設置するために"電算機センター"の設置など大がかりな工事と莫大な費用が伴い、コンピューターを導入できたのは大企業や研究所などに限られた。

メインフレームの歴史で必ず出てくるのがIBM System/360だ。それまでのIBM7000シリーズやIBM1401は機種間に互換性がなかった。S360ではアーキテクチャーとハードウェアを明確に区別し、小型から大型まで幅広いラインナップで同じハードウェア・ソフトウェア資源を共用できた。日本では1965年10月に国内受注第1号機が東海銀行本店に導入された。
ちなみに1964年11月に発表された最下位モデルのモデル20のみ上位のモデルとは互換性がなく、やや異色の存在である。メインフレームというよりはIBMシステム/3に通ずるオフィスコンピューターであった。

NEC NEAC-2200 (1964年発表)(基本システム構成: 80万円/月)
NEAC-2200 Computer
(日本経済新聞 昭和39年5月7日付)

NEAC-2200は米Honeywell社が開発したH200の輸入モデル。後にNEAC-シリーズ2200としてシリーズ化して、しばらくの間は国内で人気を得る。しかしHoneywell社の製品開発が遅れてくると、それが影響してメインフレーム市場におけるNECのシェアはしばらく落ち込むことになる。
見ての通り、この頃のコンピューターは穴を開けた紙テープでプログラムを入力し、タイプライターで文字を入出力して、データは磁気テープに保存した。ディスプレイ端末はまだ一般的ではなかった。

富士通信機製造 FACOM 230-10 (1965年3月発表)(1万円/日)
Fujitsu FACOM230-10
(日本経済新聞 昭和40年4月13日付)

FACOM 230-10はリースで最小構成1万円/日という経済性と、オペレーター不在でも操作できる使いやすさを主軸に開発された(当時としては)小型のコンピューターであり、オフィスコンピュータの先駆けとなった。主記憶装置のサイクルタイムは2.0μSで、S360/20では3.6μSだったことを考えると、価格性能比が優れていることがわかる。このモデルは富士通のコンピューターとして初めて製造台数が1000台を超えるベストセラーとなった。

日本オリベッティ プログラマ 101 (米国:1964年発表、日本:1967年5月発売)(159万円)
Advert of Olivetti Programma 101Specification of P101
(日本経済新聞 昭和42年5月27日付)
時期から考えると、第34回ビジネスシヨウに合わせて発表されたものと思われる。

Olivetti Programma 101(P101)は世界で初めて"Desktop Computer"を名乗った製品である。ここで"名乗った"としたわけは、キーボードがタイプライター配列ではなくテンキーと機能キーしかないことからわかるように、コンピューターと言うよりは電卓の延長線上の"プログラム電卓"に分類されるからである。それでも、デスクに乗るサイズで計算式を作成できる電卓としては世界初の製品である。開発時点ではICが発明されたばかりの頃であったため、回路はディスクリート部品のみで構成されている。狭い空間に多くの部品を詰め込むため、基板の実装方法に独特な工夫した。

服部時計店 S-500 N20/N30/N40型 (1972年発表)(155万円~)
K.Hattori(SEIKO) S-500 Desktop Computer
(日本経済新聞 昭和47年5月9日付)

こちらもデスクトップコンピュータを名乗っているが、P-101と同じくプログラム電卓に分類されるだろう。演算装置にIntel 8008を使用している。ディスプレイは当時よく使われていたニキシー管による数字・記号のみの表示と思われる。建築・土木関係の科学技術計算用途を中心として開発されたようだ。
服部時計店(精工舎)は米Intel社と提携を組んでいたため、Intel製マイクロプロセッサを搭載したコンピュータが早い段階で開発されている。しかし主に建築・土木関係の科学技術計算用途を対象にしていたため、一般の知名度は低かった。

日本IBM IBM5100ポータブル・コンピューター (米国:1975年9月発表、日本:1976年5月発表)
Advert of IBM 5100 Portable Computer
(日本経済新聞 昭和51年5月17日付)

第51回ビジネスシヨウに合わせて発表されたものと思われる。
IBM5100はIBMから初めて発売された持ち運び可能な個人用コンピューター。寸法は高さ20cm、幅45cm、奥行き61cm。重量は23kg。演算装置はワンチップのCPUではなく、複数のIBM独自開発のチップで構成されている。メモリには当時としては大容量の48Kビットのチップを採用して小型化を図った。画面表示は64字x16行。外部記憶媒体は交換可能なテープカートリッジ。プログラミング言語にはAPLとBASICが用意された。ホストコンピューター(システム/370)に接続可能なため、通信端末としても使える。オプション機器は通信アダプター、直列入出力アダプター、モニター・テレビ・アダプター、IBM5103印刷装置、IBM5106補助テープ装置。
以上のように、高価ではあったが当時としては超小型ながら本格的な機能を備えたコンピューターであり、日本のコンピューター業界にも少なからず影響を与えた。

ここまで挙げてきた製品はオフィス向けのものである。マイコンブーム発生まで国産では安価な個人用コンピューターは存在しなかった。そのためコンピューターに関わりのない個人はコンピューターにあまり興味を持たなかった。例え興味があっても資金面・技術面で敷居が高く、コンピューターを個人で入手・運用する者は少なかった。ここからは個人向けのマイコン製品に注目してみる。

○NEC μCOM Training Kit TK-80 (1976年8月発売)(88,500円)
NEC TK-80
(トランジスタ技術 1976年12月号)

1971年にIntelが世界初のワンチップマイクロプロセッサ"4004"を開発。世界中で注目を集めたが、まだ性能が悪く実用的ではなかったため、当時の主要コンピューターメーカーには相手にされなかった。4004の開発にはビジコン(日本計算機)、8008には精工舎(服部時計店)が関わっていて、それぞれプログラム電卓を開発した。
1974年、Intel 8080やMotorola 6800を始めとして各社から安価で使いやすいマイクロプロセッサが登場し、これらを製品に応用しようという動きが活発になる。ただし、それ自身をコンピューターとして使うことはあまりなく、家電、工場の機械や生産制御、測定器、検査機、コンピュータ周辺機器などへの応用が多かった。

1975年、アメリカのMITS社からIntelの8ビットCPU"8080"とS-100バスを搭載した低価格コンピューターシステム"Altair 8800"が発売される。これまでは個人でコンピューターを入手することはかなわず、少数の技術者が自分で設計して自分で部品を選別・入手して組み立てていた。それがたった397ドルでキットを購入して組み立てれば、最新のIntelのCPUを搭載した拡張性豊かなコンピューターが完成するということで、アメリカで大ヒットした。日本でもIEEコーポレーションによって輸入販売されたが、本体(キットで28万5千円、完成品で39万円。)と実用的に使うために必要な周辺機器をそろえると費用がかさみ、一部の技術者や好事家が使用するのみであった。
そんな中、1976年8月にNECからIntel 8080のセカンドソース"μCOM-80(μPD8080A)"の評価キット"TK-80"が発売される。あくまでマイコンの採用を検討する企業の技術者がμCOM-80を試用するためのキットであり、電源を用意して組み立てる必要があった。それでも高価なテレタイプ(ASR-33が75万円)が不要ということと、大手メーカーのNECから発売されたということで噂になり、技術者以外の人にも売れた。同年9月には秋葉原ラジオ会館7Fにサービスルーム"Bit-inn"が開設され、そこで製品の試用や技術者のサポートを受けることができた。当初販売台数は月20台程度と予想されていたが、結果的に7万台を売り上げる大ヒットとなった。これによりNECマイコンショップという販売チャネルが構築され、今後に繋がってゆく。

ちなみに、μCOM-80のプログラム開発にはこのキット以外にもちゃんと開発環境が用意されており、クロスアセンブラ(FORTRAN IV)とハードウェア(PDA-80など)が用意された。
以下にPDA-80とPDA-800の仕様を示す。

/ PDA-80 PDA-800
CPU μPD8080A μPD780C
RAM 8KB(56KBまで増設可) 56KB
FDD なし(オプション) 5.25インチFDD x 2台
主な機能 エディタ、セルフアセンブラ エディタ、セルフ/クロスアセンブラ
入出力インターフェース TTY TTY/ミニプリンタ/タイピュータ
開発サポートする製品 μCOM-42/43/44/45/46/47
μCOM-80/82/84/85/87
μPD8041/8021
μCOM-43/44/45/46
μCOM-80/82/84/85/87
μPD8041/8021
価格 ? 1,780,000円

PDA-80の外観はこちらの方のページが参考になる。
デジタル降魔録 私的なパソコン史1

○各社から発売されたマイコントレーニングキット(-1978年)

メーカー 型名 CPU 種類 ROM RAM 発売元
RCA COSMAC CDP1802 キット 512B 256B 大倉電機サービス
Fairchild F8 KIT 1A F8 キット 1KB 1KB TDKフェアチャイルド
Mostek F8 Evaluation Kit F8 キット 1KB 1KB システムマーケティング
Intersil Intercept Jr. IM6100 完成品 1KB 256B インターニックス
MOS KIM-1 MCS6502 完成品 2KB 1KB 日本テクセル
Motorola MEK6800DII MC6800 キ/完 1KB/2KB 384B/512B モトローラセミコンダクターズジャパン
NS(ナショセミ) SC/MP Kit ISP-8A/500D キット 512B 256B 旭硝子
Intel SDK-80 i8080A キット 1KB/4KB 256B/1KB パネトロン
Intel SDK-85 i8085 キット 2KB/4KB 256B/512B パネトロン
東芝 EX-12/5 TLCS-12A キット 0/1Kw 256w/1Kw 東京芝浦電気
日立 H68/TR HMCS6800 完成品 4KB 1KB 日立製作所
松下電器 パナキットKX-33 MN1400 キット 1KB 135B 九州松下電器
富士通 LKIT-8 MB8861 完成品 1KB/2KB 768B/1280B 富士通
パナファコム LKIT-16 MN1610 キット 1Kw/2Kw 512w/1Kw パナファコム
三菱 MELCS8/2 M58710S 組込用 1KB/2KB 256B 三菱電機
ロジックシステムズ MP-80 8080A キット 256B/512B 256B/1KB ロジックシステムズインターナショナル
MTコーポレーション PROTO-80 8080A 完成品 512B/2KB 256B/1KB MTコーポレーション
日本電気 TK-80 μPD8080A キット 768B/1KB 512B/1KB 日本電気
日本電気 TK-80BS μPD8080A 一体型 8KB/12KB 5KB/7KB 日本電気

ビットインにてTK-80(上)、新宿コスモスにてコスモ・ターミナル―D(下)によるゲーム実演
TK-80 and Cosmo Terminal-D
(マイクロコンピューターのすべて / 産報 / 1978年)

写真はそれぞれゲームを実演しているところ。上はオセロゲームで、下は野球シミュレーションゲームと思われる。

アスターインターナショナル COSMO TERMINAL-D (1977年発売)(299,000円~)
Advert of Cosmo Terminal-D
(日本経済新聞 昭和52年10月25日付)

"COSMO TERMINAL-D"(コスモ・ターミナル―D)は1977年に株式会社アスターインターナショナルから発売された完成品パーソナルコンピューター。国産初のパソコンについては諸説があるが、その1つに挙げられている。コスモス(黎明期に存在したパソコン販売チェーン店)という名前を聞くとピンとくる方がいるかもしれないが、その運営会社がアスターインターナショナルであった。CPUはMC6800上位互換のFACOM MB8861 1MHzを搭載。メモリは1-33KB。ディスプレイは7色までのカラー表示ができ、家庭用テレビを使用することも可能。モニタROMとしてMIKBUGを内蔵。さらにMB8518用ROMライターを内蔵。当時パソコンを名乗るには必須のBASICも用意していた。RAMの容量(2K or 16K)とディスプレイの有無で計4モデルが存在し、価格は299,000円~449,000円であった。
ただ、一般的には1978年に日立製作所が開発した"ベーシックマスター"(MB-6880)が国産初のパソコンと見られている。

1977年、Commodore PETやApple IIなど、実用的な完成品パソコンが発売される。やや高価だったため家庭には普及しなかったが、中小企業を中心に導入する例が見られた。
1978年より、日立"ベーシックマスター"を代表として日本の様々なメーカーから完成品の安価な家庭用マイコンが発売される。その多くは性能や拡張性に乏しく、"おもちゃ"と揶揄されることもあったが、家庭や中小企業にパソコンが普及するきっかけを作った。1978年10月には、日本国内最大のマイコン同好会"日本マイコンクラブ"の会員が1700人になった。そのうち女性は30人程度と少なかった。

初期の8ビットパソコン
Advert of Commodore PET2001Apple II
TRS-80Hitachi Basic Master
Sharp MZ-80KNEC COMPO BS/80

  • コモドールジャパン PET 2001 (月刊アスキー 1979年4月号)
  • Apple II (コンピュータランド、月刊アスキー 1979年4月号)
  • タンディラジオシャック TRS-80 (月刊アスキー 1979年6月号)
  • 日立 ベーシックマスター (月刊アスキー 1979年6月号)
  • シャープ MZ-80K (月刊アスキー 1979年6月号)
  • 日本電気 COMPO BS/80-A (月刊アスキー 1979年4月号)

ソード電算機システム M200markIIシリーズ (1978年10月発表)(M223 markII: 1,186,000円)
Sord M223 markII
(日本経済新聞 昭和54年2月2日付)

現在、ソードは東芝の子会社の"東芝パソコンシステム"となっている。社史は企業サイト、その概要はWikiを参照して欲しい。

ソードは精工舎と並び、マイクロプロセッサが登場した初期の頃からそれを採用したコンピューターを開発していた。1977年にはZ80マイコン"M200シリーズ"を発表。これはキーボードからディスプレイまで一体化したオールインワンパソコンであり、情報処理学会 コンピュータ博物館ではこれを国産初のパソコンとしている。"スマート・ホーム・コンピューター"と称しているが、対象や価格帯は企業向けであった。1978年5月には低価格パソコン"M100シリーズ"を発表。注目を集めたが、ホビー用途として受け入れられなかったのか、あまり売れなかった。これらを改良して同年10月に発表されたビジネス向けコンピューター"M200markII"シリーズは、国内の中小企業に加えてアメリカでもヒットし、海外市場にも進出することになる。それからはOAパソコンを主軸において、プログラミングの負担を減らした"SORD-PIPS"、3.5インチFDをいち早く採用した"M23markI"(688,000円)、CPUに68000と10MB HDDを搭載しながらも低価格を実現した"M685"(475万円)など、ベンチャー企業ならではの製品開発が注目を集めた。しかし、パソコン市場で大手コンピューターメーカーが台頭してくると、ソードは経営危機に瀕する。1985年に東芝と業務提携を組むことで倒産を回避し、その後も細々と経営していたが、1987年に創業者が退社、1999年には"ソード"の名前が消えた。

ソードは最近のパソコン史ではあまり取り上げられないが、一時期は国内パソコン市場の20%のシェアを誇っていたメーカーとして、パソコン黎明期の歴史を語るには欠かせない存在だ。

ソードのコンピューター雑誌広告
Sord M5Sord M23 SeriesSord M343
Sord M243EX, M68Sord M685

  • ソード電算機システム M5 (月刊アスキー 1983年1月号)
  • ソード電算機システム M23markI (月刊アスキー 1981年11月号)
  • ソード電算機システム M343 (日経コンピュータ 1983年1月24日号)
  • ソード M243EX, M68 (月刊アスキー 1983年12月号)
  • ソード M685 (日経コンピュータ 1984年2月20日号)

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NEC PC-98の雑誌広告を掘り出してみるNo.2

○マイコンブームの歴史で参考にした文献

  • ビジコン社の歴史、電卓博物館。
  • 田渕紀雄、精工舎に於けるマイクロコンピュータ応用の経緯と今後の展望、研究報告「計算機アーキテクチャー(ARC)」、情報処理学会、1977年。
  • SEIKOパーソナルコンピュータ - はつかいち。
  • コンピュータ博物館、情報処理学会。
  • 安田寿明、マイ・コンピュータ入門 コンピュータはあなたにもつくれる、講談社、1977年。
  • 堀部潔・鈴木将成、増補改訂 マイクロコンピュータ活用事典、テクノ、1980年。
  • 小林紀興、松下電器の果し状、光文社、1989年。
  • 月刊アスキー 1978年4月号、アスキー、1978年。
  • 月刊アスキー 1978年10月号、アスキー、1978年。
  • 月刊アスキー 1978年11月号、アスキー、1978年。
  • マイクロコンピューターのすべて、産報ジャーナル、1978年。

PC-9801BX2をODPを使って66Mhzにクロックアップ

2012-11-26 23:01:07 | 古いPC関係

ODP(オーバードライブプロセッサー)を使ってNEC PC-9801BX2を66MHzにクロックアップする。実質オーバークロック。
まあ出尽くした話題を改めて掘り起こしているだけなんですが。

○機種の概要

PC-9801BX2は1993年11月に日本電気株式会社から98FELLOWシリーズの第2世代として発表されました。98FELLOWシリーズは上位機種の98MATEシリーズからWindows対応のためのマルチメディア機能などを省略したローエンド機で、企業でDOS専用機としての利用を視野に登場しました。安価だったためホビーユーザーにも好まれ、自分でウインドウアクセラレータボードや86音源ボードを購入してDOSゲーム&Windows兼用機にする人もいました。-M2型番はPC98では最後の5インチFDD内蔵モデルとなりました。

○ODP(オーバードライブプロセッサ)

ODPはインテルがユーザーに向けてCPUのアップグレード手段として用意したCPUです。ODPを実装するにはPCのマザーボードにODPソケットが必要です。ODPはCPUと協調して動作しているようにも見えますが、実際には元あったCPUは完全に機能を停止させて、ODPが単独で処理していました。インテルがCPUを2個売り付けたいという意図が見え見えです。しかし、メーカーが公式でCPUのアップグレード手段を用意していたことは、今からすれば特異かもしれませんね。

今回はODP486SX-20(JBOXODP486SX20)を使います。本当は25(50)Mhz品がいいのですが。

ODP表
Top of ODP486SX-20

ODP裏(ピン数は169)
Bottom of ODP486SX-20

インテルOVERDRIVEプロセッサの広告
Advert of Intel OverDrive Processor in 1992

○現在のCPUクロック速度を確認する。

まずは現在のCPUクロックの速度を確認します。
電源を入れるとき、またはリセットするときに[CTRL]+[CAPS]+[カナ]+[GRPH]キーを押すと、ITF(Initial Test Firmware)のハードウェア情報が表示されます。そこにCPUのクロック数も表示されます。
NEC PC-9801BX2 Initial Test Firmware 486SX 25MHz

○ODPを実装する。 (25MHz→50MHz)

ケースを開けてマザーボード上の青いソケット(Socket 2)のレバーを上げて、ODPを差し込みます。
差し込んだらレバーを下ろします。

先と同じ手順でITF診断画面を表示させて、CPUクロックが50MHzになったことを確認します。
NEC PC-9801BX2 Initial Test Firmware 486DX2 50MHz

○ベースクロックを25MHzから33MHzにクロックアップする。(50MHz→66MHz)

基板裏側の回路を改造するため、まずは機体を分解してマザーボードを取り外します。
分解するには、まず拡張ボードを外す→バックパネルを外す→内蔵固定ディスクを外す→電源を外す→フロントパネルを外す→FDDとケーブルを外す→FDDシャーシを外す→拡張スロットシャーシを外す、という順番でパーツを外していきます。

基板裏側に2F1とマーキングされているランドがあるので、これに鈴メッキ線などを貼り付けるかはんだで結んでショートします。
外したパーツを元に戻して、PCの電源を入れます。
「Clock speed」が66MHzになっていればクロックアップは成功です。
NEC PC-9801BX2 Initial Test Firmware 486DX2 66MHz

メモリとウインドウアクセラレータを増設すれば、とりあえずWindows 95,98が動く環境に。まあWin9xは使わないにせよ、DOSやWin3.1でもCPUクロック高速化の効果を体感できるでしょう。
CPUクロックを上げると電力損失が増えるので、発熱量も増えます。ヒートシンクを付けるべきかもしれません。


富士通 3.5インチ 40MB SCSI-HDD M2611Sについて

2012-11-02 22:28:01 | 古いPC関係

富士通製の3.5インチ 40MB SCSIハードディスク M2611Sについてメモ。
上の写真は富士通製の2.5インチ 160GB SATAハードディスク MHV2160BT(2006年10月製)と大きさを比較してみたところ。

○ 仕様

型番 (Model) M2611S
部品番号 (P/N) B03B-7065-B101A
品名 3.5型SCSI磁気ディスク装置
メーカー 富士通株式会社 (Fujitsu, Ltd.)
容量 45 MB
シリンダ数 1,334
ヘッド数 2
セクタ数 68
セクタ容量 256 バイト/セクタ
回転数 3490 rpm
シークタイム 25.0 ms
キャッシュ 24 KB リングバッファ
自動リトラクト機能 あり
インターフェース SCSI-1 シングルエンド
データ転送レート 片方向 2.5 MB/s (同期転送時)
装置形状 3.5 インチ、スリム
ピン形状 50 ピン (データ)、4 ピン (電源)
電源 5 V、12 V
消費電力 9.2 W (稼働中待機時)
騒音 43 dB (稼働中待機時)
MTBF 30,000 時間

○ 特徴

M261シリーズは20MB~160MBというラインナップで、容量だけ見れば40MBは少ない方だ。しかし当時の日本のパソコン市場で大多数を占めていたNEC PC-9800シリーズにおいては、HDD非搭載すら珍しくなかった。HDDそのものが高価であり、40MBのHDD内蔵モデルとHDD非搭載モデルで価格に10万円近くの差があったのだから、それもそのはずだ。
当時、Seagate ST225(ST-506, 20MB, 65ms)が6万円、ST251(ST-506, 40MB, 40ms)が8万円した。M2611Sは40MBでシークタイム25msであることから、SCSIインターフェースとセットで10万円は下らなかったのではないだろうか。

このHDDはPC98の内蔵SASIインターフェース用HDDとして搭載されていた。
まず電源を入れると、PC98本体の「ピーロー」音の後にHDDのスピンドルモーターが回り出す「ンウィー」という音が出て、その次にヘッドのロックを解除する「ガチャ」という音とビープ音が鳴る。そんなところがいかにも「装置」っぽい。稼働中は「ウィー」という音がずっと出ているが、それほど気にならない。むしろ本体のケースファン(8cm)の風切り音が気になる。アクセス中はカリカリと音が鳴るが、5インチFDDの動作音に比べればずいぶん静か。一定時間おきに「ピ」というビープ音の後「カリカリ」という音が数秒続くが、これは「サーマルキャリブレーション」(ディスクの熱膨張によるヘッドのずれを修正する機能。)というものらしい。

○ ストラップスイッチの設定

装置の裏の基板にあるストラップスイッチの設定はこちらが参考になる。

○ 外観の写真

上面
M2611S top

端子部
M2611S connector

裏面
M261S bottom


PC98のMS-DOSにおいてフリーエリアを極限まで確保する

2011-11-29 19:56:10 | 古いPC関係

PC98のMS-DOSにおいてフリーエリアを確保する の続き。

540KB以上のフリーエリアが要求されるような状況はあまりないので、580KBもフリーエリアを確保できれば何も困ることはありません。でもせっかく取り上げた話題なので、もう少し切り詰めていこうと思います。危険な操作が含まれているので、万一起動しなくなったときのためにシステムインストールディスク(MS-DOSプリインストール機に付属)かDOSのシステムを転送した起動ディスクを用意しておいてください。

○システムテーブル(FILES、BUFFERSのバッファ)を削減

PC DOS 7.0ではDOSDATAコマンドでシステムテーブルをUMBに移動させることができます。PC98のDOSには同様の機能はありませんが、フリーソフトを使って似たようなことができます。

BUFFERSは大きい数字を設定するとディスクのファイルのアクセスが早くなりますが、ディスクキャッシュを使用する場合はBUFFERSは不要です。そこでまずはBUFFERSの最小の設定値を探します。CONFIG.SYSで「BUFFERS=1」と設定して再起動します。再起動後にコマンドで「MEM /D」を実行してメモリの状態を確認します。BUFFERSのメモリ使用量が出てくるのでこれを覚えておきます。

アドレス    名前         サイズ     タイプ
--------    --------     ------     ------
005800      IO           0007D0     システム データ
                         000130      FILES=
                         000050      FCBS=
                         000400      BUFFERS=
                         000210      LASTDRIVE=

次にCONFIG.SYSでBUFFERS=2、3、4と上げていくと、ある値でBUFFERSのメモリ使用量が増加します。その増加する前に設定した値がBUFFERSの最小設定値となります。

FILESの最小設定値は8と決まっているのでCONFIG.SYSにFILES=8を設定します。このままだとWindowsが使えないので、フリーソフトのUMBTに含まれているADDFILES.COMを使ってFILESバッファをUMBに追加します。AUTOEXEC.BATには次の1行を追加します。

A:\UMBT\ADDFILES.COM 30

これでAUTOEXEC起動時にUMBへFILESバッファが30個確保されます。

○設定例1 : DOS&Windows両用 安定版

常駐ドライバ : メモリ管理(VEM486、VEMWIN)、日本語入力(KKCFUNC、NECAI)、RAMディスク、PnPコンフィグレーションマネージャ、CDデバイスドライバ
常駐プログラム : MSCDEX、ディスクキャッシュドライバ(Windowsに付属)、KI-Shell、ADDFILES
使用ROM領域 : 内蔵HD I/F(0xD8000 - 0xDBFFF)、SCSIボード(0xDC000 - 0xDDFFF)

CONFIG.SYS

BUFFERS=4
FILES=10
FCBS=1,0
LASTDRIVE=F
BREAK=OFF
SHELL=\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\VEM\VEM486.EXE /U=A5-A7,D0-D7,DE-DF,E8-F3
DEVICE=A:\VEM\VEMWIN.EXE
DEVICEHIGH=A:\DOS\KKCFUNC.SYS
DEVICE=A:\DOS\NECAIK1.DRV
DEVICE=A:\DOS\NECAIK2.DRV /R NECAI.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\RAMDISK.SYS 4096 /E
DEVICE=A:\PLUGPLAY\DRIVERS\DOS\DWCFGMG.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101
DOS=HIGH,UMB

AUTOEXEC.BAT

@ECHO OFF
SET TEMP=A:\WINDOWS\TEMP
SET DOSDIR=A:\DOS
PATH A:\DOS;A:\WINDOWS
LH A:\DOS\MSCDEX.EXE /E /D:CD_101 /L:F
LH A:\WINDOWS\SMARTDRV.EXE
A:\KSH\KSH.COM
A:\UMBT\ADDFILES.COM 30

起動時のメッセージ

NEC PC-9800 シリーズ パーソナル コンピュータ

マイクロソフト MS-DOS バージョン 5.00A-H
Copyright (C) 1981,1992 Microsoft Corp. / NEC Corporation

VEM486 Virtual XMS / EMS / VCPI Memory Server   Version 1.31β13
Copyright (C) 1995-1996 K.Ogino
UMB領域   : A5-A7 D0-D7 DE-DF E8-F3
VEM486 installed : XMS/EMS/VCPI メモリとして 13904 KBytes 使用可能です。

VEMWIN installed : MS-Windows 3.1/95 を使用可能です。
Microsoft (R) KKCFUNC バージョン 1.10
Copyright (C) Microsoft Corp. 1991. All rights reserved.

KKCFUNC が組み込まれました.

 AIかな漢字変換が使用可能です
 辞書は、カレントドライブの NECAI.SYS   です

 RAM DISK が使用可能です
 RAM DISK は、ドライブ C: です
 RAM DISK 容量 =  4096KB 論理セクタ長 =  1024 ディレクトリ数 =   384

Plug and Play for MS-DOS(R) and Windows(TM) Configuration Manager - R1.21
Copyright 1993, 1994 Intel Corporation  ALL RIGHTS RESERVED
MS-DOS is a registered trademark and Windows is a trademark of Microsoft Corp.
検出したPnPボード: MELCO IFC-NN  SCSI I/F
PnPボードの設定が完了しました。

Oak Technology Inc. OTI-011 CD-ROM device driver, Rev D011V109
  (C)Copyright Oak Technology Inc. 1993, 1994
CD-ROM Extensionsが組み込み可能です。
デバイス名 : CD_101

Command バージョン 5.00A-H
MSCDEX Version 2.21
Copyright (C) Microsoft Corp. 1986, 1987, 1988, 1989, 1990. All rights reserved.
       Drive F: = Driver CD_101 unit 0
Microsoft SMARTDriveディスク キャッシュ バージョン 4.0
Copyright 1991,1993 Microsoft Corp./ NEC Corporation

キャッシュ サイズ: 2,097,152 バイト
Windows実行時のキャッシュ サイズ: 2,097,152 バイト

         ディスク キャッシュ情報
ドライブ  リードキャッシュ  ライトキャッシュ  バッファリング
-----------------------------------------
  A:       する       する       不要
  B:       する       しない      不要

ヘルプを見るには"smartdrv /?"と入力してください。

SMARTDriveのメモリ常駐部分がロードされました。
KI-Shell for PC-9801 (ver1.73g[EMS])
    (c)1986-97 by K.Ishino,T.Hotta,yuuji,Mr.No
        HistBuff=501 AliasBuff=200 DirStack=15393  3CD6h Bytes used
UMBにロードしました.
ADDFILES ver1.3 for DOS5 Copyright (C)KENJI 1994.7- Release All rights reserved.
FILES = 10 + 30 = 40
use 1776 bytes

MEM /Cの実行結果

コンベンショナルメモリ :

  名前                サイズ(10進数)       サイズ(16進数)
-------------      ---------------------   -------------
  MSDOS              24480      ( 23.9K)       5FA0
  NECAIK1             7040      (  6.9K)       1B80
  NECAIK2              272      (  0.3K)        110
  DWCFGMG             3072      (  3.0K)        C00
  COMMAND             2896      (  2.8K)        B50
  SMARTDRV           13744      ( 13.4K)       35B0
  フリー                   64      (  0.1K)         40
  フリー               603584      (589.4K)      935C0

全フリーメモリ :          603648      (589.5K)

アッパーメモリ :

  名前                サイズ(10進数)       サイズ(16進数)
-------------      ---------------------   -------------
  システム              221440      (216.3K)      36100
  SMARTDRV           16384      ( 16.0K)       4000
  (VEMWIN)             784      (  0.8K)        310
  MSCDEX             15696      ( 15.3K)       3D50
  ADDFILES            1776      (  1.7K)        6F0
  KKCFUNC             4128      (  4.0K)       1020
  RAMDISK             2080      (  2.0K)        820
  NECCD              17616      ( 17.2K)       44D0
  KI-SHELL           15584      ( 15.2K)       3CE0
  フリー                11424      ( 11.2K)       2CA0
  フリー                  592      (  0.6K)        250
  フリー                 6336      (  6.2K)       18C0
  フリー                 9440      (  9.2K)       24E0

全フリーメモリ :           27792      ( 27.1K)

プログラムへの使用可能全バイト数(コンベンショナル+アッパー) :                631440   (616.6K)
実行可能プログラム最大サイズ :                                     603440   (589.3K)
使用可能最大アッパーメモリブロック :                                    11424   ( 11.2K)

  14352384 バイト : 全 EMSメモリ
   7749632 バイト : 使用可能 EMSメモリ

  14680064 バイト : 全エクステンドメモリ
   7749632 バイト : 使用可能エクステンドメモリ
   7749632 バイト : 使用可能 XMSメモリ
                    MS-DOS は, ハイメモリ領域に常駐しています.

MSD(Microsoft 診断プログラム)の上位メモリのメモリマップ

MSD

○EMSページフレームを0xB0000 - 0xBFFFFに設定する

デバイスドライバ・常駐プログラムは複数のUMBメモリ領域に分割して移動させることはできません。UMBメモリが分断されていれば、その分断されたうちのいずれかの領域に収まらなければUMBメモリに入れることはできません。なので、なるべくUMBメモリの領域が割れないように工夫します。

メモリ空間 0xB0000 - 0xBFFFF は本来はグラフィック用ビデオメモリの領域ですが、一部の機種ではここをEMSページフレームと切り替えて使うことができます。ただしグラフィック画面を使う一部のプログラムで不具合が起きることがあります。EMSページフレームを0xB0000 - 0XBFFFFに移動させた時のメモリマップは下のようになります。

アドレス サイズ 種別 割り当て 説明
0xA0000 - 0xA4FFF 20KB サブRAM システム テキストVRAM等
0xA5000 - 0xA7FFF 12KB (予約) (空き) 空き(UMBとして使用可能)
0xA8000 - 0xBFFFF 96KB サブRAM DOS/システム EMSページフレーム/グラフィックVRAM(P0,1,2)
0xC0000 - 0xDFFFF 128KB ROM(予約) (空き) ROM予約領域(未使用領域はUMBとして使用可能)
0xE0000 - 0xE7FFF 32KB サブRAM システム グラフィックVRAM(P3)
0xE8000 - 0xF3FFF 48KB ROM システム ROM BASIC(通常はUMBとして使用可能)
0xF4000 - 0xFFFFF 48KB ROM システム BIOS

0xC0000 - 0xDFFFFに単一区画で128KBものUMB領域を作ることができます。ただ実際には0xD8000あたりにHDDのブートROMが入ってくるので、単一だと96KBくらいになると思います。

PC-9821で内蔵HD I/FとSCSI I/F(PC-9801-92相当)を搭載する環境の場合、CONFIG.SYSでVEM486に次のようにパラメータを指定します。

DEVICE=A:\VEM\VEM486.EXE /E=B0 /U=A5-A7,C0-D7,DE-DF,E8-F3

○COMMAND.COMをUMBに移動させる

上のリンクにあるUMBTに含まれているUMBCMD.COMを使うとCOMMAND.COMをUMBに移動させることができます。CONFIG.SYSのSHELLコマンドは次のように書き換えます。

SHELL=A:\UMBT\UMBCMD.COM A:\COMMAND.COM /P

○設定例2 : DOS利用重視&フリーエリア600KBオーバー

常駐ドライバ : メモリ管理(VEM486)、RS-232Cドライバ、マウスドライバ、プリンタドライバ、RAMディスク、CDデバイスドライバ、ディスクキャッシュドライバ(DOSに付属)
常駐プログラム : MSCDEX、KI-Shell、ADDFILES
使用ROM領域 : 内蔵HD I/F(0xD8000 - 0xDBFFF)、SCSIボード(0xDC000 - 0xDDFFF)

CONFIG.SYS

BUFFERS=4
FILES=10
FCBS=1,0
LASTDRIVE=F
BREAK=OFF
SHELL=A:\UMBT\UMBCMD.COM A:\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\VEM\VEM486.EXE /E=B0 /U=A5-A7,C0-D7,DE-DF,E8-F3
DEVICEHIGH=A:\DOS\RAMDISK.SYS 4096 /E
DEVICEHIGH=A:\DOS\RSDRV.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\PRINT.SYS /U
DEVICEHIGH=A:\DOS\MOUSE.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101
DEVICEHIGH=A:\DOS\SMARTDRV.SYS 1024
DOS=HIGH,UMB

AUTOEXEC.BAT

@ECHO OFF
SET TEMP=A:\WINDOWS\TEMP
SET DOSDIR=A:\DOS
PATH A:\DOS;A:\WINDOWS
LH A:\DOS\MSCDEX.EXE /E /D:CD_101 /L:F
A:\KSH\KSH.COM
A:\UMBT\ADDFILES.COM 30

起動時のメッセージ

NEC PC-9800 シリーズ パーソナル コンピュータ

マイクロソフト MS-DOS バージョン 5.00A-H
Copyright (C) 1981,1992 Microsoft Corp. / NEC Corporation

VEM486 Virtual XMS / EMS / VCPI Memory Server   Version 1.31β13
Copyright (C) 1995-1996 K.Ogino
UMB領域   : A5-A7 C0-D7 DE-DF E8-F3
VEM486 installed : XMS/EMS/VCPI メモリとして 13840 KBytes 使用可能です。

 RAM DISK が使用可能です
 RAM DISK は、ドライブ C: です
 RAM DISK 容量 =  4096KB 論理セクタ長 =  1024 ディレクトリ数 =   384

 RS-232Cインターフェイスが使用可能です

 プリンタが使用可能です

 マウスドライバが使用可能です

Oak Technology Inc. OTI-011 CD-ROM device driver, Rev D011V109
  (C)Copyright Oak Technology Inc. 1993, 1994
CD-ROM Extensionsが組み込み可能です。
デバイス名 : CD_101

SMARTDriveが使用可能です
    キャッシュサイズ   1024 KB (XMS)
    トラック数      120
    最小キャッシュサイズ 0 KB

UMBCMD v1.3 for DOS5 Copyright (C)KENJI 1994.7- Release All rights reserved.

Command バージョン 5.00A-H
MSCDEX Version 2.21
Copyright (C) Microsoft Corp. 1986, 1987, 1988, 1989, 1990. All rights reserved.
       Drive F: = Driver CD_101 unit 0
KI-Shell for PC-9801 (ver1.73g[EMS])
    (c)1986-97 by K.Ishino,T.Hotta,yuuji,Mr.No
        HistBuff=501 AliasBuff=200 DirStack=15393  3CD6h Bytes used
UMBにロードしました.
ADDFILES ver1.3 for DOS5 Copyright (C)KENJI 1994.7- Release All rights reserved.
FILES = 10 + 30 = 40
use 1776 bytes

MEM /Cの実行結果

コンベンショナルメモリ :

  名前                サイズ(10進数)       サイズ(16進数)
-------------      ---------------------   -------------
  MSDOS              24480      ( 23.9K)       5FA0
  フリー               630784      (616.0K)      9A000

全フリーメモリ :          630784      (616.0K)

アッパーメモリ :

  名前                サイズ(10進数)       サイズ(16進数)
-------------      ---------------------   -------------
  システム              155904      (152.3K)      26100
  RAMDISK             2080      (  2.0K)        820
  RSDRV               2416      (  2.4K)        970
  PRINT               5344      (  5.2K)       14E0
  MOUSE               8448      (  8.3K)       2100
  NECCD              17616      ( 17.2K)       44D0
  SMARTDRV           15296      ( 14.9K)       3BC0
  COMMAND             2896      (  2.8K)        B50
  ADDFILES            1776      (  1.7K)        6F0
  MSCDEX             15696      ( 15.3K)       3D50
  KI-SHELL           15584      ( 15.2K)       3CE0
  フリー                12224      ( 11.9K)       2FC0
  フリー                42784      ( 41.8K)       A720
  フリー                 6064      (  5.9K)       17B0
  フリー                14960      ( 14.6K)       3A70

全フリーメモリ :           76032      ( 74.3K)

プログラムへの使用可能全バイト数(コンベンショナル+アッパー) :                706816   (690.3K)
実行可能プログラム最大サイズ :                                     630640   (615.9K)
使用可能最大アッパーメモリブロック :                                    42784   ( 41.8K)

  14352384 バイト : 全 EMSメモリ
   8896512 バイト : 使用可能 EMSメモリ

  14680064 バイト : 全エクステンドメモリ
   8896512 バイト : 使用可能エクステンドメモリ
   8896512 バイト : 使用可能 XMSメモリ
                    MS-DOS は, ハイメモリ領域に常駐しています.

MSD(Microsoft 診断プログラム)の上位メモリのメモリマップ


PC98のMS-DOSにおいてフリーエリアを確保する

2011-11-29 06:31:58 | 古いPC関係

NEC PC-9800シリーズ上のMS-DOSにおける実行可能プログラムサイズ、いわゆるフリーエリアを極限まで確保しようという試み。
いい加減この手の話題(→古い環境の話)はやめようと思っていましたが、予想以上に需要があるので、今後も暇と機会と必要性があれば書いていこうと思います。

MS-DOSのメモリ利用を手動で徹底的に最適化するには(今では使われなくなった)様々な知識が必要で、それだけで本1冊ができ上がるほどになります。なのでここでは具体例を挙げて簡単にまとめるだけに留めておきます。

実行可能プログラムサイズ(コンベンショナルメモリ)を空けるだけなら何も余分なデバイスドライバを入れないのが一番です。でもそれではつまらないので、今回は日本語入力ドライバ(NECAI)、RAMディスクドライバ(RAMDISK)、CD-ROMドライバを組み込んだオールラウンドな環境を構築しようと思います。

使用OSはMS-DOS Ver.5.0A-H。なお、CPUが80386またはそれ以降でかつ1.6MB以上のメモリを搭載していて、OSがMS-DOS Ver.5.0以降であることが最小必要条件です。(CPUとメモリについてはPC-9821シリーズの全ての機種が条件を満たしています。)

○最適化前

最適化する前のCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BAT。DEVICEHIGHコマンドを使わない(デバイスドライバをUMBに移さない)場合。

CONFIG.SYS

BUFFERS=20 ←ディスクキャッシュのサイズ(クラスタ数)
FILES=30 ←同時オープン可能なファイルハンドルの数
LASTDRIVE=H ←アクセス可能なドライブの最大数[A-Z](前もって確保するドライブアクセス用メモリの数)
BREAK=OFF ←コマンドインタープリターによるCtrl+Cキーのチェック機能
SHELL=\COMMAND.COM /P ←コマンドインタープリターの場所
DEVICE=A:\WINDOWS\HIMEM.SYS ←拡張メモリ(プロテクトメモリ)を管理するためのドライバ
DEVICE=A:\WINDOWS\EMM386.EXE /P=256 /UMB ←拡張メモリを使ってEMSメモリをエミュレートするドライバ
DEVICE=A:\DOS\KKCFUNC.SYS ←MS-DOS標準仕様のかな漢字変換システム制御機能をサポートするためのドライバ
DEVICE=A:\DOS\NECAIK1.DRV ←NEC AIかな漢字変換ドライバ
DEVICE=A:\DOS\NECAIK2.DRV /R NECAI.SYS ←NEC AIかな漢字変換ドライバ
DEVICE=A:\DOS\RAMDISK.SYS 4096 /E ←EMSメモリの一部をRAMDISKとして利用するためのドライバ
DEVICE=A:\PLUGPLAY\DRIVERS\DOS\DWCFGMG.SYS ←プラグアンドプレイ機能を管理するためのドライバ
DEVICE=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101 ←CD-ROMドライブのドライバ
DOS=HIGH,UMB ←HMA、UMBを有効にする

AUTOEXEC.BAT

@ECHO OFF ←今後実行するコマンドの内容を標準出力にエコーしない
PATH A:\DOS;A:\WINDOWS ←環境パスを設定
SET TEMP=A:\WINDOWS\TEMP ←環境変数TEMPを設定
SET DOSDIR=A:\DOS ←環境変数DOSDIRを設定
A:\DOS\MSCDEX /E /D:CD_101 /L:H ←MS-DOS標準仕様のCD-ROM拡張機能をサポートするためのドライバ

この時の実行可能プログラムサイズは535KBでした。(ちなみにUMBメモリの総容量は36KB。)

○EMM386 + デバイスドライバをUMBメモリに移す

デバイスドライバはDEVICEHIGHコマンド、常駐プログラムはLH(LOADHIGH)コマンドを使うことでUMBメモリに移すことができます。ただしNECAIK1.DRVなどの一部のデバイスドライバはUMBに移すことができません。DOS起動時にUMBに移せなかったドライバは自動でコンベンショナルメモリに確保されます。

CONFIG.SYS

BUFFERS=20
FILES=30
LASTDRIVE=H
BREAK=OFF
SHELL=\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\WINDOWS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\WINDOWS\EMM386.EXE /P=256 /UMB
DEVICEHIGH=A:\DOS\KKCFUNC.SYS
DEVICE=A:\DOS\NECAIK1.DRV
DEVICE=A:\DOS\NECAIK2.DRV /R NECAI.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\RAMDISK.SYS 4096 /E
DEVICE=A:\PLUGPLAY\DRIVERS\DOS\DWCFGMG.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101
DOS=HIGH,UMB

AUTOEXEC.BAT

@ECHO OFF
PATH A:\DOS;A:\WINDOWS
SET TEMP=A:\WINDOWS\TEMP
SET DOSDIR=A:\DOS
LH A:\DOS\MSCDEX /E /D:CD_101 /L:H

この時の実行可能プログラムサイズは556KBでした。約20KB分のプログラムがUMBメモリに移った計算になります。これとDEVICEHIGHやLHコマンドで指定したプログラムの合計サイズが釣り合わないことから、一部のプログラムはUMBに収まりきらず、コンベンショナルメモリを消費していることがわかります。

○メモリ管理ドライバにVEM486を利用

フリーのメモリ管理ドライバ・ソフト「VEM486」を利用します。HIMEM.SYSやEMM386.EXEはそれ自身がコンベンショナルメモリを消費するのに対し、VEM486はUMBメモリに常駐するため、その分だけコンベンショナルメモリを空けることができます。また、BIOS ROM(ROM BASIC)の一部の領域 約40KBほどをUMBメモリとして利用できます。

BUFFERS=20
FILES=30
LASTDRIVE=H
BREAK=OFF
SHELL=\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\VEM\VEM486.EXE /U
DEVICEHIGH=A:\DOS\KKCFUNC.SYS
DEVICE=A:\DOS\NECAIK1.DRV
DEVICE=A:\DOS\NECAIK2.DRV /R NECAI.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\RAMDISK.SYS 4096 /E
DEVICE=A:\PLUGPLAY\DRIVERS\DOS\DWCFGMG.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101
DOS=HIGH,UMB

この時の実行可能プログラムサイズは578KB。UMBメモリの総容量はなんと83KBもありました。そのうちUMBの空き容量が30KBほどあるので、まだまだデバイスドライバや常駐プログラムが入りそうです。以下はMEM /Cコマンドの出力です。

コンベンショナルメモリ :

  名前                サイズ(10進数)       サイズ(16進数)
-------------      ---------------------   -------------
  MSDOS              45792      ( 44.7K)       B2E0
  NECAIK1             7040      (  6.9K)       1B80
  NECAIK2              272      (  0.3K)        110
  DWCFGMG             3072      (  3.0K)        C00
  COMMAND             2896      (  2.8K)        B50
  フリー                   64      (  0.1K)         40
  フリー               592704      (578.8K)      90B40

全フリーメモリ :          592768      (578.9K)

アッパーメモリ :

  名前                サイズ(10進数)       サイズ(16進数)
-------------      ---------------------   -------------
  システム              221440      (216.3K)      36100
  KKCFUNC             4128      (  4.0K)       1020
  RAMDISK             2080      (  2.0K)        820
  NECCD              17616      ( 17.2K)       44D0
  MSCDEX             15696      ( 15.3K)       3D50
  フリー                  144      (  0.1K)         90
  フリー                12064      ( 11.8K)       2F20
  フリー                 8816      (  8.6K)       2270
  フリー                 8128      (  7.9K)       1FC0
  フリー                16832      ( 16.4K)       41C0

全フリーメモリ :           45984      ( 44.9K)

プログラムへの使用可能全バイト数(コンベンショナル+アッパー) :                638752   (623.8K)
実行可能プログラム最大サイズ :                                     592560   (578.7K)
使用可能最大アッパーメモリブロック :                                    16832   ( 16.4K)

  14352384 バイト : 全 EMSメモリ
   9879552 バイト : 使用可能 EMSメモリ

  14680064 バイト : 全エクステンドメモリ
   9879552 バイト : 使用可能エクステンドメモリ
   9879552 バイト : 使用可能 XMSメモリ
                    MS-DOS は, ハイメモリ領域に常駐しています.

○VEM486 + UMBメモリの領域を手動で設定する

UMBメモリは本来はシステム予約領域として定義されている部分からメモリ管理ドライバが未使用領域を探し出して、それをプロテクトメモリの一部分のミラーとして割り当てています。しかし未使用領域がはっきりしているのであれば、ユーザーが直接UMBメモリの領域を指定することでより多くのUMBメモリを確保できます。

PC98のメモリマップはこのようになっています。このうち、空き領域と拡張ROM領域、システムROMの一部の領域をUMBメモリとして使用できます。拡張ROM領域については機種や実装している拡張ボードによってどの領域を使用しているかは異なるので、マニュアル等で確認・把握する必要があります。PC-9821Xn/Xp/Xs/Xeでは次のようになっています。

割り込みレベル・DMAチャネル・ROMアドレス空間
(引用元:『PC-9821Xn/Xp/Xs/Xe 98MATE GUIDE BOOK』、日本電気株式会社、1994年)

他にSCSIインターフェースボードなどの拡張ボードを実装している場合はそのボードが利用するROMアドレスを確認する必要があります。プラグアンドプレイ(PnP)に対応するボードならPnP コンフィグレーション ユーティリティからボードが使用するROMアドレスを確認できます。

これらの情報から、この例の環境の上位メモリのメモリマップは次のようになります。

アドレス サイズ 種別 割り当て 説明
0xA0000 - 0xA4FFF 20KB サブRAM システム テキストVRAM等
0xA5000 - 0xA7FFF 12KB (予約) (空き) 空き(UMB領域として使用可能)
0xA8000 - 0xBFFFF 96KB サブRAM システム グラフィックVRAM
0xC0000 - 0xCFFFF 64KB ROM(予約) (空き) 空き(仮想EMSページフレームとして使用)
0xD0000 - 0xD7FFF 32KB ROM(予約) (空き) 空き(UMB領域として使用可能)
0xD8000 - 0xDBFFF 16KB ROM システム 内蔵固定ディスク I/F BIOS
0xDC000 - 0xDDFFF 8KB ROM 拡張ボード MELCO IFC-NN(SCSI I/F BIOS)
0xDE000 - 0xDFFFF 8KB ROM(予約) (空き) 空き(UMB領域として使用可能)
0xE0000 - 0xE7FFF 32KB サブRAM システム グラフィックVRAM
0xE8000 - 0xF3FFF 48KB ROM システム ROM BASIC(通常はUMB領域として使用可能)
0xF4000 - 0xFFFFF 48KB ROM システム BIOS

0xE8000 - 0xF3FFFはMS-DOS 6.2のEMM386.EXEでHIGHSCANスイッチを指定したときにUMBメモリとして利用できる範囲で、通常のMS-DOSアプリケーションは問題なく動作します。ただし一部のアプリケーションはROM BASICのルーチンを使用することがあり、それらが動作しなくなることがあります。

以上を踏まえるとCONFIG.SYSでVEM486に次のようにパラメータを指定します。

DEVICE=A:\VEM\VEM486.EXE /U=A5-A7,D0-D7,DE-DF,E8-F3

この時の実行可能プログラムサイズは578KBと変化なし。UMBメモリの総容量は99KBに増えました。まだまだUMBに空きがあるため、UMBに移動できるデバイスドライバを全て移動させた後もUMBメモリが余っている状態であることが予想できます。

○UMBメモリ100KBオーバー

せっかくなのでSCSIボードを取り外してUMBメモリ100KB超えに挑戦してみました。下はMSD.EXE(Microsoft 診断プログラム)で上位メモリのメモリマップを表示したところです。
MSD
日本語入力ドライバ、RAMディスクドライバ、CD-ROMドライバ、MSCDEX、PnPコンフィグレーションマネージャを組み込んだ状態でありながら、これだけのメモリを確保することができました。UMBメモリは68KBも余っています。

○フリーエリア600KBオーバー

前に書いたように、一部のデバイスドライバはUMBメモリに移動できません。そういった類のデバイスドライバはEMSメモリを使用するようになっています。しかしEMSメモリの仕組み上、プログラムの全てをEMSメモリに移すことはできず、幾らかはコンベンショナルメモリを消費することになります。そのため、これ以上CONFIG.SYSの最適化で実行可能プログラムサイズを増やすことはできません。

そこで、コンベンショナルメモリを使用するドライバ(NECAIK1.DRV、NECAIK2.DRV、DWCFGMG.SYS)を外して実行可能プログラムサイズ600KB超えに挑戦してみました。RAMディスクドライバ、CD-ROMドライバ、MSCDEXは組み込んだままです。VEM486は標準設定で組み込んでいます。
MSD

まだまだ続く。PC98のMS-DOSにおいてフリーエリアを極限まで確保する

○コンベンショナルメモリ占有量削減のポイント

  • その時必要なプログラムだけを組み込む → 例えばCD-ROMを使わない時はCD-ROMドライバやMSCDEXの行をREMでコメント化しておく。基本中の基本。
  • HMAを有効にする → MS-DOS実行部のコンベンショナルメモリ使用量を削減。
  • EMSを有効にする → EMSに対応するデバイスドライバ・常駐プログラムはコンベンショナルメモリ使用量を削減できる場合がある。(EMS使用のスイッチが必要な場合がある。例えばMSCDEXの場合は/Eを指定することでバッファをEMSから確保する。)
  • DEVICEHIGH(CONFIG.SYS)、LH(AUTOEXEC.BAT)を使う → UMBに格納可能なデバイスドライバ・常駐プログラムをコンベンショナルメモリからUMBに移動できる。
  • UMBの領域を手動で指定する → 自動で検出する場合よりも多くのUMBメモリを確保できる。ただし、システム構成やハードウェアについて熟知している必要がある。設定を誤ればシステムの不安定化を招く。
  • 拡張ボードのROMアドレスを無効化または変更する → メモリ空間を使用する拡張ボードは必要時以外は取り外すかリソースを切り離す。例えばPC-9801-86のサウンドBIOSを使うソフトウェアは少ないので、普段はそれをディップスイッチで無効にしておく、など。やむを得ずメモリ空間を使用する拡張ボードを使う場合は、可能ならUMBを分断しないようにROMアドレスを変更する。

○関連記事

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FDDインターフェイスのピン割り当て [PC/AT +2]

2011-09-07 19:43:38 | 古いPC関係

IBM PCおよびその互換機のFDDインターフェイスのピン割り当てについて。

○ 各項目共通の説明

  • Pin - ピン番号(特に記載がない限り奇数番号のピンはグラウンド。)
  • Name - 信号名(信号名の前に"-"が付く信号は反転。)
  • Dir - 左をインターフェイス、右をドライブとした信号の向き。
  • Description - 説明

フロッピーディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、ディスケット、はそれぞれ同義で一般名称はフロッピーディスク(FD)。ここでは字数の都合でFDに統一する。

○ 電源ピン配列

FDDの電源ピンは4ピンで、ドライブ側端子の山を上に、差し込み口を奥にした場合、5.25インチFDDは左から+5V,GND,GND,+12V、3.5インチFDDはその逆になっている。通常、ケーブル側は+12Vが黄色、+5Vが赤色に着色されている。端子は5.25インチFDDの場合は「Molex」や「ペリフェラル」、3.5インチFDDの場合は「Berg」や「FDD電源」と呼ばれる端子が使われている。初期の製品を除き3.5インチFDDでは+12Vを使用しないため、システムによっては12Vが結線されていないことがある。
Image: FDD power connector

○信号ピン配列(インターフェイスおよびドライブ側)

5.25インチFDD接続用端子(34ピンカードエッジ)
2, 4, 6,..., 34
5.25-inch FDD connector(34 pin cardedge)
1, 3, 5,..., 33

3.5インチFDD接続用端子(34ピン端子オス)
2, 4, 6,..., 34
3.5-inch FDD connector(34 pin IDC)
1, 3, 5,..., 33

○ 接続方法について

5.25インチ、3.5インチFDDケーブルの接続方法 [PC/AT +4]

○ IBM PCおよびPC/XT用 5-1/4" Diskette Drive Adaputer インターフェイス側(34ピンカードエッジ)

IBM純正FDアダプターは制御ICとしてPC98と同じ"NEC μPD765"やその互換品"Intel 8272"を採用していた。後のPS/2でも"Intel 82077AA"などを搭載してソフトウェアの互換性を確保している。
初代IBM PC用Diskette Drive Adapterのみ、外付けでドライブを2台増設することで内蔵ドライブと併せて最大4台まで使用できる。
こちらにアダプターの写真が掲載されている。

Pin Name Dir Description
2 n/c - Reserved
4 n/c - Reserved
6 n/c - Reserved
8 -INDEX Index
10 -MOTA Motor Enable A
12 -DSB Drive Select B
14 -DSA Drive Select A
16 -MOTB Motor Enable B
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 n/c - Reserved

※Pin 10-16のケーブルのひねりについて

Pin 10-16はケーブルの中間にある端子(ドライブB用)と末端にある端子(ドライブA用)の間で捻転している。
そのためどちらの端子につなぐ場合でも、ドライブ側は2台目(DS1)に設定すればよい。
この仕様は後継機やIBM互換機にも引き継がれている。

Pin インターフェイス側 = 端子B X 端子A ][ ドライブ側
10 Motor Enable A = -MOTA X -MOTB ][ (-DS0)
12 Drive Select B -DSB -DSA -DS1
14 Drive Select A -DSA -DSB (-DS2)
16 Motor Enable B -MOTB -MOTA -MOTOR

○IBM PC 5.25インチ2DFDD ドライブ側(34ピンカードエッジ)

Pin Name Dir Description
2 n/c - Reserved
4 n/c - Reserved
6 -DS3 (Drive Select 3)
8 -INDEX Index
10 -DS0 (Drive Select 0)
12 -DS1 Drive Select 1
14 -DS2 (Drive Select 2)
16 -MOTER Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 n/c - Reserved

前述のケーブルの捻転によりPin 6(DS3), 10(DS0), 14(DS2)はIBM PC系では使用しない。
つまりドライブ選択にはPin 12(DS1)と16(MOTER)だけを用いる。

○ IBM PC/AT Fixed Disk and Diskette Adapter インターフェイス側(34ピン端子オス)

IBM PC/ATの固定ディスクおよび5.25インチ2HCFDD用インターフェース。
IBM互換機の3.5インチ2DD/2HD(/2ED)FDDのインターフェイス側ピン割り当てとしても標準的に使われている。

Pin Name Dir Description
2 -DEN High Density Select
4 n/c - Reserved
6 n/c - Reserved
8 -INDEX Index
10 -MOTA Motor Enable A
12 -DSB Drive Select B
14 -DSA Drive Select A
16 -MOTB Motor Enable B
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready
5 KEY x Key

Pin 5は逆挿し防止のためピンがなく、ケーブル側ではPin 5の穴が埋められている。
互換機の中にはPin 3がKEYになっていることがあり問題になった。やがて穴埋めがないケーブルが一般的になり、インターフェイス側端子のピン欠けは意味を成さなくなった。

○ IBM PC/AT 5.25インチ2HC FDD ドライブ側(34ピンカードエッジ)

3.5インチ2モードFDDのドライブ側ピン割り当てとしても標準的に使われている。

Pin Name Dir Description
2 -DEN High Density Select
4 n/c - Reserved
6 -DS3 (Drive Select 3)
8 -INDEX Index
10 -DS0 (Drive Select 0)
12 -DS1 Drive Select 1
14 -DS2 (Drive Select 2)
16 -MOTER Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready

○ IBM PS/2 3.5インチFDD ドライブ側(34ピン端子オス)

Personal System/2は増設用FDDの着脱を容易にするために40ピンカードエッジを採用した機種が存在する。
6ピン増えたのは電源供給のピンを含んだためだが、それを従来と同じ34ピン端子に統合したのがこれ。
しかし電源供給やドライブ種別検出のためのピン(Pin 3,4,6)は互換機では一般化しなかった。

Pin Name Dir Description
2 -DEN High Density Select
4 DTID1 Drive Type ID 1
6 +12V +12V DC
8 -INDEX Index
10 n/c - Reserved
12 -DS Drive Select
14 n/c - Reserved
16 -MOTOR Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready
3 +5V +5V DC

"Drive Type ID 1"は5.25インチFDDと3.5インチFDDの判別に用いる。

○ IBM互換機用 3.5インチ3モードFDD ドライブ側(34ピン端子オス)

標準的な720KB/1.44MBフォーマット(300rpm)に加え、日本国内でよく使われた3.5インチ1.2MBフォーマット(360rpm)に対応するFDDのピン割り当て。
TEAC FD-235HGの製品仕様書を元に改変。

Pin Name Dir Description
2 -MODE * Mode Select/Density
4 n/c - Reserved
6 n/c - Reserved
8 -INDEX Index
10 n/c - Reserved
12 -DS1 Drive Select 1
14 n/c - Reserved
16 -MOTER Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready
1 n/c - n/c
3 KEY x Key
5 n/c - n/c

Pin 2は2HDディスクの1.2MB/1.44MB切り替えに用いる。2DD/2HD切り替えはドライブ側でディスクのHD検出穴から判断する。詳細は下表のとおり。
Pin 3は逆挿し防止のためピンが存在しない。

Pin Dir Signal H/L 2DD FD 2HD FD
2 2HD Density Select High Read OK 1.44MB(2.0MB)
Low Read Error 1.2MB(1.6MB)
2DD/2HD Density Mode High Low

ちなみに世界的には"3モード対応"とはFDDコントローラーが720KB/1.44MBフォーマットに加え2.88MBフォーマット(データ転送レート1Mbit/s)に対応していることを表し、大抵の場合2モードと同じピン割り当てを用いる。日本国内では720KB/1.44MB /2.88MBと720KB/1.20MB/1.44MBの両方が"3モード対応"と呼ばれて混同しているため注意を要する。
日本IBMでは720KB/1.20MB/1.44MB/2.88MB対応ドライブを"4モード対応3.5型FDD"と呼んでいた。

○ IBM互換機用 3.5インチ3モードスリムFDD ドライブ側(26ピンFFC(フレキシブルフラットケーブル)接続端子)

主にラップトップPC、ノートPCで使われた12.7mm(0.5インチ)高の3モードFDDの1x26ピン端子。
Y-E DATA YD-702J-6637Jの製品仕様書を元に改変。

Pin Name Dir Description
1 +5V +5V DC
2 -INDEX Index
3 +5V +5V DC
4 -DS Drive Select
5 +5V +5V DC
6 -DSKCHG Disk Change
7 n/c - n/c
8 -RDY Ready
9 HD OUT Density
10 -MOTOR Motor On
11 n/c - n/c
12 -DIR Direction
13 -MODE Mode Select
14 -STEP Step
16 -WDATA Write Data
18 -WGATE Write Enable
20 -TRK00 Track 0
21 n/c - n/c
22 -WPT Write Protect
24 -RDATA Read Data
26 -SIDE1 Head Select

Pin 13の仕様は上の34ピン端子3モードドライブのPin 2と同じ。2モードドライブではこのピンが未接続(n/c)になる。
Pin 9は34ピン端子のドライブとは極性が逆で、2HDディスクの時にHighになる。


5.25インチ・3.5インチFDDのピン割り当て

2011-09-07 19:43:38 | 古いPC関係

こちらのページに移動しました。

FDDインターフェイスのピン割り当て [PC/AT +2]
http://blog.goo.ne.jp/limited_terra/e/3e0119653a99199f3d669c20a2ff017d