持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

THE WINDS OF GOD

2005-05-10 00:03:50 | 演劇:予告編
『THE WINDS OF GOD ~零のかなたへ~』
劇場:紀伊国屋サザンシアター 他
期間:2005/7/1~10/1(全日程)
作/演出:今井雅之
出演:今井雅之,松本匠,AKIRA,田中伸一,岡安泰樹,田中正範 他


幾度となく国内外で再演され、映画化もされている作品。昨夜、テレビで特集番組を見た(関西テレビ『The Winds of God ~フィリピン人が愛した神風~』)。フィリピンでは、神風特攻隊の慰霊祭が行われているという。保管される、検閲を逃れた手紙。日本では風化しつつある特攻隊の史実が。占領地となっていた彼の地で、ずっと語り継がれている。

売れない漫才コンビの兄貴と金太が、突然遭遇した交通事故のショックで、太平洋戦争末期の昭和20年に魂だけがタイムスリップしてしまい、神風特攻隊の「岸田中尉(兄貴)・福元少尉(金太)」として目覚めることから展開していく。どんな時代にも変わらない若者たちの熱さを描いた今井雅之の傑作として、これまで16年にわたり上演されてきた。

戦争物で。特攻隊という題材を扱うが。「右」や「左」の思想に寄るものではないと考える。漫才コンビが主役だから、笑って観ることができる。彼らは現代らしい若者だから、戦争なんて理解できていない。
現代、60年前の戦争をリアルに感じることは難しい。この芝居は、それを決して責めない。巻き込まれてしまった二人とともに。笑いながら感じていけば、それでいいと言ってくれる。

戦争は語られなければ、と思った。皆ごく普通の人々で。生きていたい若者で。なのに何故わが身を捨てて戦いに出たかの。その心は、語り継がれなければならないと思った。
殊更に。悲しみを強めることなく。ましてや恨みを強めることもなく。ただ真っ直ぐに「伝える」ことをしてくれる。そういう稀有な舞台だと思っている。

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