水兵本部広報局

明治時代の大日本帝国海軍 海兵隊について、これまで調べた事等を紹介するブログです。

大日記の区分について

2017-06-17 01:28:55 | 資料・規則等
明治5年11月に制定された海軍条例を見ていたら、今まで気になっていた点が一つ解決したので載せておきます。
海兵隊関連の記録に必ず出てくる記号として、「甲○号大日記」「己○号大日記」などがあります。
↓こんな感じ

被服の制式や支給、装備の図面、兵器の調達。給料など、全ての書類にこれらの通し番号が振られております。
そもそも、この「大日記」というのは、海軍省に存在していた各局各課ごとの書類綴りの名称であり、各課ごとに以下のような割り当てがなされていました。
これらは各課の大日記の名号に従い「甲乙丙第何号」といった形で、書類の右端に朱書きで記しました。
各大日記は10月から翌年の9月までを一括りにする。といった決まりになっていました。

(例)記号:課
    甲:事務
    乙:文書
    丙:軍事
    丁:規定
    戌:人別
    己:金穀出納(きんこくすいとう)※金銭と穀物
    庚:調度
    辛:倉庫
    壬:営繕(えいぜん)
    癸:秘事

事務・文書課は秘史局の。軍事・規定・人別課は軍務局の。金穀出納・調度・倉庫・営繕課は会計局の分課。
最後の秘事は、「秘密の書類。或いは海軍卿の厳に秘せんと欲する書類」とされ、秘史局長管轄のうえ他見が禁止されました。

当時の海軍省に存在していた各局各課の配置と業務内容については、下記の表を参考にしてください。

※クリックして拡大してください

以上が「海軍条例」から読み取りました、当時の書類の命名方式と、海軍省の組織構造です。
当時の規則や組織体系を知ることも、海兵隊を研究する上では重要なことです。