イタリア語の単語

イタリア語学習の裏話
イタリア語の不思議

80. イタリア語の単語の話 portoghese は「薩摩の守」???

2013-07-27 | 語学
80.portoghese, turco, indiano:左からそれぞれポルトガル人、トルコ人、インド人のことだが、それを説明する為に書いたのではない。まず、portogheseは、無賃乗車の人または切符を買わずに劇場などに入場する人を言い、"fare il portoghese"が、その行為をすることを指す。turcoは、次のように使って、とても沢山タバコを吸うことをいう。"fumare come un turco" トルコでは一時タバコが禁止されていて、解除になった後に、皆がとてもタバコを沢山吸っていたのを見たイタリア人がそう呼び始めたともいう。indianoは、次のように使う。”fare l'indiano"、そして意味は「知らないフリをする」である。これは何故か?indianoは多分、アメリカインディアンのことのようだ。アメリカに上陸した、ヨーロッパからの移民は彼らとの話が通じない。分かっていても、知らないフリをしたという風に捕らえたかもしれない。真実はそれ程明快ではないが、特にfare il portogheseなどは、失礼な話だと国から文句が出そうな表現でもある。また、venezianoは、ベネツィア人のことだが、「ケチ」と言う意味もある。これは、ベネツィア共和国は商業国家であって、商売人が多かった。商売に関しては、「ケチ」を貫くことから、この表現が残った。シェークスピアの「ベニスの商人」でも、ベネツィア共和国の商人が書かれているので、雰囲気は分かりますね。最後にこれも失礼な言い方だが、イタリアでは聞くことがあるかもしれない。marocchinoはモロッコ人のことだが、路上で物を売っている特にアフリカ人のことを、このようにいう。これは別にモロッコ人に限らないが、総称してそういっている。良い言葉ではないので、使うことは控えたい。なお、タイトルに上げた「薩摩の守」だが若い人は聞いたことがないかも知れないので、付け加えておきますが、これは平家の武将 平忠度(ただのり)が薩摩の守だったので、ただ乗りの事を薩摩の守と言ったのである。20年以上前には確実に通じたのだが、今じゃただのおやじギャクと言われそうですね。


79. braccio di ferro 鉄の腕とは?

2013-07-24 | 日記
79.braccio di ferro:braccioは腕、ferroは鉄、鉄の腕=腕相撲のことをいう。鉄の事を元素記号ではFeというが、これはFerroから来ている。鉄は強い意味を持つので、stomaco di ferro 頑丈な胃袋のようにも使う(stomaco di bronzo(青銅)という言い方もあるが)。鉄道はferro+viaでferroviaという。地下鉄は、sottoを使って、ferrovia sotterraneaである。一方bronzoは、厚かましいという意味がある。日本語では厚かましい人を「鉄面皮」というが、それは、faccia di bronzo「青銅面」という。金属のことで思い出すのは、1939年に締結された伊独同盟。この後、1940年には日独伊三国軍事同盟が結ばれ、第二次世界大戦に入っていくのだが、この伊独同盟のことを”Patto d'acciaio"という。acciaioとは、鋼鉄=スチールのことで、勿論これは鉄よりも硬い(絆で結ばれる)同盟との意味であったのだろうが、名前だけだったようだ。「外交」を象徴するような名づけ方だなと思わされる。尚、金属には冷たい意味もあり、occhio d'acciaio (鋼鉄の目)と言えば、冷徹な(冷たい)目(視線)の意。また、ferro(鉄)と言えば、「鉄の女」と言われたサッチャー元イギリス首相を思い出すが、これは signara di ferro, または lady di ferroという。しかし注意しなければならないのは、これは何もサッチャー女史だけのあだ名ではない。女性の首相や元首はこの名で通常呼ばれる。例を挙げれば、インドのインディラ・ガンディー首相、イスラエルのゴルダ・メイヤー首相など、ちなみにフィリピンマルコス大統領のイメルダ夫人はfarfalla di ferro(鉄の蝶)と呼ばれた。

78.イタリア語の単語の話 sottovuoto 真空パック

2013-07-24 | 旅行
78.sottovuoto(ソットブオート):sottoは「下」の意味です。前置詞や副詞、たまには形容詞としての役目がある。sottoがついていて、覚えていれば便利な言葉は多い。 sottoveste(下着)、sottoscritto(署名者:申請書、宣誓書などによく使う)、sotterraneo(地下の、strada sotterranea=地下道=sottoviaでも良い)、sottovoce(低い声で)などは、良く使うことばであろう。そして、紹介したいのは、sottovuoto(真空の)である。直訳すると、「下が空(カラ)またはカラの下」、でなぜこれが真空なのかは分からないが、vuotoという言葉自体に真空(名詞)の意味があるようだ。主に、生ものを買った後すぐにそれを消費しない場合、若しくは人に上げたり、遠くへ運ぶ場合には、真空パックをお店で頼めば、大きなお店ならすぐにやってくれる。confezione sottovuotoといえば大丈夫である。日本や海外の検疫(quaranteina)基準に引っかからないのであれば、この形で生ハムや新鮮なチーズを土産に買ってくることも十分に出来ます。試して御覧なさい(但し、検疫基準については、良く調べておいて下さいね)