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Morris Louis

2010-02-18 11:02:57 | 抽象表現主義 AE

Morris Louis : Wikipedia:
Morris Louis 1 & Morris Louis 2 & Morris Louis 3 :
旧名大日本インキが所有する川村記念美術館の2010年のカレンダーの1,2月はMorris Louisが登場する。既に表紙を外して部屋に飾っているが、お気に入りの作品が多い中、1,2月はどうも違和感を感じる。アブサンを飲みすぎて視力に障害をきたしてしまったのかと思われるような、輪郭のぼやけ具合がはっきり言って気に入らないのだ。Helen Frankenthale(参照:過去記事)の制作風景を見てこの作風を開眼したらしい。
昔言語の抽象化の実験をしている時、様々な接続詞を原稿用紙に並べて、タイトルを「接続詩」とする作品を書いたことがあった。意味性・伝達性の剥奪のための実験であった。
Morris Louisのこの方法論も「滲み」によるチャンス・オペレイションを用いた非定形(アンフォルメル)の追求、そしてそれを通り越した、存在物の物性の否定・剥奪を目指したものではないだろうか、と納得した。
インテンションと方法論がまず優先されるのだ。作品の優劣はチャンス・オペレイションによるまさに賭けなのだ。そしてこの賭けに於ける幸運さ(運の技法化?)
こそがArtistのArtistたる所以である。
そう思ってもう一度「ギメル」(1958年)という作品に目をやると、瞬間、取り替え難く、動かし難くなり、稀有な独自性と日常にありえないほどの美的存在感を発揮し始めたのだった。何もかもが稀有なのだ。

・・・・・・・

上の作品に関して:
Morris Louis, "Point of Tranquility" (1959-1960).
Collection of and courtesy of
the Hirshhorn Museum and Sculpture Garden.

///////追記:2010年2月18日///////
Morris Louis  : 
Nun, 1959



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