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3.11後 改めて読まれてほしい作家 @松下竜一『暗闇に耐える思想』

 


 松下竜一・・・ ある種の人々には、その名を聞いただけで激しい嫌悪感を呼ぶかもしれませんが、そういう“先入観”のない僕には、まったく新鮮な感動を与えてくれた本でした。

 今でこそ、発電所反対運動といえば、原発のことですが、70年代前半までは、全国で「火力発電所反対運動」が、激しく展開されていましたよね。石川県でも、内灘の「金沢火電反対運動」が有名です。この本は、松下氏自身がそのような活動にかかわった経験を語った講演集です。

 この本の「私はなぜ記録文学をなぜ書くか」の章で、ダム建設に一人反対を貫き、山中の砦に籠城した古老の話があります。大変面白かったのは、建設を進める建設事務所長も、一人の人間としてこの古老に向き合い、人間と人間との激しいぶつかり合いになったというくだり。

 今は、もうそんなことはないですよね。「会社が・・県が・・国が・・」と建設の責任をみんな、上へ上へと振ってしまってますよね。みんなのっぺらぼうな人形になってます。無限の無責任の体系です。

 3.11後、あらためて再評価されていい作家だと思います。

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