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宗男日記から

2006年10月11日 | Weblog
ムネオ日記
2006年10月10日(火)
 案の定、北朝鮮の核実験で、せっかくの日韓首脳会談が脇にはじかれてしまう。この北朝鮮の核実験に関し、外務省の情報収集はどうであったか。私なりに時系列的に整理し、考えを述べておきたい。
 10日3日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が核実験を実施すると発表した。「北朝鮮外務省は3日、声明を通じて『朝鮮民主主義人民共和国科学研究部門ではこれから安全性が徹底的に保証された核実験をする』と明らかにした。/外務省は続いて『朝鮮民主主義人民共和国は絶対に核兵器を先に使わず、核兵器を通じた脅威と核移転を徹底的に許さない』とした。また『朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮半島の非核化の実現と世界的な核軍縮、終局的な核兵器撤廃のため努力する』と明らかにした。/外務省はこの日『米国の反共和国孤立圧殺策動が極限点を越え、最悪の状況となっている諸般の情勢下で、我々はこれ以上事態の進展を手を拱いていることはできなくなった』とし『朝鮮民主主義人民共和国外務省は委任によって自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置を取ることについてこのように厳粛に明らかにする』とした」(10月3日付韓国・中央日報日本語版HP)。北朝鮮外交は「求愛を恫喝で示す」という独自の「文法」をもっている。核実験という重要カードを切って、アメリカ、日本と交渉をしたいと考えている。
 今回の核実験は、安倍政権が誕生したことに対する北朝鮮流の「プレゼント」である。その根拠は、自民党総裁選後の9月25日に北朝鮮政府の事実上の公式HP「ネナラ(わが国)・朝鮮民主主義人民共和国」に、同月19日に日本が対北朝鮮金融制裁を発動したことに対して「朝日対決を極に至らせる妄動」という論評を掲載し、その中で「今回の日本のわが国に対する制裁騒ぎは、米国の対朝鮮敵視政策に追従し、主人の機嫌を取ろうとする政治的醜態以外の何物でもない。日本の反動勢力が公然と対共和国制裁の実践的措置を講じる道へと突き進んでいるのは、朝日平壌宣言の精神と原則を踏みにじる行為であり、朝日関係をさらなる対決の局面へと導く無謀かつ挑発的な行為である」と指摘している。ここで北朝鮮が「平壌宣言の精神と原則を踏みにじる行為」という表現を用いていることが重要だ。安倍政権になったことを踏まえ、北朝鮮は平壌宣言をルールブックとして日朝関係を立て直したいと考えているのである。同論評で「われわれは、日本の挑発的かつ浅ましい醜態を袖手傍観しないであろうし、必要な措置を引き続き強化していくであろう」と述べているが、核実験に関する声明は、日本に対して向けられたメッセージなのである。
 日本外務省の反応を見る限り、どうも情報のキャッチボールができていない。特にひどいのが坂場三男外務報道官の対応だ。外務省公式HPによれば、10月3日午後6時の記者会見で、「北朝鮮が、朝鮮通信で、核実験を実施するという声明を発表したということなのですが、その事実関係を外務省として今どのように把握されているか」という質問に対し、坂場氏は「北朝鮮の核実験に関する声明というのは、(今この時点で)私自身は承知していません。また、私どもは北朝鮮の状況について、様々な情報収集・分析を行っていますが、にわかにそのような動きがあるとは承知していません」と応答しているが、実にお粗末だ。
 日本はラヂオプレスを通じ、北朝鮮の公開情報については世界に誇りうる傍受体制をとっている。ラヂオプレスとの窓口になっている外務省国際情報統括官組織はもっと緊張感をもって活動し、外務報道官の会見直近までに得た情報をきちんと発表すれば、北朝鮮に対して日本は公開情報を注意深くウオッチしているとシグナルを送ることができた。声明の存在自体を記者の質問で初めて知るなどというのは外務省の情報アンテナがぶっ壊れていることを世界に明らかにしたことにほかならない。
 翌10月4日の会見で、「北朝鮮が実際に核実験が出来るかどうかという能力についてどのように見ていらっしゃるのでしょうか」という質問に対し、坂場氏は「北朝鮮の能力についての判断について、今ここで述べるのは適当だとは思いません。ただ北朝鮮があのような声明を出しているということからしますと、先方は少なくともそういう意図、能力を持って、立場を明らかにしたと受けとめるべきかと思います」と応答たが、北朝鮮の核実験を行う能力について「今ここで述べるのは適当だとは思いません」と述べながら、その直後に「能力を持って、立場を明らかにした」と明言し、論理が完全に破綻している。脅威は当該国の意図と能力によって作り出されるので、坂場発言は日本政府が《近未来に北朝鮮が核実験を行う》と分析・評価していることに他ならない。
 日本の外務官僚のわけのわからない発言で情報のキャッチボールができず北朝鮮当局も当惑していることと思う。このような状況下、内閣総理大臣官邸が日本側のゲームのルールを正確に説明することだ。9月11日の自民党総裁候補討論会で、日中関係についてであるが、安倍氏は「国と国とが国交を正常化する、あるいは講和条約を結ぶ時、これは交わした文書がすべてなんだと思う」(9月12日付毎日新聞朝刊)と述べた。日朝平壌宣言も国交正常化交渉の前提となる重要文書である。今回の北朝鮮による核実験は、拉致問題を解決し、核兵器・ミサイルなどの大量破壊兵器の開発、保持を断念すれば、国交を正常化し、日本は北朝鮮に経済協力を行うという日朝平壌宣言の合意を踏みにじるものだ。私が以前から述べているように、平壌宣言の破棄を視野に入れて、毅然たる交渉を北朝鮮と行うことを外交当局に対して望む。
 以上、私が毎月連載している「月刊日本」11月号に、上記の考えを示したい。
鈴 木 宗 男
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