高齢者情報技術問題研究所

高齢者等のITに関する環境問題

ハードディスクご臨終

2008-06-30 | Weblog
パソコントラブルの電話。
ノートパソコンを起動するとメーカーのロゴの次に
ハードディスク
CD
フロッピーの何所から起動するか聞いてきて
ハードを選択するとそのまま停止して動かない。
おそらく、ハードディスクのクラッシュか。

リカバリーを試してみようかとマニュアルを見たら
最近、流行のハードディスク内からリカバーリーするタイプ。
またか・・・。と思いつつ・・・
「リカバリーCDは作ってありますか?」聞いたら
「???」
やっぱりね・・・・。

このごろは、ほとんどがこのタイプ。
便利そうで、ハードディスクが物理的にお陀仏だったら
どのパーテーション(CドライブとかDドライブとかその他とか)
に入れて置いてもしょうがないのだが・・・・。
金庫が開かなくなった時の金庫の中のスペアキー
みたいなものである。

ウィンドーズのヘルプやトラブルシューティングも同じ事。
ネットからリカバリーなんてのもあるらしい
(まだお目にかかった事はない)がウィンドーズが起動しなければ
ネットにもつなげない。

いまの所、一度もハードディスクからのリカバリーをやれた事は無い。
Dドライブのバックアップもあまり意味が無いように思う。

実際には、一個のハードディスクを
便宜上、CドライブとDドライブに分けただけの事である。
箱の中に地球独楽の姉さんみたいな物が入っていて回っている。
回転していれば、いずれは軸受けだって磨耗して減る。回転にぶれが出る。
データーが読めなくなる。ごくあたり前の事である。

今までに、2回ほどDドライブのデーターのバックアップで救われた
事があるが確率から言うと無用の長物、ただの気休めである。

と感じるのは、私があちこちのパソコンと仕事がらお付き合いしているからで
依頼者サイドでは、数年に一度位のトラブルなのだが・・・・。
だからと言って当の依頼者には、個人データーが消えて無くなるのは、大変な事である。

くれぐれも、バックアップをお忘れなく。

パソコン買ったらリカバリーCDを作ろう!!
CDで6枚位(制作するのに3時間位)、DVDで1枚(1時間位)が各社の平均。

右耳が聞こえない

2008-06-29 | Weblog
以前、右脳と左脳の話を書いた。

パソコンを教える時は、生徒さんの右側に座るようにしている。
マウスが右側(右利きの場合)にあると言う事もあるが説明の言葉が右の耳に入るようにしている。

右の耳から入った音は、左脳に伝わる。
左脳は、論理的思考をつかさどる。
左の耳から入った音は、右脳に伝わり
こちらは、情緒的思考をつかさどっている。

と言う事で、あるご婦人の右側に座って講習しようとしても
絶対座らせてもらえない状況が一年あまり続いた。

やむなく左がわから講習していたのだが、最近になってご家族から
右の耳が聞こえてないのだと言う事を知らされた。

しかも、その事を他人に知られるのを嫌がられていると言う。

最初に聞いていればね・・・・と思いつつも、
個人の感情の問題でありプライバシーでもあるので、
知らないふりをして講習を続けている。

オフィス2007

2008-06-27 | Weblog
実際に高齢者の方に講習していて、大変な事になっていると感じるのが、大幅に変更されたオフィス2007である。

ワードもエクセルも以前の2003までとはインターフェースが全く変更されてしまった。

わかっている者にとっては使いやすい機能が増えたと思うのだが・・・高齢者の方には、難しい問題を増やしてしまったにすぎない。

ほとんどのメニューをタブ形式(リボンとか呼んでいるようだが)にしてしまった結果、どのタブに何の機能が入っているのか理解していないと、すべてのタブを押して探し回るはめになってしまう。

右クリック(実際にはとても便利なっていると思う)やクイックアクセスツールバーなどがあるのだが毎回、出る場所や内容の変わるメニュー内容を理解してもらうのは困難な場合が多い。

要するに、すべてのボタンが見渡せて、場所が固定される事が重要なのである。

高齢者の方は、反復練習して場所や形で覚えているのである。
ワンアクション(ワンクリック)が重要で、ツウアクションは障壁になる事を開発者は理解して頂きたい。

今後、増えていくであろうオフィス2007の講習を思うと気が重くなる。

多くの企業がVISTやオフィス2007への移行を渋っているのは、旧データー&ソフトとの互換性の問題等による仕事の効率の低下(何かするたびにトラブルが発生する)
を嫌っているからである。

得意先とのトラブルもしょっちゅう起こっている。
添付書類が開かない。電話で確認して、保存し直してから再送信。
二度手間、三度手間で仕事がシームレスに運ばない。

しかし、XPや2000で十分機能しているから減価償却するまでこのまま行こうと言う事なのだ。リスクを最大限回避する単純な選択である。

6月10日で一般ユーザー向けのXP搭載機の販売は打ち切りになったのだが、法人向けは、まだ継続されるらしい。

あきれたマイクロソフト

2008-06-21 | Weblog
新しく購入したデスクトップにオフィスの2007をインストールしたいとの事。
早速、お伺いしてインストール。プロダクトキーを入れて完了した。

ソフトを起動すると、認証を要求して来たのでインターネット経由を選択。
すると、インストールの規定回数を超えているので使えない、
電話サポートに聞けと言って来る。

やむなく、電話して見ると、以前使っていたノートパソコンのバンドルソフトだから、そのノートパソコン以外では使用できないと言う。
ノートパソコンがクラッシュ廃棄したから新しいデスクトップで使いたいのだが、それは出来ないと言う。著作権の問題等で使いまわしされてはかなわないと言う事なのだろうが・・・それを防止するための認証なのではないか?。

バンドルと言え、消費者はそのソフトに金を払っているのだから、そのソフトを使用する権利を有するわけだし、二台同時に使うわけではないのだから、このやり方には、無理があるのではないか?

問題は、バンドルソフトの販売の仕方である。
電気店では、店員が
「こちらなら、最初からオフィスソフトも入っています。バンドルの方が、単独で買うよりお得です。」
と販売している。けして、買い換えた時に移行できませんとは説明していない。

移行出来ないなら、単独のソフトを買っておいたほうが安上がりである。

それなら、販売時点での説明を徹底する責任がマイクロソフトにはある。
初心者や高齢者には優しくないシステムである。

しかも、ウィンドーズ7(開発コードネーム)と言うOSを来年あたりに発売すると言っている。ビスタの評判が悪いので、次期OSに入れ替えようとしているらしい。

ビスタもウィンドーズMeのように短命で終わるのではないか?
そんな、物をつかまされる消費者はたまった物ではない。









認知症

2008-06-19 | Weblog
認知症が始まっている高齢者の方にPCを教えている。

ローマ字入力が出来ていた方なのだが・・・キーボードを見ながら文字を入力、画面に目をやり、入力した文字を確認してキーボードに視点を戻すと、一瞬のうちに「あいうえお」の頭に切り替わってかな入力を始めてしまう。

ローマ字入力に設定されているのだから当然画面には意味不明の文字が並ぶ。
ご本人は、画面を見つめてフリーズしておられる。

ノートパソコンなのでアルファベットだけのキーボードに交換する事も出来ない。

やむなくキーボードと同じ色のシールを細かく切って、ひらかなの文字の上からピンセットを使って一文字づつ貼り付けて消していった。

その日の講習時間の大半をこの作業に費やして完成。

結果は良好。
目に入る情報の選択肢が無くなる事でスムーズにローマ字入力をされている。

パソコンの場合、使用する人の個性?(使いやすい環境は人によって様々)に対応できるように、色々カスタマイズできたり、同じ作業をするにもやり方が複数用意されている。

カスタマイズできるのは良い事なのだが、その設定をロックできるようにしてほしい。

しかし、この自由度が高齢者の方には、障害になる場合が多い。
教えている時、同じ作業をするのに
「こんなやり方やあんなやり方もあります。」と複数教えてしまうと混乱が始まる。

高齢者の方は、年齢とともに当然の事として、物忘れが多くなる。
これは、致し方の無い事である。

単なる物忘れと認知症は違うのだが、この兆候が顕著になって来た時に
一番不安になっているのは、ご本人である。

スケジュール管理が出来なくなって来て、社会生活に支障をきたしている事に
不安になりカレンダーに必死にメモし、終了した項目にチェックを入れ、
終わった日付に斜線を引いてなんとかカバーしようと努力されている。

しかし、やがて、そのチェックを入れる事さえ忘れてしまう。
メモした事さえ忘れていく恐怖と戦っておられる。

その事が恥ずかしくて人に知られたく無いとも思っておられる。

私達のなにげない一言で高齢者の方を傷つけたり、
恐怖のどん底に陥れたりする事を理解して頂きたい。

高齢者社会が加速するなかで、
パソコンのインストラクターの方々も従来の指導の仕方ではなく、
高齢者対応の指導方法を確立して対応して行く時期に来ている。
せめて、介護の体験学習位は受けて頂きたい。

少しは、高齢者の方々の気持ちが理解できるようになると思う。