１９２．七夕は焼肉で

彼がショッピングモールに到着した。

車に乗り込む。


携帯を新しいのに代えたため液晶画面を保護する

シールが欲しいとのことで雑貨屋へと向かった。

ポップな雑貨がたくさん置いてある店。


『ね、昼間にさグリカ送ったの見た？』

『昼間やでさ、携帯の機種変えたの』

『もうっ、せっかく送ったのにぃぃ』

『ごめん、ごめん。じゃ、見せて』


彼に送った「七夕グリカ」を見せた。

カード：＜今日は七夕。織姫も彦星とデートしてるはず。

　アタシも今日はタツ彦星に会えるよねぇ…＞



『七夕やでどうしても会いたかったんや』

『え…　そういう訳やないけどさ…』


＜そうだよ＞


ココロの中では違う返事してた。こういう時は素直じゃない私。



結局彼の機種のシールはなかったがせっかく来たので

色々と物色。彼は意外と買い物好きな気がする。


『これ可愛い～、買ってあげよっか』

『え…　いいよ、いいよ、物増えると困るし

　ウチ、部屋狭いからさ。気持ちだけもらっとく』


彼はなにかと買ってあげようかって言う。

でも私は…

部屋が狭いから物が増えるのは困るというのもあるが

彼から物をもらいたくない。

いつか彼が私から離れた時に物だけが残るのが切ないから。


レジの横に「てるてる坊主」のマスコットがつるしてあった。

それを取ってレジに向かう彼。


『え～、そんなのつけるのぉ？』

『いいのっ』


雑貨屋を出て車を走らせる。


焼肉屋でご飯を食べることになった。

七夕なのにロマンチックではないがいいのだ。

焼肉をつつき合う織姫と彦星がいた方が楽しい。


久しぶりの焼肉～～　(￣￢￣*)じゅるぅ　

焼肉といえばアルコールだが彼は呑めないし運転なので

私も当然呑まない。ドリンクバーでソフトドリンク。


焼肉を食べながらいろんなこと話した。

日常の話、今まで会えなかった間の話

彼と向かい合って話しが出来るのが

この上ない幸せに感じた。


途中、彼が車に何かを取りに出た。

この間の社内旅行の大阪土産。


＜たこ焼きキューピー＞


o(>▽<)o ウキャキャウキャキャ　可愛いよぉぉ。

キューピーも可愛いがこれを選ぶ彼が可愛い。

でも、少し残酷…　焼かれちゃうんだもんね(笑)


『はははｈ～～　おもろい、めっちゃ可愛いぃぃ』

『やろ？これ見た時、絶対これはキミにって思ったもん』


その言葉、すごく嬉しい。彼は何気に言っているのだろうが…

アタシにとってはモノよりコトバだよ。

そのコトバもらえるだけで本当に嬉しい。


（たこ焼きキューピーとてるてる坊主）



最近私は食が進まなく食べてなくて胃が

小さくなっているのかあまり食べられなかった。

彼が目の前にいることで胸が一杯で食べられないってのもあるけど…

彼は相変わらずの痩せの大食い。大ライスを2杯もおかわりしてた。

たくさん食べる男のヒトって好きだな…



食事を終え車に乗り込んだ。

＜帰りたくないな…＞

毎回彼と会うと思う。時間なんてこのまま止まってしまえばいいのにと。

だが時は無償に過ぎていく…





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