kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

社内で理屈を通すことについて思う話

2006-05-14 22:41:16 | 仕事関連

これは頷かされます。

改革推進者が、改革対象の公務員を信じられないため、外部の識者やコンサルタントに頼んで改革案を作る。現場を知らない人々が作った改革案だから、現場からは効果がないように見える。それで、是が非でも実行しようという気持ちにならない。
これを改革推進者は現場の抵抗とみなし、ますます現場への不信感を募らせ、さらに強硬な改革案を突きつける。現場もそれに劣らず、改革推進者に不信を募らせるという悪循環である。
大西宏のマーケティング・エッセンス様より)

もちろん吟味すべきは、外部コンサルだろうがボトムアップだろうが、出てきた改革案そのものなんでしょうけど、理屈がいくら良くても通せなきゃ意味が無いわけで。

まあ国政レベルの話はさておき、いきなり小さくなって当社レベルの話。
当社の場合、現政権と違って、現場の中間管理職クラスの方が改革派で、(頭の中が)昭和ぞろいの経営者サイドがガチガチの守旧派なんですね。
もっとも、まだまだ年功序列の会社が多いでしょうから、世間の多くの会社が同じ事情かもしれませんけど。

上が改革派の場合については、大西様のエントリにあるように、ゴーン社長がやった手法が大いに参考になるでしょうと。
一方、下が改革派の場合はどうか。
まともに竹棒に訴状をくくりつけて訴えても、潰されるかあしらわれるのが落ちでしょう。「昭和」の会社の場合。

思うに、上記とは逆に「外部の識者やコンサルタント」を使うのがよろしいかと。
ゴーンさんの場合は、理のある側が情をもって理を通そうとする図ですね。(「情」の手法も理があるんですけど)
ですから逆にすればいい。情が優先してしまう集団には理をもってこれを通すと。

下からの具申は「生意気な小僧め」と潰しますが、なぜか外部の識者の話は聞くんですよね。
内容ではありません。単純にヒエラルキーを否定されるのがまずいということなんだろうと思います。
だからヒエラルキーに無縁な人がやらなきゃいけない。
(その意味で、株主(総会)という会社組織図で一番上にある人が、まともに彼らの理を通そうとしてもダメなんですよね。>村上F)

ですが、中間管理職クラスがコンサルを雇うという上申を出すにも、それなりの大義名分が必要ですし、経営者が聞くようなシチュエーションを作らなければならない。

そこで、経営企画室の登場ですよ。
・・・って別に企画じゃなくて、改革にシンパのある役員の方がいいんですけど、いずれにせよ役員サイドに提言できる立場の人間を、ゴーンさんが一般社員を巻き込んだように、取り込んでおく必要があるのかなと。

で、シンパの役員さんが直接提言となると、これは派閥抗争になってしまうから、ワンクッション置く必要があるということで、外圧を用いる。
問題は大義名分なんですけど、例えば新規事業を立ち上げるときとか、業績が思わしくないときとか、あるいはさんざん批判している内部統制なんかは、外部コンサルを入れるいいきっかけになるかもしれない。
とにかく機をつかんでいただいて、世間の風を吹き込ませることですね。

当方でもこないだ機を掴んで、役員会であるコンサルに一席ぶってもらったのですが、言葉穏やかに胸のすく経営批判の連発。
コンサル導入を上申した当方に密かに握手を求めてくる人多数ということになり、中期経営計画にその批判内容への対策を織り込むことにつなげることができました。

いや、内容はたいしたこと言ってないんです。当たり前のことを言ってるに過ぎない。
でもしかるべきTPOでそれをやらないと通らないというのが、組織というもの。

もちろん、単に「ストレス解消」に終わっちゃしょうがないわけで、こっちの場合も改革の中身にちゃんとした理があるかどうかが重要であることに変わりはないですし、単純に理が通らない、あるいは理対理の話にならず、こうした社内政治の話になってしまうこと自体がよろしくないんですけどね。

 



最新の画像もっと見る