野ブタ。をプロデュース ４

『恋の告白作戦』
隅田川高校では、11月4日を１１４の日として全校生徒の前で好きな人に告白するというイベントがある。彰はプロデュースの一つとして、その日に修二が信子に告白をすることを提案するが修二によって却下される。
そして、偶然修二の誕生日を知った信子は彰と共に修二のプレゼントを考える。
翌日、バンドーによって信子が１１４の日に修二に告白をする申し込みをされてしまう。

どんどん魅力的な三人になっていっている。

いつものように仮面をつけた修二の一日から始まる。
みんなに注目され、誰もがうらやむ高校生活を送ることを嫌でも演じれる修二がいる。
誕生日を誰にも教えないというのは、演じる機会を一つでも減らしたいという気持ちの現れではなかろうか。
しかしそんな気持ちを信子は理解できなかったのと、ただ単純に祝ってあげたいという気持ちから形の残らないケーキをプレゼントする。
プレゼントというと恩着せがましいイメージがあった修二だが、そんな二人のプレゼントに何か感じるものがあったようだ。

修二はある意味人間不信である面を持っている。クラスメイトにも、彼女であるまり子にも、人気者の自分しか見せることが出来ない。
そういう自分に今まで満足していたが、信子と彰の存在によって疑問を持ち徐々にだが変わろうと意志も見られる。
１１４の日に修二が信子に告白するという彰の案を聞いたときは、ビルの崩壊のイメージしか持たなかったのに、最後には花にたどるまであみだくじをし続ける。
それは彰から殴られることを恐れたということではなく、その先の三人の関係が崩れることを恐れたからだ。
改めて考えると、飄々と舞台に上がっていた修二の姿が逆に頼もしい。

今回光っていたのが彰であろう。
前回より信子のよき理解者である彼だが、回を重ねるごとに彼のおちゃらけた姿の裏の面が出てきて、何ともいい味を出している。
誰よりも修二の仮面にいち早く気づく鋭い洞察力によって、修二と信子をプロデュースする発案者である。彼によって二人に与える影響は大きいものになりそうだ。
そして今回、日ごろ信子をいじめているバンドーを助けてあげる優しさとバンドーの彼氏を軽くあしらう強さを持っている。
そんな彼が信子を好きだと認識してしまった今回。
私としては、彰と信子が是非うまくいって欲しいと感じるのだが、どうなるのか今後に期待しよう。

そしてプロデュースされる信子だが、今回も本人の力でしっかりと立ち上がっていった。
修二の気持ちを理解して水をかぶる覚悟をしつつも、バンドーとの関係を見直す機会にした信子は、少しずつ変わろうという意志が見られる。
我慢する強さを、行動に移すパワーに変えれるようになったようだ。
これも彰の野ブタパワー注入のおかげかもしれない(笑)
彼女自身の力でクラスメイトたちさえも変えていくミラクルを、これからもっと見たいものだ。

今回の野ブタ。プロデュースの手帳は、なかなか粋な使い方だった。
このドラマは毎回小道具による演出が巧みだが、今回の手帳もまたしかり。
本当おじさんを絡ませながら、それぞれの手帳が入れ替わることによってお互いの気持ちを覗き見たような感覚が素敵だった。
彰→信子の手帳、信子→修二の手帳、修二→彰の手帳という運びで、ブタのパラパラがパワー注入している姿に、花にいたるまでの何個ものあみだくじ、そして文化祭のときの写真という展開はお見事。

回を重ねるごとに三人がどんどん魅力的になっていき、物語の展開もしっかりとしてきている。
物語に散りばめられた軽さも伏線になる要素も含んでおり、三人の変化を一つのテーマにしているドラマになってきた。
最終回までに彼らがどのようになるのか、そして今だ存在が明らかにならない女生徒がどういう影響をもたらすのか楽しみである。