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今週の一番『魔法先生ネギま!』長い長い相克の物語の結晶点

2011年03月26日 | マンガ
【3月第2週:範馬刃牙 第247話 ジャンケン】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10502.html#680
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



「第三次世界大戦がどのように戦われるかは分からない。
 だが、第四次世界大戦が戦われる方法は知っている。それは棒きれと石でだ」


今回、『魔法先生ネギま!』(作・赤松健)について記事を書こうと思っていたら、(↑)上のフレーズを思い出しました。これ、アインシュタインの言葉なんですが、とある映画で誤用されていて、それが妙に印象に残っているんですよね。それでこの言葉のそのままの意図じゃなくって、その映画で使われたフレーズとして、この言葉を想起しました。あっと『魔法先生ネギま!』は31人の女生徒に囲まれた子供先生・ネギくんが、世界を救う冒険に乗り出して行く物語…でしょうか。

さて、その映画とは…?なんですが………すみません。どうしてもタイトルが思い出せません!(`・ω・´)…なんかね。東西冷戦時代の東欧の、どこかの国境の話だったと思うんですけどね。“西側”と“東側”にそれぞれ切れ者の指揮官が居て、それが、何かの事件をきっかけに互いの師団を駆使して、ものすごい心理戦をはじめるんです。機甲師団を運用する『眼下の敵』とでも言うか……それが、その内あわや全面戦争か?みたいな危機に変じていくんですが、最終的にはそこには到らず、決着をつけずに終わった二人の指揮官は雪原を渡って互いの足で歩み寄り、最後に殴り合いをしてダブルKOで終わります。…かなり、うろ覚えなんて色々違っているかもしれませんが、ラストシーンが雪原の殴り合いというのは間違い無いです。

そしてそのラストの最後に掲げられる言葉が(↑)上のこの言葉です。おそらくアインシュタインは、第三次世界大戦が全面核戦争になるならば、人類からは文明は失われてしまう(戦争などは棒と石からやり直し)、といった意図でこれを述べたと想像されます。しかし、この“とある映画”は、その引用の仕方が全然違うwその映画は「心理戦、駆け引きの近代戦をやるだけやったら、またシンプルな殴り合いに戻るさ!」というかw戦争の原点回帰のようなものを謳っているんですよねw
アインシュタインもいい面の皮にされていますがw僕はけっこうこのテーマは好きで。…ほら、僕のうろ覚えの映画の話でピンとこないなら、『天と地と』(1999年公開、監督・角川春樹)なんてどうですかね?川中島の合戦で五度に渡る合戦をやった上杉謙信と武田信玄が、かなりスポーツマンシップのような戦いの終わり方をして行きますよね。あれが、引き分けに納得できない、謙信と信玄が互いに単騎で殴り合いにいったら……って、最近、そんなゲームとかアニメとかを観た気がするなあ!?(`・ω・´)

…話がちょっとあらぬ方向に向かっているので、引き戻って『ネギま!』ですが、今のネギ対フェイトの文字通り何かを決める闘い~決闘~にそれを感じるんですよね。USTREAMのラジオでGiGiさんなんかが「決戦なのに平常運転感」みたいな事を言っていて。複雑な魔法世界の謎に挑み解決して行こうとする戦いの果てに、ただの「根性ある方が勝ちな!」ていうケンカが在ったというか…。
言い方を変えると「覚悟を決めた者同士がその覚悟した道を変えるとしたらこれしかない」という描きなんですよね。



それも、ただ、そこだけが静かに描かれているわけではなくって、ネギとフェイトの周りでは彼らを信じるものたちが、強く戦いを続けている。この週の調さんの意地を見せた戦いはすごく良かったですし~フェイトを囲む女の子たちが、一様に不幸な生い立ちを持っていてそれをフェイトに拾われているって事は既に描かれていますね~、(↓)以前の記事で取り上げましたが、夏実の小さな勇気の話も本当に良かったです。

今週の一番『魔法先生ネギま!』夏実に宿る勇気



そういう“嵐”の中で、その頂点に位置するこの二人の戦いは無風の感というか……丁度、台風の目のような静かさを持っていて、その静かさは周りの盛り上げで強調されている。
ネギとフェイトのこの決闘は「…熱い!」という言葉が、僕からはどうも出てこない。代わりにどうしても「静かだ」という言葉が出てきます。覚悟をした者同士が交差して止揚の時を迎えている。それを僕は静かに感じていという事でしょう。

今週の一番付記「魔法先生ネギま!」情報圧縮して描かれる先の物語



ははははははは 私を倒すか人間それもよかろうッ
私を倒し英雄となれ 羊達の慰めともなろう だがゆめ忘れるな
全てを満たす解はない いずれ彼等にも絶望の帳が下りる

貴様も例外ではない


このシーンほんと好きで、何回も引っ張り出してしまうんですが…(汗)このシーンは「…熱い!」のですよね。でも、ナギも「しぶてぇ奴だぜ!」とか言って。お互いがお互いの話を聞いちゃいないんですよね。今のネギvsフェイトは、このシーンの対比だと思います。交わる事がなかった「長い長い相克の物語」が、今、交わろうとしている。この物語、すごい所まで来たなあ…(感動)



「静か、静か」という言葉を繰り返していましたが、ネギvsフェイトの“バトルの描き”そのものは、また、強烈に熱いです!(`・ω・´)(←)え?何か矛盾した事言っています?wうん、でもやはりこのフェーズ(場面)は、どうやってフェイトに勝つか?という所に主眼が置かれていないので、バトルのギミックそのものはどこか一歩離れた所に置かれている…その面で「静か」という言葉が出てくる。
しかし、じゃあその一歩離れたバトルのギミックをどう描いているか?を観て行くと、これが「熱い!」と、そんな感じでしょうか。解説を必要最小限まで排して描かれるバトルとか超僕好みなんですよ!wフェイトの“千刃黒耀剣”をネギくんがかわすシーンとか“無音”ですからねw「千刃をどうやってかわすか?」じゃなくって「かわせるからかわすだけ」という、その描き!w直後にフェイトが繰り出す「万象貫く黒杭の円環」に先じて一撃を加えるなど、バトルとしても本当にすごい領域のマンガになっています。

※うろ覚えの映画の件ですが、哲学さんから教えてもらいました。ロイ・シャイダー主演の『対決』(1989年公開)ですね。これです、これ!wまあ、うろ覚えなんで、ストーリーは違っているかもですが…(汗)


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