"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

春分の日にはみんなで味噌仕込み

2007年03月22日 14時18分01秒 | 主催する催し

 旧二月四日。昨日は二十四節気の【春分】でした。

日天の中を行きて昼夜等分の時なり
  (『暦便覧』1788年ーより)

322buna  暑さ寒さは彼岸まで、と言いますが、思い出したかのように寒が戻ってきて、今シーズンいちばん冬らしい一週間になったのではないでしょうか。桜のつぼみも小休止です。でもそれも昨日の【春分まで。今日は暖かい風が吹いています。拙宅の前にある鉢植えのブナの木(写真→)も若葉を開きました。花と共に新緑の季節がやって来ましたね。

 昨年に続いて日も同じ春分の日に『手前味噌仕込みの会』を開催いたしました。メンバーはほぼ倍に増え、仕込む味噌の量も乾燥状態の大豆で12kg。これはもう小さな醸造工場のような雰囲気になります。米糀だけで仕込んだ前回とは違って、今回は米糀と麦麹を半々にしたちょっと個性的な味噌にしてみます。 
 手順はこんな感じです。まずはこうじと塩をよく混ぜた“塩切りこうじ
を作って馴染ませます。322daizu煮上がった大豆をポテトマッシャーで潰して、人肌の温度まで冷まします。つぶした大豆と塩切りこうじを良く混ぜ合わせて、適当な軟らかさになるまで大豆の煮汁を少しずつ加えてゆきます。これで味噌の素材が完成。メンバー各自の1升入る瓶に詰め込んで、表面に薄く塩をしてラップを被せて重石をして完成です。二回目のメンバーも多く、チームワークも見事で作業は順調にはかどり、予定より大幅に早く完了。(写真左上が会の前夜大豆を水に浸けたところ/下が12時間水に浸した大豆を煮始めたところ)

 作業のあとは、これも大事、恒例の酒宴です。ニュー信州の振る舞いでテーブルを賑わせたのは「かぶの田楽」「焼おにぎり」「味噌汁」「いかのこうじ漬け焼」。お酒もすすんで味噌談議にも花が咲き、春の夜が更けてゆきました。

 最近は味噌汁Barなる飲食店が人気を集めているようです。使っている味噌の正体を教えてくれるお店は高級料亭くらいでしたが、世の中も少しずつ変わってきているのかもしれません。さらに、自分で仕込むと味噌に対する意識がぐっと高まります。私などは、自分で仕込むようになってから、買う味噌の量も増えてきて、冷蔵庫には手前味噌以外にも常時5種類以上の味噌があります。以前紹介した三ノ輪橋商店街にある「小島商店」のような昔ながらの味噌やさん(紹介した記事がこちら)がもっと活躍できると嬉しいですね。

 皆様ぜひ時には日本食の名脇役、味噌にご注目を。【手前味噌仕込み会】メンバーの皆様。ありがとうございました。半年後に味噌を持ち寄って自慢し合いましょう。

 今年もご参加いただいたボナペティさんのblogで当日の模様をアップしていただきました。是非ご覧下さい→こちらです。