大阪の教育の明日を考える会 意見発信ブログ

「教育基本条例案」では、子どもたちが心配。条例案に言いたいこと、心配なこと、大阪府民の真実の声を掲載していきます。

統廃合で余った教師は分限処分(免職)になる!?

2012-04-09 01:53:03 | ここが心配!?条例案への意見

行政庁(国や地方公共団体の役所など)が行なう「行政行為」のことを、「行政処分」とか「処分」と言うことがあります。「分限処分」というのは聞き慣れない言葉ですが、公務員の身分の変動(降任、免職など)に関する行政行為(行政処分)のことです。義務違反や非違行為に対する制裁としての「懲戒処分」とは異なり、公務の能率的運営のために行なわれるものです。しかし、地方公務員法で明示された理由によらなければ、分限処分は行えません。

この分限処分について、地方公務員法第28条1項は、職員が、以下のうちどれか1つに該当する場合に「その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」と定めています。
一  勤務実績が良くない場合
二  心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三  前二号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合
四  職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合

今回、大阪で施行された教育2条例の中には、「廃職による免職」規定は無くなったのですが、「職員基本条例」と一緒に出された、「職員基本条例の施行に伴う関係条例の整備に関する条例」の第8条に規定があります。
http://www.pref.osaka.jp/jinji/jourei-ikenkoukan/shokuinkihonjourei.html
(廃職又は過員による降任又は免職)
第八条  法(注:地方公務員法)第二十八条第一項第四号の規定による降任又は免職の処分は、転任その他の方法によっても過員が生ずる場合にすることができる。(以下、略)

直接、「無くなった学校の教員が分限(免職)の対象」とは書いていませんが、大阪府立高校の例で言えば、、「3年連続定員割れ」の結果「統廃合(廃校)」で学校が無くなって、その学校での教員職が「廃職」となったり、残った学校の教員配置数が増えずに「過員を生じた場合」、その時点で教師として転任ができませんから、分限処分で免職にすることができることになります。

そんな極端なことはないだろうとは言ってられない事例が、大阪市の方ではもう出てきていて、橋下市長は、廃止とされた大阪市音楽団の音楽士36人の処遇について「単純に事務職に配置転換するのは、これからの時代、通用しない。仕事がないなら、分限(免職)だ」と述べています。

この規定がそのまま適用・運用されていけば、大阪の教育はどうなってしまうのでしょうか。

大阪の今年の教員採用辞退率は13.4%。これを報道した毎日新聞の記事には、記録が残る過去5年で最高の辞退率で、「府議会で3月に「教育行政基本条例」と「府立学校条例」が成立したことも影響したとみられる。」との指摘がありました。

条例の成立もさることながら、せっかく教師になったとしても、統廃合対象校に所属してしまったら分限処分で免職もある、などという実情が分かったら、採用辞退者はもっと増えるぞと危惧する連載記事が、下記の大阪高生研のブログで詳しく書かれていますので、ご紹介します。

http://osaka-kouseiken.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-de98.html


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