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市立船橋と国見、FC東京とジェフ千葉

2005年10月08日 | FC東京&サッカー
一昨年録画した2002年度高校サッカー決勝、市立船橋-国見を見た。
当時はFC東京のサポもサッカー観戦もしていなかった。システム的な話も分からなかったが、国見の素早いプレスと体力は、J2札幌より強いのではないかと思っていた

今回改めて見ると市立船橋と国見には以下のような特徴があった。
<市立船橋>
・中盤がダイヤモンド型の4-4-2。ゾーンデフェンス。
・ボールを持った相手には2人でプレスに行く。
・2トップの一角であるカレンは決定力があるが、切り込み隊長として相手DFを引き付ける方に比重が置かれている。
FW以外の選手の得点が多い
・サイドアタック重視。

<国見>
・3-5-2。マンツーマンデフェンス。CB以外はぴったり相手に張り付く。
・ボールを持った相手には1人でプレスに行く。基本は1対1。
・ダブルボランチの一方は相手エースへマンマーク(すっぽんマークと解説されていた)。
・ダブルボランチのもう一方はFW登録の選手が行っている。
・DFは4人いるが1人はサイドハーフで3バック。
・ボールを獲ったら、サイドハーフ、トップ下らボールをつなぎ中央のFW(平山)に合わせる。
・得点の大半は前線の選手であげている。
マンマークに絶対の自信を持ち、シュートされる機会が少ない。
などなど・・・

市立船橋の布監督は現在でこそカリスマ監督だが、過去国見に0-5でボロボロにされたことがあり、守備には特別なこだわりがあるそうだ。
守備の大切さを痛感し、敗れた翌日から国見サッカーの研究を始める。サッカー指導者の飲み会があれば積極的に参加する。しかしその飲み会で、国見の小嶺監督がいてもそばには近寄れず、酒が入った二次会でようやく口を開くことが出来たというエピソードもあるそうだ。
そうやって確立された市立船橋のゾーンデフェンスは、傑出したタレント相手にも崩されないことを主眼においた、布監督の努力と渾身の指導の賜物である。しかし、裏を返せば個人技と1対1では自信がないと言っているようなものである。

また市立船橋の特徴を列挙するとあることに気づく。FC東京に酷似しているのだ。システムの違いこそあれど、FWのゴールが少ないところはそっくりだ
組織的な守備はチーム全体の約束事が多く、レギュラーが欠けたとき合わせるのが難しい。ベストメンバーなら簡単には破られない。しかし破綻したときは修正が難しい。FC東京はまさにこの苦しみを味わっている。

一方国見の、1対1で競り勝ち、前線に停滞なくボールを配球する様はジェフ千葉に酷似している。
国見の攻撃は華麗な連携プレーの賜物のようだが、数点のポイント以外は個人の能力に依存している。酷似しているジェフ千葉の場合、攻撃では1対1を仕掛けない、サイドアタックでクロスを上げる際DFに寄られても切り返してはいけない等。
これはチームの目指す攻撃を行う上でのポイントであり、個人のスキルに反映されるものだ。
またジェフ千葉はレギュラーが大量移籍したにもかかわらず、今年は前年以上の活躍を見せている。戦術を遂行出来る人材を育成できれば、チームの再構築には多くの時間を必要としないのかもしれない。

ふと思ったのだが、組織重視/チーム成熟度重視の市立船橋と、個人スキル/戦術遂行度重視との国見では、Jクラブに入団した選手の活躍度に差が出てくるような気がする。国見OBで活躍した選手(大久保、徳永、平山など)は多いが、市立船橋OBで活躍した選手はあまり浮かばない。
個人スキル重視のスタイルが、J入団時までに一定のスキルの確保し、J入団以降の組織戦術の理解という伸びしろを残しているのかもしれない。
国見の小嶺監督は高校卒業後の可能性まで念頭において国見スタイルを確立したのだろうか?だとしたらまさに「神」である。

市立船橋タイプのFC東京と国見タイプのジェフ千葉はどちらも強いチームであることには変わりない(FC東京も特徴を持った強いチームである。デフェンスはJ屈指。パッとしないだけである)。
FC東京が市立船橋と異なり冴えないのは、実はチーム成熟度にかける時間が足りないと思っている。2004年のナビスコ優勝から2005年は勝負の年になるはずだったが、更なる高みを目指しケリーというトップ下を切った後、自慢の攻撃もめっきり湿り、若い選手がスタメンに名を連ねるようになった。DF茂庭は「今年はチームの変遷期と考えている」とコメントしている。

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