
主人公のわたし、30才手前、恋人なし、残業無しが唯一の長所である会社を往復しつつ、たまに友達と会ったり食事したりする生活。そんなわたしが、朝通勤の際、エスカレーターを使わず階段で登るという習慣をしている際に、同じ様に毎朝、階段で横を通り過ぎてゆく男性と、ひょんな事で会話を交わすようになって交際に至る。いつもは後ろからやってきて、自分を追い抜かして行くはずの彼が、今日はエスカレーターに珍しく乗っていた。「風邪で・・」と一言つぶやいた彼に、たまたまポケットに入っていた飴玉を渡すわたし。きっかけはそれだけ。
この経緯が、すごく自然で良いなぁ~って思いました。

舞台になった駅と地下道~出口は、どこの駅なのか、すっごく知りたい~!どなたかご存じだったら教えてください

しかしながら、この彼、何かありそう・・・と、それが気になるんですよね・・・。2人の恋話と平行して、顔にホクロのある怪しげな中年男に尾行される・・・のエピソードが・・。

この前読んだ沢村さんの「脇役スタンド・バイ・ミー 」にも出て来ますが、都会に住む集合住宅の隣の音とか、「あやまち」での重要なキーワードである、すれ違う時のタイミングや速度とか後ろ姿の背格好とかバランスとか雰囲気とか・・・そういう漠然としたものを描くのが上手くて感心します。
TVや新聞で報道される事件に対しての自分の反応で、自分の状態を計るってのも凄いなぁ~と思ったし、あちこちにそういった沢村さんの、深い洞察力というか言葉にする前に凄く頭で色々考えるお人柄みたいのも伺えます。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
まさか彼が過去に殺人を犯してたとは・・・。


私が読んだのは、2009-06-12に発売になった文庫版(下)だったのですが、2004年4月に発売になった単行本(上)の方が表紙の装丁が好みかな~。
3つ★~3つ★半

短絡的な女性にあれ?と思い、男性の過去におい!とツッコミ、黒子の男に疑ってごめんと謝りたくなりました。
そうそう!私も黒子の男に、ちょとゴメンねーーって気持ちになりました。すんごい不気味に描かれていたので、ゾワっとしちゃって・・・。
笑っちゃったのは、彼が彼女に豆大福を買って来たけど食べられないで残した・・ってエピソードでした。
この彼女には結構感情移入してしまったんですけど、言われてみると短絡的ですね・・。
白文字を読んでハッとしました。
豆大福のシーン、全然覚えてませんでした。
また読んでみようかな。
夏休みに突入、juneさんも普段以上に忙しい事とお察しします・・・
juneさんがお読みになられたのは、ずいぶん前ですもんね、細かい部分は忘れちゃって当然ですよ~。
豆大福はね、私もあの黒い豆がにょきっと突きだして見える様子がコミカルっていうか・・それでいて、ほんのちょっとグロテスクに子供心に感じたことがあって、それとホクロを引っかけていたので、うぎゃ~~ってなったのです