持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

阿修羅城の瞳(2/2)

2005-05-20 00:05:09 | 映画
<5/19のつづき>
賛否両論な映画だと思う。説明のないままに見るには、相当な想像力を要するという点。スクリーンで舞台芝居が展開されることに、どこまでなじめるかという点。
たとえば。目の前で歌舞伎が展開されたとき、意味もなく照れて直視できなかった。素晴らしくても、相当肯定的に見ていても。なんとなく受け入れづらいことはあったりする。

注文をつけるとすれば。邪空。時間的に厳しかったのだろうけど、あと少し内面まで描いて欲しかったな。出門との友情だとか、だからこその嫉妬だとか。それと笑死は。見た目は子どもだと思っているので、子役さんで観たかった気がする。舞台はエイジレスだけど、ね。あと、四代目鶴屋南北先生。小日向文世氏への配役のまま、この出来事に狂喜する演出をもっと強めていただけたら、すごく不気味で楽しかったかな、と。

注文が多くなったが。映画に期待をかけて、報われたことは多々あって。たとえば魔界にかかる橋。天空に燃えさかる、さかしま(さかさま)の江戸の町。CG万歳。
そして。何をおいても、宮沢りえちゃん。発表段階から相当盛り上がったが。市川染五郎さんとのバランスも良くて、とても素敵だった。あとは出門(いずも)の過去。現役の鬼御門(おにみかど)の副長として、生き生きと動く姿がみられたこと。
クライマックスシーンでは。この二人の凄絶な斬り合いが展開される。映画ならではのカットの中で、血濡れで交わされる台詞に改めて絶句する。
「よもや、その程度の手傷で、命果てるわけではありますまいな」
「首が飛んでも、動いてみせらあ」
激しい恋情。命懸けの愛情。これらに突出した映画だったと思う。

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