忙しい人の邪魔になったら申し訳ない。近頃、互いに笑顔の
挨拶だけで通り過ぎる事が多いシリア人。
スティーブ・ジョブズ君は父君が中東系シリア人だった
そうだが彼自身は白人で通っている。
当のシリア人も色白だし目は青い。アラブ系のヒゲも無い。
彫りの深い顔立ちと云い、どう見たって白人そのものだ。
アラビア語も知って当然だろうが、英語も日本語も達者な
中年男子。
聞いたことは無いが娘婿達と同年代の40代か?と思う。
通勤途中に会うとディパックスタイルでロードバイクに
跨る姿から、それ以上の歳は想像できない。
当初のサムズアップ(thumbs up sign)は向こう様からの
挨拶でアメリカ人と同じだな、と思った。
ハンドサインのサムズアップは万国共通ではないから国に
依っては『ナメんじゃねーぜ!』ってな事になる。
アフガニスタン、イラン、イタリア、ギリシャ等では要注意。
1970年以降、日本ではテレビCMの影響でカメラを前に馬鹿の
一つ覚えのように繰り出すピースサインが日常的にさえなって
いるが、昔の日本に、あんな Vサインの風習は無かった。
しかし、異国では気を付けよう。
ギリシャでは「くたばれ!」の意味だそうだ。喧嘩の火種にも
なりかねない。
☆
冒頭のシリア人は、5年くらい前、以前から知り合いの
エジプシャンから偶然出会った喫茶店で紹介された人物で
紹介者のエジプシャンより日本語が達者だった。
経緯の程は詳しく聞いていないが、日本で徐々に店舗数を
増やし軌道に乗ったところでシリアで忌まわしい内戦が勃発。
昨年、御両親に会うためにイスタンブールの避難先を訪れ
自分が生まれ育った家が一瞬にして消えた様子を聞かされて
来たようで、再会当日『私の家はもう無い。酷いよ。あっと
言う間に何も残っていないんだからね。家も埃も煙と一緒。
突然消えて何も無いんだから・・・』と故郷で起きた不幸を
伏し目勝ちにトツトツと話した。
普段は茶目っ気たっぷりなハンサムだが、その内面には
計り知れない雰囲気が在り在りと見て取れた。
耐える時期なんだろうな。辛いだろうな?ひょっとして、
多忙な仕事で気を紛らわせているのかも、と思うこともある。
こちらが『俺ね、仕事もせずに遊んでばかり。』などと言うと
『長い間働いて来たんだからユックリしてイイんじゃないの』
と慰めとも受け取れるような返事が返ってくる。
厄介者扱い、中古品扱いされる年寄りに対する考え方が、
現代の若い日本人と随分異なるように感じている。
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