波間に漂うクラゲのように

a person with no definite ideas.

ひとり

2010-02-24 | Weblog
彼女の友人夫婦に会った。
奥さんが運転する車が、見知らぬまちを走り出す。

途端、国の言葉が滝のように場を満たす。
主に、彼女と友人の旦那さんが発する言葉。
ぼくには馴染みが薄い言葉。
聞き取れはするけれど、内容が地元の話ばかりなので、ぼくには分からない。
奥さんの方も、言葉少なに相づちを打っている。
分からないなりに推測して話を聞いてはみるけれど、国言葉の勢いもあってうまくいかない。

話が一区切りしたのを気に会話を試みるけれど、人見知りをする性質らしく、返事がない。

話題がまた変わった。
世間話みたいだけれど、“あれ”とか“この間の”なんて言葉ばかりで、やっぱり良く分からない。

彼女の横顔を見ながらぼくは、今まで彼女たちはこうやって過ごして来たんだなぁと思う。
他に思うことも出来ることもないぼくは、ただ、見知らぬまちが流れていく様を見ていた。