いま、会いにゆきます ９

今回は別れを認識した話。

澪と巧は、お互いの気持ちが近づいたことで幸せを感じていた。そんなとき、澪は倉庫に隠してある自分の作った絵本を見つける。
内容を読んで、その中の「宝」が気になった澪は、佑司に聞いて森へ行きタイムカプセルを持って帰る。
家に帰ってタイムカプセルを開けてみると、色々なものが入っていた。そして、そこに自分の書いた日記帳を見つける。

とうとう澪が自分がこの世に存在していないものと認識した。
この事実を飲み込むまでの澪の葛藤の姿は観ていて辛かった。
絵本と日記以外の、何か別のはっきりとした証拠を見つけようと家中を捜す澪。
そこで見つけた過去のビデオを観て、巧との過去の話を聞き、自分の愛する家族のため残された時間で自分のやれることをやろうと考えた澪は健気で切ない。
家の中の整理、掃除の仕方、誕生日ケーキの予約。
それでも他に何か出来ないかと考え、万里子に後を頼もうとする澪。
そんなときに涙ながらに「私そんなにいい人じゃないんです。」と言う澪は本当に切なかった。

巧もそんな澪の気持ちに気づき、不安を感じる。
涼子との関係もうまくいかず、澪のいなくなる日がどんどん近づき自分がどうすればいいのか分からず、尚美先生に相談する。
巧にとって尚美先生がいるというのは、本当に救われる状況だろう。
私がもし巧に同じような相談を受けたら、何と答えていいか分からない。
最初から尚美先生は巧の全てを受け入れ、巧の悩みに一緒に闘おうとしている。
その姿が印象的だったが、今回どうしてそういう考えを持っているのか理解することが出来た。
妹さんが言ったように、尚美先生は患者の目線に立てるいいお医者さんである。

澪が事実を知っていても、知っていなくても、やることは同じではないか。

お互いがお互いのことを想いながら行われたクリスマスパーティー。
「楽しい時間を過ごす」ことを第一に歌を歌い、踊り過ごす。
そんな束の間の時間も過ぎ、もう一度絵本を読んで事実を悲しみ泣く巧とそれを見る澪。
あぁぁぁ、辛い。
どうして澪はアーカイブ星とやらに、戻らなくていけないだろう。
生前の澪はどうして、そういう結末の本を作ったのだろう。

『南くんの恋人』の高橋由美子だって(新しいほうは知らないが）スペシャルで最後には南くんと結ばれたじゃないか。
この話も、澪と巧と佑司の三人で暮らすファンタジーで終わっても、私は文句を言わない。

次回はとうとう最終回。
向日葵の中で微笑んでる澪が印象的だった。
どういう結末で私を泣かせるのか、本当に楽しみである。