ScenicRoute

遠廻りルートに決定(^^)b

リトルカブのエンジン組み立て その2

2014年08月09日 | リトルカブ
リトルカブのエンジン組み立て その1の続きです。

組み立てたリトルカブのクランクが回らなかった原因を探ります。

まず始めに取説にもあるのでシリンダーを疑います。
とりあえずバラします。


どこが干渉するのか良く分からないので観察してみると…

シリンダーのスカートにコンロッドが干渉した跡が(゜Д゜)


そしてコンロッドにも干渉した跡が(゜Д゜)


強化コンロッドで太くなった分がスカートと接触してしまうようです。

コンロッドやシリンダーのスカートはキック程度の力でどうこうなるものではないと思いますが、心配なのはピストンとシリンダーの摩擦です。
引っかかった状態でキックすると干渉点が支点になってピストンがシリンダー側面に押しつけられます。このような力の掛かり方は想定されていないと思うのでシリンダーに傷がついてオイル上がりの原因になってしまうかもしれません。

ピストンはほぼ無傷


シリンダーは少し擦れた跡ができてしまいました


最高の状態だったシリンダーが
でもこのくらいの傷なら問題なさそう

まずはこのまま進めてみます。

干渉するスカート部分はグラインダーで削りました。


両サイド干渉の跡があったのでこんな感じになりました。


やっぱり擦れた跡がちょっと気になるな(-_-;)


ともかくこれで干渉の問題は解決したと思うので組み立てました。

キックしてみると…

干渉せずちゃんと回りました\(^_^)/

試運転のためにマフラーを取り付けます。
焼き付き防止剤を塗っておきました


燃料コックONにしてキックすると…

キック一発始動!!!

アイドリングもとても安定しています

壊れた機械が復活するのは感動です(ToT)
頑張ったかいがありました

白煙もなくオイル上がりもなさそうです。よかった(*^_^*)

あとはカバー類を取り付けて終了です。

カバーを取り付ける際にリミッターカットについて気になったことがありました。
このカブは4速信号の大元の配線をカットしてリミッター解除してありました。
画像中のピンクの配線です。


リトルカブのリミッターは4速時に回転数が上がり過ぎないようにしてリミッターを掛けているので、もちろん大元をカットすればリミッターは外れます。
しかしこれだとメーターの4速ランプが点灯しなくなってしまいます。
インジゲーターは全部光らせたいじゃないですか( ̄▽ ̄)ノ

要は4速の信号がCDIに入らなければいいのです。
右カバー内のCDIを出して


カプラを抜いて


ピンクの配線を抜きます


そのままでは芸がないので熱収縮チューブで端子をカバー


大元の配線はガムテープを剥がして


接続


これで完成(^_^)v
ちゃんと4速でランプが点灯します



最後にステップ
繰り返す転倒で曲がっていたのが気になったのでヤフオクで中古を入手しました。


これを取り付ければ完成というところで…
シフトペダルと干渉して付かない(゜Д゜)


実はこのステップはスーパーカブ用なのです。

曲がっていてわかりにくいですが、よーく見比べるとリトルカブの方が左側長いです。


こればかりはどうしようもないので元の曲がったステップを取り付けました。
買ったステップはうちのカブの取り付けることにします。
うちのカブのステップ曲がってるので

最後までスマートには行きませんね
でもなんとかエンジンは直ったのでめでたしめでたし

M君のリトルカブ修理はこれにて終了です\(^_^)/

リトルカブのエンジン組み立て その1

2014年08月02日 | リトルカブ
リトルカブのエンジン分解の続きです。

友人M君から預かっているリトルカブ。
エンジンを分解してから少し時間が経ってしまいましたが、部品が揃ったので組み立て始めました。

こちらが最後に届いた部品。
クランクとガスケット類です。


クランクは純正ではなく武川の強化クランクシャフトです
純正品は大端部と呼ばれるコンロッドの付け根のベアリングが壊れやすいそうで、今回の故障の原因でもあると予想しています。
セール中で純正品と値段があまり変わらなかったので大端部が強化されているこの製品にしました

中身は本体と簡単な説明書、格好いいステッカーです(*^_^*)


純正のコンロッドと比較してみます。


まず純正のコンロッド


武川製は明らかに太くなっています。


またクランクの一部が削られており軽量化が図られているようです。


この製品を選んだきっかけでもある大端部は純正品より太くなっています。


コンロッドに武川のロゴがカッコいい


これでエンジン組み立てに必要な部品がそろいました。


組み立て始めると、いきなりミッションの動きが渋い
一度バラして洗浄し、オイルを塗り直すとなめらかに動くようになりました。


錆びが発生していたダウエルピンは新品に交換し、穴もルーターを使って錆びを落としました。


その後も各パーツを洗浄、オイル塗布しながら組み立てていきます。

クランクケースガスケットはセットで割安なキタコ製を使いました。


新品のガスケットは鮮やかです。


ここははめるのに苦労しました
ミッションやクランクなど5本の軸が穴と合わないといけません。


ここから先は車体に載せて組んでいきます。


シリンダーのダウエルピンも新品に交換します。


ガスケットを付けて


シリンダーを取り付けます。


ヘッドはルーターでカーボンを落としておきます。


左のクランクケースカバーを取り付けます。
酷かった内部の錆びは軽く落としてあります


取り付けてみると…


ちょっと歪んでいるようです。
ボルトを締めれば密着するので交換する程ではなさそう。

これで組み立ては完了。
次の日の朝エンジンオイルを入れて試運転です。


エンジンを掛ける前にキックでオイルを循環させておこうキックすると…

キックが下りない(ToT)

何度かキックをしてみましたが途中で何かが引っかかる様な感触があります。
フライホイールを手で回して確かめると、引っかかっ位置から反対向きに270度くらいするとまた引っかかりました。

どうやらクランクシャフトがどこかと干渉しているようです(-_-;)

実は武川クランクシャフトの取説に“ノーマルには加工が…”とか書いてあったんだよな~

改めて読み返すと(画像は箱ですが)


「ノーマルシリンダーの場合は加工が必要」

シリンダーのどこを加工しないといけないのか分からなかったからそのまま組みました
どうして加工が必要なのか書いてくれた方が親切だと思うんですけどね

そのまま組めちゃった~と思っていましたが甘かったですね

さーて、どこが干渉しているのか…
何回もキックちゃったけど部品大丈夫かな

続く

リトルカブのエンジン分解

2014年07月20日 | リトルカブ
友人M君から預かっている故障したリトルカブのエンジンを分解しました。

灼熱の中ツナギを着ながらの作業でなかなかハードでした
しっかり水分を取って熱中症を防がないといけません(^^)/

レッグシールドを外したリトルカブです。
メンテナンスにセンタースタンドはとても便利


まずは大きく曲がったステップを外します。
ボルトを外そうとのぞき込むと一本ボルトが無くなっていました。
酷使されてるなあ


続いてエキパイボルトを外します。
セロー君の悲劇があるのでかなり緊張しましたが、すんなり外れました。


マフラー取り外し完了。
キャブ側のボルトも外してあります。(写真では見えませんが)


左側のシリンダーヘッドカバーを開けてカムチェーンを外します。


ヘッドの四本のボルトを外してヘッドの蓋を外します。
ロッカーアームが見えますね
ちょっとオイル気が少ないように感じました。抜いてしばらく経つからかな。


シリンダーヘッドを外します。
カーボンが乗っていますが、異常はなさそうです。


シリンダー側です。ピストンはそんなにカーボンが付いていません。


シリンダーも外しました。


続いて腰下です。
まずはオイルの流れていない左側を開けます。


フライホイールが何でこんなに錆びてるの?

中に水が入ったようでなかなか酷い状態です。
長期間動かさず雨に当たる場所に置かれていたのではないかと思われます。


今度は右側。
さすがにオイルの循環する方はピカピカです


クラッチカバーのネジを4本外します。
我が家のカブはここを舐めそうになったのでショックドライバーで慎重に外しました。


外すと中には変わったナットが入っています。
これは特殊工具がないと外せません。


以前作ったこれを使います。


車のタイヤ用レンチを加工したものです。

こんな感じに2本の突起が出ています。


軸の固定にはプーリーホルダーを使います。


これをフライホイール側に取り付けて固定します。
フライホイール側はオイルが無いためホルダーが滑りにくいのです。


無事にクラッチが外せました。


しかし改めて使ってみるとこの自作工具はどうも精度が怪しい
精度の悪い工具は母体を破壊するので組み立てまでには専用工具を買おうと思います。

取り外したクラッチにはゴミが詰まってます。


くぼみに遠心力で押し固められています。


我が家のカブもこうなっていたので、こうなるのはわざとなのかもしれません。

こんなにゴミが取れました
(写真見てから気がつきました…ハイジさんごめんなさい)


綺麗になりました!


クラッチの裏のギアも外します。


上の写真ではガスケットに隠れて見えませんが、ドレンボルトの上に金網があるので忘れず掃除しておきましょう。


この汚れはどうなんでしょうか。普通が分からないので何とも言えません。


今度はフライホイールを外します。

これは専用工具が必須です。
昔に間違えて買ったので持ってます
使わない工具を持ち続けるあたりに工具マニアの素質があるかもしれません( ̄▽ ̄)b


フライホイールにはめて内側のボルトを回します。


かなり固く、バキッという大きな音と共に外れました。


残念ながらここまでで故障の決定的な原因が見つからないのでさらに分解するためエンジンを下ろします。


クランクケースを割ります。
大破した部品は見当たりません。


が、底に大量の金属粉が溜まっています(゜Д゜)


どこの部品が削れたのか点検した結果、疑わしい場所は2つ!

一つはクランクシャフトとコンロッドを繋ぐベアリング。
大端部と呼ばれる部分でカブの弱点なんだとか。
ここのベアリングが全部すり下ろされたようで、コンロッドがグラグラになっています。

二つ目はピストンとシリンダー。
ここにも激しい摩耗の跡があったので金属粉発生の原因と思われます。
この金属粉が大端部のベアリングに入り込むことで破壊が進んだのかもしれません。

どちらにしても原因はオイル不良だと思います。
友人M君はまめにオイルを交換していたそうなので、その前の持ち主がオイルに無頓着だったのかもしれません。

という訳で交換する部品は
・ピストン
・シリンダー
・クランクシャフト

となりました。

良さそうな交換部品が揃い次第組み立てていきたいと思います。

リトルカブの初診

2014年06月21日 | リトルカブ
M君から預かっているリトルカブ


夢店からは“クランクが割れているのでは”という意見を頂いたそうです。

私は正直、頑丈なことで有名なカブのクランクがそんな簡単に壊れるものなのかと疑っています
中古なので前オーナーの使い方は不明ですが、エンジンはフルノーマルですしM君はオイル交換も定期的にしておりました。

何はともあれ、確認してみないことにはどうしようもないので少しずつ可能性を潰していきます。

とりあえず現状としては
 ・エンジンがかからない。
 ・セルは回るがエンジンから異常な音がする。
  しかし、異常な音の中に正常な音も混ざっている気がする。
 ・ニュートラルで車体と押すとエンジンからガシャガシャと異音がする。

という状態です。

そして私の疑っているのは
 ・クランクの割れ
 ・カムチェーンの異常
 ・カムやバルブなどシリンダーヘッドの異常
 ・トランスミッションの異常

です。

最初は簡単に見られるところから確認していきます。

まずは一番簡単にチェックできるカムチェーンを確認してみます。
カブは横向きエンジンなのでシリンダーヘッドを触るときは前輪を持ち上げてオイルを腰下に落とすといいそうです。
ちょっとやり過ぎ感がありますが


カムチェーンのカバーは左側にありますがボルトは右側にあります。


カバーを外すとカムチェーンが見えます。


ここは紙製ガスケットなのでガスケットの使い回しはできなさそうですね。
ちょっと開けてみようという時には交換用のガスケットを準備しておかないといけません。

うーん。カムチェーンに異常はなさそうです。
切れてもないしテンションもかかってます。クランクシャフトともちゃんと連動しています。

結論:カムチェーンは問題なし。

となると今度はシリンダーヘッドの分解になります。

本格的な作業は時間がかかるのでまた後日やることにします。
今回はその準備としてエンジンオイルのみ抜いておきます。
セロー君のフォークオイルの廃棄でも使った“新聞パック”を使うのですが、リトルカブは車高が低いので車体を持ち上げないと使えません。
何もせずにエンジンの下に牛乳パックが立てられるのはオフ車くらいでしょうけどね


木材の上に前輪とセンタースタンドを載せてエンジンの下を空けます。
これで新聞パックが使えます。


このカブにはエンジンガードがついているので片側を外しました。
もう片方は固くて割ってしましそうなのでエンジンを下ろす際に外そうと思います。


オイル交換では投入量600ccなので約600cc程出てきます。
新聞パックはエンジンオイルが1L以下だと便利なんですが超えると大変そうですね(^^;)
うまく次のパックに切り替えができれば使えそうです。


これでエンジンオイルが片付きました。


次の作業からはオイルまみれになるので時間があるときにゆっくりやろうと思います

リトルカブの引き取り

2014年06月08日 | リトルカブ
今日は友人M君の故障したリトルカブを引き取りに行きました。

走行中に突然バキッという嫌な音がして走行不能になってしまったそうです。
それも長いトンネルの真ん中で
バイク屋では修理に10万以上かかると言われ、廃車にしようとしていたそうな
なので引き取って修理を試みようという訳です

私は以前、家にあるスーパーカブの四速化をしているので怯みません
まだ1万kmほどしか走っていないカブなので廃車はもったいない
なんとしても直します

車両に引き取り一つだって最高に楽しんでやりますよ( ̄▽ ̄)b
原付を載せるための軽トラをレンタルする予定なのです。
やっぱり軽トラと言えばサンバーでしょ
運良くサンバーに乗れることを期待して出発です。

友達と待ち合わせの桑名駅まではディーゼル音が素晴らしいとオススメされたJR関西線の
快速みえ
確かに迫力満点のエンジン音でございました(*^^*)


すると列車の中で携帯が…

From:友人M
To:私
タイトル:無題
本文:予約の手違いで軽トラじゃなくて2tトラックになります。

と。
カブを載せるのに2tトラックとはずいぶんと豪華です。
サンバーの夢はなくなりました
残念!

無事に桑名に到着して友達と合流しました。
サンバーに代わる目立ちたがりトラックはどこのどいつだ
と思い見に行くと…

おおおっ!!!


全部許す
なんとISUZUのELFが待ち構えておりました!
ディーゼルターボ3000ccの5MT

友達の運転でリトルカブを引き取りに行きましたが終始顔がにやけっぱなしでした

バイクを預けてあったバイク屋さんへ行くと友人S君がスタンバイしてくれていました
お店の人にも手伝ってもらいリトルカブを載せて


三人で鬼トルクとディーゼル音を堪能しながらドライブしました


家までの道はなかなか厳しいのです


スタックしてしまうほどに


そんなこんなで無事に家にカブが運べました。


林道に行った後らしくカッコよく汚れています。


とりあえず今日は簡単に洗車だけしました


うっとりしながら眺めていたらステップの曲がりを発見しました。


どうやったらこんなに曲がるんだ…


また時間がある時に故障の原因を探っていこうと思います