*笑む~*の土笛・吹いてぇ~♪

五十路ミセスのオカリナ・ユニット‘笑む~’笑顔と癒しの音色を、お届けするボランティア活動をライフワークに「日々是好日」

映画『 明日(あした)への遺言』・・・に思う

2008-04-15 22:09:02 | 映画
エフエム福岡の朝の番組応募でゲットしたチケットで、映画に行ってきました。
藤田まこと主演の「明日(あした)への遺言」ですが、加藤哲太郎著の「私は貝になりたい(あるBC級戦犯の叫び)」を読んだ直後でもある事から非常にタイムリーで、私の中での話題作でした。

原作は、大岡昇平のノンフィクション小説「ながい旅」ですが、小泉監督が15年の歳月を費やして構想を練り、まさに「満を持して」登場した作品である。
2時間余りの上映は、その殆んどが裁判シーンだが「最後の作品のつもりで・・」と全力投球した藤田まこと渾身の名演技に瞬きをする間も惜しまれた。
特に、判決を受けて絞首刑の執行を待つ間、独房の窓辺の一輪挿しを見つめ閑座しての吟詠「涼州詞」は、心に沁み入るものがあった。

      葡萄の美酒 夜光の杯
      飲まんと欲すれば琵琶馬上にもよおす
      酔うて沙上に臥す 君笑うこと莫かれ
      古来征戦 幾人か回る
  
捕虜を処刑した罪を一手に背負い、我が命に代えて部下の減刑を訴えた、潔く美しい生き方・・・平和への思いを後の世に託して、帰らぬ人となってしまいます。
岡田 資(たすく)中将が命を投げ出して次世代に平和を託す姿・・・哀愁に溢れ、格調高く、明日の命をも知れない、まさに「涼州詞」そのものでした。
当時、戦犯として実に1000人余りが死刑宣告を受け処刑され、御霊(みたま)と、なった人々のうえにある今日の平和を、久遠のものとするのは私達、次世代の役目のような気がする。