西町は、近江町より少しお城よりのところです。この店の前から 近江町市場の入口までほんの20秒。この大国鮨さん、店の前は それこそ 何十回と千鳥足で歩いていましたが、今回、ひょんなことから、休日の昼に初入店。
店は、カウンターが10席のみ。歴史を感じさせる雰囲気です。握り鮨は1050円、2100円、3150円の3コースですが、1050円は平日のみとのこと。さっそく2100円のコース(12貫+蟹の手巻き寿司+味噌汁)をいただきました。お銚子も1つお願いします。
小さな木皿に2ケのっけて、客のペースに合わせて握ってくれます。塩をきかせた酢飯が、酒にもよくあいます。一気に食べ終えてしまいました。いずれも、大変おいしかったあ。甘海老のお頭でだしをとった加賀麩の味噌汁がまたいい味なんだな・
鮨としては、タネに仕事をしたいわゆる「江戸前寿司」ですね。北陸では新鮮な魚を切って握ってっていう店がメインだけど、この大国鮨さんは、「仕事をしてこそ鮨」という店です。だから、「北陸の新鮮な魚の寿司食いてえ~」という人には やや肩透かしを食らうかもしれないね。僕は、どちらのタイプの寿司も好きですが。
そして何より、大国鮨の一番の魅力は、鮨のおいしさ以上に 大将のやわらかい物腰と、朗らかな内儀さんの人柄が この店の最大のよさですね。
だいたいですよ、この金沢で 30年も40年も店を続ける(この大国鮨さんは35年だそうです)ってことは、金沢市民に支持され続けている証、正直なまっすぐな商売を続けてきた証でしょう。そんな店で出すものが、まずいはずないよね。
何年も修行された職人さんが そうやって何十年も続けている店の料理を、昨日や今日に成人式を迎えた者が 「うまいのまずいの」と “レヴューする” ってのが 滑稽ですよね。(思わず力んでしまいました・・・すいません)
結局、人によって贔屓な店が分かれるのは、料理の味云々よりむしろ、店の人との相性かな。鮨は確かに美味いが、なぜか、お尻が椅子から浮き上がりがちになる店ってあるよね。
そういう意味でも、この大国鮨さんの最大の魅力は「居心地のよさ」です。大将も内儀さんも「客に、いかにくつろいで、鮨を楽しんでもらうか」ということに徹してます。
いい店です。今度は夜の部に行きたいですね。大将の話では「ETC割引が廃止になって以降 観光客がめっきり少なくなった」とのこと。まあたしかに、場所柄、昼はともかく夜は観光客は ここいらあたりには来ないだろうね。
そのぶん 地元民がせっせと通いましょうね。休日と日曜の夜は休みですが、昼は毎日しているとのことです。