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宮古島の電力

2020-05-29 20:26:59 | 日記
【埋め草ーMuseの場合 2020年5月29日号】
 太陽光発電と合成石油による沖縄・宮古島電力事業

Posting in May 28, 2020

【修正情報】
  周波巣 ー> 周波数
  &Power Conditioner& ー> 「Power Conditioner」
  ドウモ スミマセン

【補充情報 広瀬 隆『燃料電池・・・』】
 出版元と発行年を記し忘れました。
  広瀬 隆『燃料電池が世界を変える』
  日本放送出版協会 2001年2月25日第一刷

《本題》

 前号では、「マイクロガスタービン(MGT)」という出力100kW
 クラスの小規模発電でカバーする人口規模の小さい離島電源
 がテーマでしたが、沖縄県宮古島では周辺の離島への海底送電
 をふくめ、かなり大きな発電所群で電力を供給しています。

 このような離島の電力事業について、電力系統に特化する技術
 雑誌『OHM』8月号(2018年)は、その目次に

  [特集] 「離島の電力系統」 p.6-36
     離島の電力系統とエネルギー政策
     宮古島メガソーラー実証研究 沖縄電力
     九州電力の離島における取り組み
     島根県:隠岐ハイブリッドプロジェクト
     ハワイにおけるREエネルギー100%に向けた取り組み
     離島実系統による実証

  を掲載してます。
  この中で、沖縄電力の高原景滋氏は宮古島の電力系統を、

    総需要電力:最大約58,000kW
    内燃力発電設備:75,500kW
    風力発電設備:4200kW
    太陽光発電設備 実証研究設備:4,000kW
     同      再エネ発電事業者19,211kW
             (2018年3月末現在)
    蓄電設備 NaS電池:4,000kW(7.2h)
         リチウムイオン電池:100kW(2h)

     (引用者注) NaS電池とは、米フォード社が発明した
           電力貯蔵電池 大電力を貯蔵できるが、
           常時、高温状態を保持する欠点を有する
           日本ガイシが世界で初めて実用化に成功
           日本の電力各社との共同開発
           材料はナトリウム=Naと硫黄=Sなので、
           資源は豊富

 と伝え、さらに、

  /// 同誌 p.10-
   宮古島の電力系統および設備構成を図1に示す。
   宮古島は沖縄本島から南西約300kmに位置し、人口約
   55,000人、電力需要は最大58,000kW程度の小規模独立系統
   である。供給電源は島の中央西部に位置する宮古発電所、宮古
   第二発電所、宮古ガスタービン発電所の3か所の発電所で
   ディーゼル発電機(DG)、ガスタービン発電機(GT)で構成され、
   定格出力合計は75,500kW(DG合計60,500kW、GT合計15,000kW)
   である。また、同系統には風力発電(WT)設備として島の北部の
   狩俣地区にある宮古風力6号機(当社設備)と狩俣1、2号機(沖縄
   新エネ開発(株)設備)、および島の南東部の福里・保良地区にある
   サデフネ風力1、2号機(沖縄新エネ開発(株)設備)が接続されて
   おり、WT設備の定格出力合計は4,200kWである。
   この系統に経済産業省の「平成21年度離島独立型系統新エネル
   ギー導入実証事業」の補助を受けて、太陽光発電(PV)設備4,000
   kW、ナトリウム硫黄電池(NaS電池)4,000kWを導入し、実証
   研究を行っている。
 (以下略)
/// 引用オワリ

なお、宮古島の発電所を通じて、周辺の海域に点在する、宮古島諸島
を形成する、
 池間島 いけまじま サトウキビ栽培 6,600ボルト橋梁ケーブル
 大神島 おおがみじま 漁業主体 6,600ボルト海底ケーブル
 伊良部島 いらぶじま サトウキビ栽培 22,000ボルト海底ケーブル
 下地島 しもぢしま サトウキビ栽培 隣接する伊良部島より給電
 来間島 くりまじま サトウキビ栽培  6,600ボルト橋梁ケーブル
にも給電している。ただ、宮古島の西方約55kmに位置する多良間島=
たらまじま、多良間島の北10kmに位置する水納島=みんなしまには
給電ネットワークに参加していないが、サトウキビ栽培は盛んであり、
前号で紹介のマイクロガスタービン発電で発生する余剰蒸気を利用で
きるメリットを活かすべきでは、と考えます。

しかも、宮古島諸島はサトウキビ栽培の歴史を持つので、そのバガス
炭由来の合成石油燃料によるガスタービン発電は国産エネルギーで
一貫した電力システムで構成されることをアピールできるでしょう。

さて、宮古島諸島の電源系統での電力需要は最大58,000kW程度なので、
米GE社の舶用ガスタービン「LM2500」を発電用ガスタービンに転用する
こと検討する。

 LM2500 舶用2軸ガスタービン
   ガスタービン定格出力 25,100kW 燃料:ナフサ
   蒸気タービン 2基 単基出力 20,000kW
   合計出力 65,100kW
 の発電モジュールを構成できる。当然、将来はサトウキビの
 搾り殻であるバガス炭由来の合成ナフサを使えば、中東の原油
 相場に左右されない電力事業を構築できるでしょう。

 しかも、LM2500というガスタービンの熱効率と熱消費率のデー
 タから、本GTの定格出力=25,100kWを2倍も増力できる可能性
 を指摘できます。そのために用意するサブシステムとして、自然
 エネルギーの太陽光発電や風力発電を経済性の観点から導入する
 ことにあります。

 ここで、LM2500の仕様のうち、

   燃料:ナフサ 燃料消費率:0.373ポンド/軸馬力・時
   排気温度:565℃ 排気量:155ポンド/秒 熱効率:37%
   熱消費率:6,860BTU/SHR-hr

 を眺めると、

   熱消費率:6,860BTU/SHR-hr
    1BTU=252cal 1kWh=860kcal
   より、

      熱消費率:6,860BTU/SHR-hr=
           6,860BTU x 0.252/(0.75kWh x 860kcal) =
           1728.72/645=2.68kWh :出力1kWh当り

   が得られ、出力1kWh当り熱量2.68kWhを消費することが分
   かります。つまり、

     1/2.68 x 100 = 37.3% :熱効率
   の結果から、(2.68-1=1.68kWh)の熱量の相当部分がGTの
   空気圧縮機の動力として消費されることを理解できます。

   そこで、この空気圧縮機の動力を太陽エネルギーで代替す
   ると、GT出力は、LM2500の場合、

      25,100kW x 2 = 50,200kW

   に増力できるでしょう。明らかに、燃料消費に変化はない
   ので空気圧縮機の代わりに太陽エネルギーで高圧酸素を用意
   するのは魅力的な方式と考えます。具体的には水の電気分解に
   よる高圧酸素の生成や活性炭で大気の窒素を吸着して高圧酸
   素を生成させる、などであります。

kt5muse in May 28, 2020

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月18日号】 沖縄離島の主電源に高効率のガスタービン発電導入すると

2020-05-17 20:50:49 | 日記

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月18日号】

沖縄離島の主電源に高効率のガスタービン発電導入すると

Posting in May 17, 2020

《本題》

前号で紹介したマイクロガスタービン(MGT)発電の効率は33%です。

これは、米国のインガ-ソルランド社(Ingersoll-Land)子会社である、

ノーザーンリサーチエンジニアリング社(NREC)の開発したMGTの性能

を元にしています。開発年は1987年で、GRI(Gas Research Institute)

およびSCG(Southern California Gas)というガス協会とガス会社の援助

でスタート。その後、1998年に試作機のテストを行い、現在は出力75kW

の商用機を「パワーワークス(Power Works)」の商品名で販売。

以下は、NREC社のガスタービンについて、

 新エネルギーの展望 『マイクロガスタービン』

  財団法人 エネルギー総合工学研究所(東京・港区)

  2001年3月発行

からの引用です。なお、同書では、トヨタ、日産、荏原のガスタービン

開発状況も調べてます。米国は5社が対象。

/// 本書 p.10-

(2) 基本的構造・性能等

[1] 構造・系統

(前略)

基本的システム構成は、タービン/コンプレッサ部と発電機部分

との軸を別とするいわゆる「2軸方式」となっている点がこれまで

に紹介した方式と大きく異なる。

2軸とは、空気を圧縮するガスタービンと発電機を駆動するガス

タービン(パワータービン)に対応して(駆動する機器の特性および

利用するガス特性に応じて)最も適したガスタービンの条件を選んだ

もので、前者のガスタービンが毎分76,000rpm,後者のパワーター

ビンは40,000rpmの回転数となっている。最終的には発電機は既存

技術である回転数3,600rpmの誘導発電機に接続させるためパワー

タービンと発電機の間に減速ギアを介して減速する。

本方式の場合、空気圧縮機の圧力は3~5気圧、燃焼器の温度は

800~900℃で圧縮機駆動タービンに入り、同タービンとパワーター

ビンの2箇所で動力を回収し、パワータービン出口650℃、さらに

再生熱交換器出口で250℃迄熱回収されて排出される。

このような2軸で、タービンが2段階で仕事することもあり、熱効

率は70kW機で33%(LHV基準)とこのクラスでは最高級の値を得る。

また、減速機を介して誘導発電機で発電していることもあり各機器

は既存技術の組合せで、軸受も油潤滑を採用するなどコージェネレー

ションへの運用も狙った多目的使用が可能といわれる。

/// 引用オワリ p.10-12

ここでNREC社”Power Works”というMGTのスペックを記します。

 Power Works 2軸再生式GT 70kW(定格出力)

  発電効率 33%(LHV) :再生器off 総合効率 88%(HHV)

  排ガス温度 200℃ タービン回転数 60,000rpm

  タービン入口温度 870℃ 圧縮機圧力比 3.3 軸受 油潤滑

  燃料種別 天然ガス、プロパン、ディーゼル燃料

  燃料消費率 18.4Mm3/h (13A天然ガス換算)

  重 量  1,360kg パッケージ寸法(mm3) 890X1,420x2,260

  NOx  9ppmv CO 25ppmv  寿命 80,000hrs.

  発電器形式 誘導電動機

この機種項目は、2001年公表のデータですから、現時点で評価するなら、

多くの改良点を指摘できるでしょう。例えば、誘導電動機の採用は、経済

性を向上させる上でメリットがありますが、そのために動力タービンに接

続の減速ギアを導入したことで、約15%のエネルギー損失を見込んでます。

また、電力系統に接続するとき、東京電力の交流周波巣の50ヘルツに同期

させるので初期運転時間が長くなります。そこで、現代の太陽光発電では、

系統周波数の位相に容易に同期できるデジタル制御装置で瞬時に系統電源

に電力を供給できる&Power Conditioner&を採用して、この問題をクリアして

います。具体的には高速Switching素子のGaN(窒化ガリウム)という半導体

を開発して、太陽光発電による直流電力を数千ボルトの高圧交流に変換す

るDeviceで実用化されました。航空機用発電装置は軽量・小型を目的に

して440ヘルツの可聴周波巣で規格化されてます。同様に、高周波用発電

が可能な永久磁石式発電機を採用すべきかも知れません。減速ギアの損失

をゼロにできますから。

また、NREC社の装置は高温のタービン出口温度を利用して水蒸気発生さ

せ、この蒸気を蒸気利用工程で使い、熱効率の向上を図っております。

そして更に、発電効率のアップが期待できることがあります。それは、

沖縄離島は海島であるため、蒸気発電に絶好の立地条件を提供していま

す。海水という冷却水(海洋深層水なら約6℃)を使用することで蒸気ター

ビンの出力を大きく増やせるからです。原発は原子炉という巨大な湯沸か

しで水を沸騰あるいは高圧高温の蒸気で蒸気タービンを回転させ、発電

させてます。このときの発電効率は33%を設計基準にするよう、米・原子

力委員会は推奨していることを思い起こしてください。日本の原発はすべ

てが海岸に立地するのは海水という低い冷却水を利用するためなのです。

NREC社のMGTはガスタービンの出口温度で水蒸気を作り、その蒸気を

工業用に利用する仕様を標準としていますが、もし、沖縄離島でMGT

発電を計画するなら、蒸気タービン発電に必要な冷却海水を利用しない

手はない、と考えます。もちろん、海水はタダですが、海水を汲み上げ

るには、ポンプを動かす動力が必要となりますが、これは、太陽光発電

や風力発電の電力でその損失をカバーできるでしょう。これらの発電

コストは1キロワット時当り4米セントなので・・・。

沖縄離島と同様な自然環境にある米Hawaii州ではLM2500という米GE

社開発のガスタービン発電装置がハワイ電灯社によって導入されたのは

2000年代初頭のことです。このGTは舶用ガスタービンで米海軍の艦艇用

エンジンとして生産されているようです。その出力は25,100kWで、発電

効率を上げるため、ハワイでは、さらに20,000kWの蒸気タービンを2基

を備えて合計6.5万kWを発電する仕様となっています。

なお、このGTは2軸ガスタービンで、他の仕様を列記すれば、

  燃料:ナフサ 燃料消費率:0.373ポンド/軸馬力~時

  排気温度:565℃ 排気量:155ポンド/秒 熱効率:37%

  熱消費率:6,860BTU/SHR-hr

また、このGTを日本のIHI(旧石川島播磨重工業)がライセンス生産して

いる、とWikipediaにあります。なお、ハワイでのGT発電導入を記すの

は、『燃料電池が世界を変える』(広瀬 隆著 p.254-)によりました。

Kkt5muse in May 17, 2020

本文を入力

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月11日号】  離島家庭のベランダでも栽培できる温室を

2020-05-10 19:58:21 | 日記

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月11日号】

 離島家庭のベランダでも栽培できる温室を


 Posting in May 10, 2020

 

補足情報 5月3日号

 文中に脱落した文言があります。下記のように補足して

 ください。

  サトウキビは熱帯から亜熱帯地域を中心に栽培される

         多年生のイネ ー>

    科サトウキビ属の植物である。

    現在、各国で栽培されているサトウキビは経済品種と総称され、

    学名ではSaccharum spp.hybridと表記される。

 ドウモ スミマセン


【補充情報 高生産性の植物工場】

  『ハウスの環境制御ガイドブック』 斎藤 章 著

   ーーー光合成高めれば [もっととれる]ーーー

   (一般社団法人) 農山漁村文化協会

   2019年11月5日 第8刷発行

    著者は千葉大学大学院園芸学術研究科修了の後、施設園芸先進

    国のオランダでの、10a(1反)当り70トンのトマト収量を達成し

    ている栽培技術を日本に紹介する農業技術の専門家。

    本書では、園芸先進国のオランダで展開される高生産性のハウス

    栽培を紹介する。

    特に、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度よりも高い濃度のCO2を供

    与して栽培植物の生育を高める技術が参考になると思います。


    また、発行年は古い参考書ですが、

     『炭酸ガス 命を支える不思議な物質』

      長倉 功著 朝日新聞社

      1988年7月25日 第1刷

      著者は朝日新聞社記者(東京大学教養学科卒)。

    があります。 

     目次を見ると、炭酸ガスの有効利用として、

      1 生命に必要な炭酸ガス

      2 健康人に不足すると過換気症候群が

      3 体の中の炭酸ガス

      4 植物には元気のモト

         炭酸ガスでメロンを育てる 43

         じつはキビしい”温室育ち” 45

         朝のごちそう”午後の飢餓” 47

         おなかが減ったら炭酸ガス? 49

         炭酸ガスたっぷり収穫倍増 50

         宇宙では炭酸ガス栽培が必須 52

         植物に最適な炭酸ガス濃度は? 53

      5 石炭は炭酸ガスが育てた

      6 太古の大気は炭酸ガスだった

      7 生命は炭酸ガスに囲まれて誕生

      8 ラン藻が炭酸ガスを岩にした

      9 いつまでもあると思うな炭酸ガス

      10 これから炭酸ガスが増える

      11 植物に及ぼす炭酸ガスの魔術

         光合成以外の作用がこんなに 124

         意外に広い炭酸ガスの担当分野 125

         意味の理解不能の生理

                作用もしている 126

         水中型を陸上型に変える手品 129

         植物ホルモンの役目をする

                  万能選手 130

         リンゴを新鮮に保つ 131

         包装紙を工夫して「自己CA貯蔵」 133

         お米の備蓄に炭酸ガス 134

         モミの発芽力が三年も維持 135

      12 動物にも魔術をかける

      13 本当の毒と、濡れ衣の毒

      14 病気の療養に炭酸泉

      15 人工炭酸泉づくりが日本で始まった

      16 「炭酸ガス医療」が発祥した

      17 炭酸ガス理解は人類の資産

   を掲げてます。ご参照のほどを。


《本題》


シェルやカタールは、天然ガスを原料にして、合成

石油を製造・販売しています。いずれも、同ガスの

炭素と水素成分のみから合成してますから、燃やし

ても硫黄酸化物は発生しません。このため、合成石油

を利用して炭酸ガスを作り、ハウス植物に与えて増収

を期待できます。沖縄離島でも先人たちの確立した栽

培技術を利用して有力な商品作物に育ててほしいと思

います。


そこで、前掲で紹介した斎藤 章氏の勤務先である

 株式会社 協和

が開発した家庭用水耕栽培装置「ハイポニカ」で自家

栽培にチャレンジして下さい。夏場の新鮮な葉物野菜

を味わえるはずです。価格は1万円以下ですが、温帯

仕様だとおもいますから、若干の仕様変更が必要かも

しれません。これで、夏場の野菜栽培をマスターすれば、

量産型植物栽培プラントで全国販売も可能となるで

しょう。市場が全国に広がると、ドローンという無人

航空機による貨物航空網や貨物船の高速化、離島での

水産物は安価なディーゼル合成軽油で、あるいは、サト

ウキビ由来の「ラム酒」などの多彩な品目で連携するなら

ば、かなりの流通コストを圧縮できます。しかも、高速

インターネット回線が離島にまで及ぶと、全国に配置す

る24,000の郵便局網を活用できます。そのため、総務省

は国営の光ファイバー回線を敷設して安価なデータ通信

を可能にしてほしいものです。光回線と家庭との接続は

高速無線LANを通じて行えば、安価な通信料金で利用で

きることになります。さらに、この回線を通じて成人男女

はNetflixなどの動画通信サービス、未成年層にはネットで

の個別学習の機会が与えられ、教育の機会均等を満喫でき

る、と考えます。

なお、高速無線LANの到達範囲は、半径100mですが、米

国では、到達半径200mの高出力タイプを許可したとの報道

もあります。日本も検討願いたいものです。

kt5muse in May 10, 2020


【埋め草ーMuseの場合 2020年5月4日号】 合成ジェット燃料で沖縄離島にガスタービン発電を

2020-05-02 17:08:50 | 日記

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月4日号】

合成ジェット燃料で沖縄離島にガスタービン発電を

Posting in May 2, 2020

《本題》

ジェット燃料はガソリン15%と灯油85%で構成されてます。このうち、

サトウキビの搾り殻を炭化したバガス炭由来の合成灯油を製造すれば、

中東の原油相場の影響を15%ほどに制限された合成ジェット燃料を市

場に投入できることになります。

ただいま、原油相場が暴落し、11ドル前後とのこと。これは、世界的な

新型コロナの蔓延による経済活動の停滞から原油への実需要が減少した

ので、原油貯蔵タンクのスペースに余裕が無くなったから、と経済紙は

報じています。

では、当ブログが提起する合成石油製造の前途に暗雲が垂れ込め

る気運が生じるのでしょうか。答えは”No”であります。産業用電気

料金が1キロワット時当り4米セントで電力を供給される地域が存

在する限り当該プロジェクトの障害とはなりません。原発や水力発

電は石油資源の有無にかかわらず電力インフラの一角を構築してい

る、と考えるからです。

さて、沖縄離島でサトウキビを栽培するのは、砂糖の製造を目的に

しているので、その現金収入はサトウキビの搾った汁(蔗糖)の代価

そのものです。したがって、搾り殻を有効に利用すれば、更なるエネ

ルギー作物に格上げできるはずです。天然ガスや石炭を原料にして

合成石油燃料を製造するとき、投入する熱エネルギーはその原料の

一部を消費することを前提にしていました。これでは、液体燃料と

しての原油相場を意識して合成石油の販売価格を設定せざるを得ま

せん。

これに対して、サトウキビ殻を炭化したバガス炭由来の合成灯油は

二酸化炭素を発生しない原発や水力発電の電力で1,000℃以上の高温

でバガス炭(=炭素C)と二酸化炭素(CO2)により、一酸化炭素(CO)とい

う燃料ガスを生成できます。このガスの一部と水蒸気(H2O)を加熱す

ることで、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)が生成するので、この水素と

一部の一酸化炭素(CO)に適当な触媒と加熱により、合成灯油が得られ

ます。この反応工程では、熱エネルギー源は電気エネルギーなので、

余計な二酸化炭素(CO2)を生成していないことにご注目を。しかも、

水素生成工程で発生した二酸化炭素(CO2)はリサイクルされて再度、

高温電熱で一酸化炭素(CO)というガス燃料に変換されますので、通

常の化石燃料発電のように大気に放出されません。

かくて、バガス炭という炭素(=C)は発電システムの内部で循環する

状況から、carbon neutralと見なせ、地球温暖化の議論を挟む余地

はないでしょう。

沖縄離島でバガス炭由来の合成灯油を燃やすガスタービン発電の効

率は33%を期待できます。離島内部での電力需要は、当初、ハウス

栽培用の照明と空気調節が主体となります。故に、100キロワット

出力のマイクロガスタービンを導入すると、そのモデルは、高圧空気

圧縮用のコンプレッサを駆動する軸タービンと発電機を駆動する軸

タービンの2軸タービン発電システムが候補となります。なぜなら、

太陽光発電や風力発電の電力で空気の窒素分を活性炭に吸着させ、

酸素だけをシステム内部に送り込むなら合成灯油燃料は通常の約40%

を消費するだけ、となります。したがって、燃料コストは半減するの

で、ディーゼル発電による電気料金の50%以下を実現できます。

さらに、合成燃料の半分は常にリサイクルされた炭素燃料なので、

約25%以下の電気料金を支払うことになるでしょう。

なお、マイクロガスタービン発電システムが米国の発電系統に組み

込まれた背景は、高い発電効率(33%以下)と高出力の半導体の出現

によるデジタル制御装置が開発されたことにあります。しかも、ガス

タービン発電は1分以内に定格出力を保証する急速起動が可能です。

特に、Google,Amazon,Microsoftなどのデータセンターの電源は、

絶対に停電が許されないので、これらのマイクロガスタービン発電

システムが必需品となったようです。

kt5muse in May 2, 2020

本文を入力

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月3日号】  バガス(サトウキビ殻)について

2020-05-02 16:34:47 | 日記

【埋め草ーMuseの場合 2020年5月3日号】

 バガス(サトウキビ殻)について

Posting in May 2, 2020

 ZEV ;Zero-Emission Vehicle

 PHV ;Plug-in Hybrid Vehicle

 EV ; Electric Vehicle、電気自動車

 PEV ; Plug-in Electric Vehicle

 FCV ; Fuel Cell Vehicle、燃料電池車

《本題》

サトウキビは沖縄県と鹿児島県の一部離島で栽培されてます。

当ブログの読者にもサトウキビという作物についての情報を共有

するため、専門家の知見を下記の書物から引用します。

 (a) サトウキビー予備知識

 サトウキビを栽培する目的は砂糖をつくることにあります。

 その砂糖を得る工程では、サトウキビを絞って粗製糖汁を

 つくるとき、水分を除く成分をバガスと呼んでます。

 これについて、

  『エネルギー作物学』 森田茂紀 編著

   朝倉書店 2018年7月5日 初版第1刷

 では、バイオエタノールを生産する過程で生ずるバガスを次のように

 記してます。

 なお、編者の森田氏は、サトウキビのバガス成分について、エネルギー

 作物としての側面を明らかにしておりません。自動車用燃料のバイオ

 エタノールを収得するための糖質材料として捉えています。

 他方、当ブログでは、糖分成分を食品として利用することを前提に

 し、バガス成分をエネルギー資源として、その利用を図る積もりです。

 具体的には、バガス成分が保持する炭素分の有効利用、にあります。

 /// 2-2 糖質系エネルギー作物 p.12-

  a.サトウキビの分類・育種・栽培

   (1) 分類と育種

   サトウキビは熱帯から亜熱帯地域を中心に栽培される多年生のイネ

   (この項目、以下略)

   (2) 栽培

   サトウキビの栽培期間は、一般に12~18ヶ月間と長い。初期生育は緩

   慢であるが、夏季の生育旺盛期における最大個体群生長速度は高くC4型

   光合成を行う各種作物の中でも上位に位置する。

   生長のために必要とされる以上の、余剰な光合成物は茎内にショ糖として

   蓄えられるが、温度低下や土壌乾燥などにより茎の伸長が停滞すると、

   より急速に糖度が上昇する。一定の糖度に達した後、製糖原料となる茎

   (原料茎)を収穫する。収穫後は、株から再生する萌芽を生育させ、再び

   収穫する株出しが行われる。株出しでは植付けが不要であり、苗や労力

   を節約できる。そのため、株出し時の収量や株出しの継続年数が、サトウ

   キビ生産の低コスト化において重要である。

   通常、新たに植え付けた年(新植)か株出し1年目に最大収量を示し、その後

   は株出し回数の増加に伴い収量は漸滅する。日本では冬季に収穫を行うた

   め、萌芽時期が低温、低日照条件に曝される場合が多い。さらに、沖縄や

   鹿児島では地力や保水性に乏しいサンゴ礁由来の土壌が多いこともあり、

   株出しにおける収量の低下程度が大きく、株出し年数は2~3年程度と

   短い。

   他方、ブラジルのような温暖で生育や萌芽に有利な環境下では、高い収量

   水準を維持したまま、5~6年以上にわたって株出しが継続される。

   ブラジルでは古くから大規模なプランテーションでサトウキビが生産され

   ており、製糖産業が経済的に重要な位置を占めていた。サトウキビからの

   バイオエタノール生産は基本的に粗糖生産の延長線上にあることから、

   充実した製糖産業が現在のブラジルのバイオエタノール生産の拡大に大き

   く貢献したといえる。

   b. 粗糖生産とバイオエタノール生産

   (1) 粗糖生産工程

   収穫されたサトウキビの原料茎は製糖工場に運ばれ、糖度が低い梢

   頭部や枯葉などの夾雑物(トラッシュ)を除去した後、粉砕、圧搾さ

   れ、蔗汁(サトウキビ汁ー引用者注)が搾り出される(図2.1ー略)。

   (中略)

   製糖工程で必要となる圧搾装置や発電機の動力エネルギー、濃縮

   や結晶化工程の熱源には、バガス(搾りかす)を専用ボイラーで燃焼

   させて得た蒸気や熱を用いる。

    (2) バイオエタノール生産工程

    (略)

    (3) エネルギー効率の試算

    (以下略)

 /// 引用オワリ p.12-15

 なお、サトウキビの他に糖料作物として、テンサイ、サトウカエデ、

 サトウヤシも世界各地で栽培されてます。

 ところで、サトウキビは、一般に重量比で蔗汁(しぼり汁)=10%、

 サトウキビ殻=20%、水分=70%で構成されてます。それ故、

 バガス炭はサトウキビの収穫量の20%に相当するキビ殻を炭化

 することで得られます。

 サトウキビの収穫量を国連のFAO統計でみると、2017年の調べ

 では、

        収穫量  収穫面積  

  世界計   184,150   2,600

  アフリカ   9,210    160

  北中米    14,880    180

  南米     85,140   1,150

  アジア    68,580   1,000

  ヨーロッパ  0    0

  オセアニア  3,820      50

  注 収穫量:万トン 収穫面積:万ヘクタール

    出典:「世界のおもな農作物

        地域別おもな作物の収穫面積・収穫量(2017)」

       『理科年表 2019年』 丸善

    また、米国の州別のサトウキビ(2017年調べ)は、フロリダ州

    (1,688万t)、ルイジアナ州(1,382万t)、テキサス州(155万t)、

    ハワイ州(137万t)にて栽培ですが、全米一の高い電気料金を

    計上しているのはハワイ州なので、バガス炭由来の合成灯油

    でのガスタービン発電を導入できるかも、と考えてます。

    別資料から、日本のサトウキビは、2015年に157万トンを

    収穫した、とあります。また、砂糖の消費は220万トン、

    1人当り消費は17kg(世界同、25kg)。故に、日本では、

    輸入砂糖が消費の大半を占めることが分かります。

     参照:「国連FAO統計 2015年」。二宮書店版

から、バガス炭換算では世界で毎年3億6千万トンも発生して

いるようです。これが10年累積すれば、36億トンの炭素資源を

燃料として再生できるので、エネルギーコスト削減に貢献する

はず。ただし米国のように産業向け電気料金が1キロワット当り

4米セントで電力を供給できる水力発電や原発設備が充実して

いることが前提になりますが・・・。

kt5muse in April 30, 2020