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赤嶺を使う東京の弱点~東京-清水戦

2008年10月04日 | FC東京&サッカー
中断明け、東京が全然勝てなかった頃、FWのスタメンは赤嶺でなく平山でした。
結果は出ず、城福監督はシステムを変更。
赤嶺トップ、カボレ左サイド、エメルソン右サイドの4-3-3にしてから、内容は上向き。
清水戦を迎えるまで5連勝。

で、東京-清水戦。1-5の圧敗
見事に東京の弱点を突かれ、東京のストロングポイントを回避するサッカーをされました。完敗でした。
ピッチに出れば戦うのは選手ですが、敗因はピッチ外にもあると思いました。

東京の弱点は、赤嶺がゲームの組み立てには参加していないこと。
赤嶺は、現在11得点で日本人得点王。決定率33%は、ランキングに名を連ねている選手ではトップ。
しかし、シュート数は33本。26試合で33本だから、1試合平均2本に達していません
また、逆転勝ちした前節札幌戦、シュート数1本。
印象としては、札幌FWアンデルソンの方が脅威だったと思います。
1試合にシュート1本しか打っていないFWは、相手DFにとって脅威でしょうか?
トップに位置しながら、ポストにもなっていません。
相手チームからすれば、赤嶺自体よりも、東京の決定機を演出する選手の方が怖いと思います。

多分、東京の弱点には、城福監督も気付いていたと思います。
気付いていたからこそ、中断明け、赤嶺でなく平山をスタメンで使ったはず。
それでも、カボレ左サイドの布陣で先制点を取れれば、ゲームの組み立てでなく、カウンターを中心にゲームを進めればいいので、弱点をクローズアップせずに進められます。
更に今日の試合、東京にとって不運だったのは、ナオを先発させて、かつ、先制されたこと
原東京の頃、前線に張り付くナオが、何も仕事出来ない様を何度見たことだろう。
今日も、少し下がり目に位置取って、ボールを動かすプレー(エメルソン、羽生の代役)が出来れば良かったけど、原東京の頃のナオに終始していました。
先制されていなければ、後半、清水が前に出てきたところで、スペースが出来たかもしれません。

赤嶺、ナオがゲームの組み立てに参加しておらず、清水は、必然的にカボレ、梶山を抑えればいいことになります。
しかも、4バックの清水に対し、3トップではスペースがありません。システムの相性としても清水が守り易かったと思います。
前半、清水の中盤の厚さは、東京の中盤を遥かに凌駕していました。
カボレ、梶山、今野でボールを回しているけど、清水からすれば半分から左に人をかければよく、中盤で面白いようにボールを奪っていました。
一方、東京のストロングポイントは、フラット4-4-2でブロックを作る固い守備
清水はボールを奪うと、前線の岡崎、原にボールを当てて、こぼれを拾うということを繰り返します。フラット4-4-2をまともに相手しない、かつ、東京の3ラインを間延びさせる作戦
東京の最終ラインは徐々に下がり、中盤の「4」と距離が出来た時に、ミドルシュートを打つ。これで、東京の守備はかなり混乱しました。
付け加えると、清水の攻め方は、対人で強さを見せる今野も相手にしていません
今までのフラット4-4-2では、浅利のフォローにエメルソンが回ることが多いけど、これはスペースを埋める守り方。
今野はスペースを埋める点で、エメルソンより効いていなかったように思いました。
清水山本真のミドルシュートからの得点は、はっきり言って事故(事故だけど、枝村、山本真と強烈なミドルシュートを打てる選手が揃っているので、清水としてはプラン通りと思う)。
前半0-1で凌げば、清水の戦術に対抗する手段を編み出せると思ったけど、0-3になりゲームが決まってしまいました。

後半、浅利→エメルソン、ナオ→大竹は、妥当な交代。システムもボックス4-4-2へ変更。
中盤でボールを動かさないと、話になりません。
ただ、城福監督的には、今野とナオを交代させたかったかもしれません。
フラット4-4-2の中心で、ボールを回すという点においては、浅利の方が今は上だと思います。
ボールが動くようになり、1点を返しましたが、これは清水も折り込み済みだったと思います。
東京が良くやる「しっかり受け止めて相手の疲れを待って徐々に反撃」というもの。
1点を返した頃、カボレがガス欠になり、梶山のパスがカットされるようになると、集中力が切れてきます。
結局、後半のスコアでも1-2で負けており、完敗でした。

余談ですが、清水は、交代の戸田が運動量で前線をかき回し、シュートを決めています。
清水の選手になると、戸田までうまく見えてくるから不思議です。

川崎戦で、東京の完勝と書きましたが、私の完勝/完敗の判断は、スコアはあまり依存していません。
「相手に勝つための戦術」「戦術の遂行度」「交代カードの有効性」の3つの要素
川崎-東京戦は、川崎の中央志向の攻めに対する守備方針が確立されていて、それが完遂されており、かつ、交代カードも東京の方が適切だというところから、完勝と書きました。
この試合では「相手に勝つ戦術」で、清水が圧倒的な差をつけていたと思います。
少なくともこの3要素で、東京が勝っていた点はありません。

先発がナオでなく、エメルソンだったら、ちょっとは違っていたのかなぁ~
うーん。次の大分戦で、東京の真価が問われますね。

<追記>
大分はトップの選手にロングボールを入れて、そこからオーバーラップしたサイドにボールを出すという「守備戦術」(※)をします。
今日の清水の戦術に近いので、対策が注目されます。
もっとも、大分が3バックを通すなら、変更しなくてもよいとも言えますが。

※相手ゴールに近い「サイド」でボールを動かし、ボールを奪われる位置を自ゴールから一番遠いところ(最前線の選手がボールを奪われる)にする。
相手ボールになった時、大分はボールを奪われた選手以外の9人が、ボールに当たりに行く。
ボールを奪われることも折り込み済みの攻撃/守備一体型の戦術。
#スカパー「アフターゲームショー」、野之村さんの技術委員会のコーナーより。

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