"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『手前味噌仕込みの会』ギャラリー

2009年05月22日 21時31分01秒 | 主催する催し

 旧四月二十八日。二十四節気の【小満(しょうまん)】を一日過ぎました。 

万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 三ヶ月の上海滞在が過ぎ、二週間の一時帰国も矢のごとし。ふたたび上海に降り立ちました。確かにこの二週間で、公園や道ばたの木の葉が少し鬱蒼としたように感じます。そして明らかに強さを増した日差し。木々の緑がその強烈な太陽をしっかりと受け止め、地表に涼をもたらせてくれているようです。梅雨入り前、にわかな盛夏を感じさせるこの頃です。

 

 『手前味噌仕込みの会』から二週間。0522yosemoji_2瓶の中ではこの夏の陽気に促されて麹菌が活発に暴れていることでしょう。会の模様の写真をスタッフでもあるmizunoクンから貰っていたのですが、日本滞在中は落ち着いてパソコンの前に座る時間もあまりなく、上海の夜景でも眺めながらのんびりとアップします。今年ご参加できなかった方、またご興味をお持ちの方にはぜひご覧頂きたいです。見ての通り、初めてでも簡単ですので、ぜひ来年はご参加ください。(写真右の文字は、残念ながら当日ご参加できなかったKさんが書いて来て下さった寄席文字です)

 写真左は仕込みの作業です。左上から時計回りに。0522shikomiまずは塩と玄米こうじをよ~く混ぜ合わせます。こうじは塊があるのでここは大胆かつ丁寧に手のひらでもみ合わせるようにします/続いて茹で上がった大豆を潰して行きます。ステンレスのボウルに入れてポテトマッシャーでの力仕事。厚手のビニール袋に入れてビール瓶で潰すという新手のソリューションを今年は開発に成功しました/潰した大豆の温度が人肌くらいに冷めたら、塩&こうじと一気に混ぜて行きます。茹で汁を少しずつ加えて、0522ofurumai仕上がり味噌の固さをイメージして/あとは各自の瓶に仕込んで終了。 乾杯から酒宴へと夜がふけて行きました。
 酒宴の始まり、乾杯のお振る舞いには写真右の二品がテーブルに。上は「地鶏のこうじ焼き」味噌の風味がしっかりしみ込んだ鶏肉をじっくりジューシーに焼き上げてあります。この味わいは日本ならではですね。そして下の左が「山うど」、右は「うるいの酢みそ和え」。味噌はもちろん手前味噌です。

 今回は味噌仕込みだけではなくもう一つ趣向がありました。青森・奥津軽から届いた天然のわさびを使ってわさび漬けを作ります。
0522wasabiわさびは栽培ものに比べて小さいけれども固く凝縮されているようです。茎と根を刻んで塩でもみ、ざるに上げて熱湯を回しかけます。一瞬水に晒して水気を素早く切り、密封瓶へ投入。このまま30分。辛み成分が気化して瓶の中に充満します。これに鼻を近づけたら失神するほど強烈な刺激に襲われます。鮨のキツいわさびの刺激を100倍くらいにした感じでしょうか。この辛みがピークに達しているわさびを、米焼酎で柔らかく延ばして砂糖と塩で味を整えた酒粕に混ぜて出来上がり。ちりめんじゃこやかまぼこには欠かせません。日本の朝食の名脇役ですね。手前味噌の味噌汁がますます引き立ちますよ。